もっとつながろう、もっと楽しもうユニバーサルデザインStory別冊
これまで公開したコラムとスピンオフ情報も。
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性的マイノリティ-LGBT-は、日本の全人口の約10%を占めると言われています。
(出典:2019年LGBT総合研究所調べ)
日常生活での困りごとのひとつが、外出時のトイレ。
既存の男性用・女性用に分けられたトイレは心理的に入りにくく、
トイレの利用を我慢しているなど切実な悩みを抱えています。
調査・研究を重ねた結果、TOTOは、男女問わず入れる
新たなパブリックトイレの必要性を切に感じ実現化に向けて動き出しました。
これは、お子様や高齢者、発達障がいのある方などの
異性による介助・同伴で利用する場合にも同様に求められる、
重要なユニバーサルデザインだからