北海道士幌町は大規模畑作農業地帯であるが、畑作は水気を嫌い乾燥地を好むため、いつしか身の回りから水のある風景や豊かな水生動植物を育んだ湿地や小川が失われてきた。
当団体では、そのような事態を踏まえ、子育て・児童支援および環境学習のためのセンター「遊~遊~村」を建設中である。
当プロジェクトは、この「遊~遊~村」を拠点に、子供達と、地域から失われた水辺の風景、水環境の再生、水がもたらしてくれる豊かな文化の復活を目指して、ウォーター・リバイバルプラン「親水塾」を実施するものである。
かつては豊かな植物が分布し、どの家でもおいしい地下水が飲めた浅間高原は、無計画な北軽井沢の開発によって環境悪化が続いている。
当団体は、'04年度から北軽井沢に実験的エコビレッジを建設しており、その中心施設であるエコハウス管理棟は、伐採適期の植林木材を、金物を使わない伝統的な木工法で建て、エネルギーや水も「自然」を活用している。
当プロジェクトは、エコハウス管理棟の周りに浅間高原植生園をつくり、北軽井沢の開発によって減少し続けている植物の保存再生を図る計画であり、水やりに雨水を利用し、排水は土壌浄化排水路で土に戻し、風呂の残り湯を利用した沈床温室で、絶滅の恐れのある浅間高原の植物の苗を育成する等の活動である。
横浜市と道志村は、100年以上も前から取水・水源涵養の関係で結ばれており、市民による水源林の管理や間伐材の有効活用について、両市村の間で積極的に検討されている。
当団体は'03年度以降、横浜の水源林(道志村)と元貯木場(横浜市)の倉庫を結ぶ活動≪水源林を手入れして、その間伐材を元貯木場に運んで木工する≫を率先して行い、成果を行政に報告するだけでなく、活動の意義や事業化を提案し続けている。
当プロジェクトは、森や木を介した体験学習により「水と暮らしの関係」をはじめ「地域間の関係」までをも学ぶことで、毎日の暮らしの中に「水」や「地域」のつながりを感じ(見い出し)、考えられる人材を育てる活動である。
印旛沼は、都市化の影響により水質汚濁と環境破壊が著しく、水道水源としては全国の湖沼中ワーストワンを続けている。
当団体は設立以来、印旛沼の水質浄化と環境保全の啓蒙活動を行っているが、特に未来を担う子供達が印旛沼で、実際に四季を感じ、動植物の状況や沼の汚れを知り、自分の目や、手で体験させることが大切だと考え、市内の小・中学生を対象に、印旛沼「水辺の学校」を実施してきた。
当プロジェクトは、水と環境を学ぶ印旛沼「水辺の学校」が好評なため、対象とする小・中学校の数を増やし、講師陣をさらに充実させ、授業内容をテープで記録して、一層の拡大を図る活動である。
当団体の活動は、子どもが通う小学校のトイレ掃除から始まった。強い洗剤を使うことでトイレはきれいになり、使う人達は快適になったが、一方で、強い洗剤は処理されたとしても子ども達の遊び場である『海』に流れ出る。自分の目の前がきれいになるだけでいいのか?それがこのプロジェクトの原点である。
そして、当団体は、定例の自然観察会、遊び場「浜っ子パーク」、保護者参加型体験授業支援プログラム等を実施し、学習の場を提供してきた。
当プロジェクトは、本年度「浜っ子エコアップ大作戦」と称して、学校教育とも連携し、特に「水の行方」に注目して、トイレで流す水、台所から出している汚水が川や海とつながっていることを実感させ、さらに世界や未来にもつながっていくことを意識させようとする活動である。
当団体は、洪水防止と河川の環境整備を住民の責任で行う活動を、多様な方法で4年前から行っている。
'01年に静岡県から河川整備に係る意見集約事業を受託し、「(前文省略)、床下浸水は地域の努力で極力防止」とする市民原案を提案し、具体的なツールとして手づくり雨水貯留マス『溜めタル君』(ウィスキー樽を加工して作成)を試験的に設置したところ効果大であった。
当プロジェクトは、内水浸水を頻発する安間川流域の川辺をフィールドに、『溜めタル君』を本格的に設置するとともに、「雨水貯留の効果の計測」「費用対効果の測定」などサイエンスとしてこの活動を評価する仕組みを作り、また雨量計の設置やメンテナンスの工夫により付加価値を高めた雨水貯留マスのコンクールを行うなど、“水を慈しみ節水する"流域住民の総意形成を図る活動である。
多くのイベントで、大量のゴミと化す使い捨て食器の使用が常態化している。
繰り返し使えるリユース食器に代えることが環境に良いことが分かっていながら踏み切れないのは、食器の調達や人手不足、洗い場設置のコストなどに対する主催者側の負担感が要因である。
当団体は、イベント参加者自身に食器を洗ってもらうという、主催者が尻ごみしそうな企画を実践しており、意外にも参加者から好評を博している。
当プロジェクトは、この体験を活かして、トラックにリユース食器と洗い場と排水処理装置とを載せて、どこへでも出前することで、ゴミを減らし水を汚さないイベントのエコ化を広めるとともに、水に関する環境情報やワークショップのツールも搭載し、水をめぐる環境教育の出前トラックとしての機能も果たそうとする活動である。
兵庫県東播磨地域は国内でも有数のため池密度を誇っている。このことから地元地域では、資産文化財として大変価値があるものとし、有効な社会資源として位置づけ、これらを「核」に地域全体が「まるごと博物館」となり、未来に向けて魅力いっぱいの地域づくりを推進している。
当団体は、「ため池」の水をもっときれいにしようとの思いから、水質浄化作戦等を推進しながら、各種水辺にまつわるイベントを実施してきた。
当プロジェクトは、その一環として「水」を浄化する働きがある野菜「空心菜」を取り上げ、栽培実験を実施するほか、生態系環境の調査および水質調査等を行う活動である。
武庫川は兵庫県東南部を流れ、丹波山地から大阪湾へと注ぐ長さ65.7km、流域面積500km2、県下の主要都市7市を貫き、流域の人々にとって主要な飲料水の供給源となっている。
当団体は、武庫川の流域各地で河川生態系の保護や総合治水対策の検討、環境教育等を継続的に行ってきた。
特に'04年度からは、武庫川を飲料水として利用している流域住民にとって命につながる問題として、生態系の分布調査や環境調査を行ってきた。
当プロジェクトは、昨年10月に近畿地方を襲った台風23号が武庫川流域に大きな被害を与え、生態系にも多くの影響を及ぼしたため、被災1年経過後の生態系の復旧状況や河川環境の状況調査に取り組み、未来への考察を行おうとする活動である。
北九州市のシンボル的な河川である「紫川」の上流域に位置する中谷地区は、かつては、紫川や豊かな自然の恩恵を享受し、農業を中心に繁栄してきた地区であるが、近年、高齢化の進展や若者の流出に加え、河川美化の問題や里山の荒廃など、多くの深刻な問題を抱えており、このままでは、「川」を軸としたふるさとの自然環境を守ることが出来なくなるだけではなく、地区そのものの「元気さ」も失われてしまう心配がある。
そこで、地区の住民(約650世帯)自らが紫川をはじめとする自然環境を活かしたまちづくりに立ち上がった。
当プロジェクトは、“みず”の恵みを活かした「地域資源」活用事業の展開およびふるさとの川が育む、人(地元)とひと(都市住民)のパートナーシップ形成事業を展開し、水環境の整備を行いながら地域の活性化を図る活動である。
福津市津屋崎漁港奥には周辺約5kmの入り江があり、最干潮時にはほぼ完全な干潟が出現する。
この入り江には絶滅危惧種「クロツラヘラサギ」が毎冬飛来し、カブトガニの産卵なども確認され、「ヘナタリ」などの貴重動物のほか豊かな自然環境が今なお残っている場所である。
当団体は、入り江のゴミ拾い、親と子の磯遊びなどの実践活動および生態系調査を通し、参加者に入り江の水環境保全の重要性を訴えるとともに、「里山」、「田畑」が水環境に重要な要素をもっていることの啓発活動を実施している。
当プロジェクトは、「津屋崎の入り江の水環境保全」をキーワードに、「まちおこしタウンミーティング」の開催や小学校での総合学習活動支援などによって、この活動を幅広く市民に呼びかけ、特に次世代を担う子ども達に自然環境保全の大切さを伝える環境教育の一環として実施するものである。
当団体は、'94年に設立し、親子での森づくり「きゅうせんぼうの森」植樹祭を実施後、現在まで下草刈等の活動・水質調査等を実施している。当プロジェクトは「きゅうせんぼうの森」植樹祭実施10周年記念事業として当時の参加者全員が集まり、成長した森の間伐作業や人形劇を通した環境教育を行うほか、球磨川水系ネットワークとして、球磨川源流から河口までの「100ヶ所水質調査」を実施することにより、流域の人々に川の特質を知ってもらい、また参加することで川への意識向上と流域の連携を図る活動である。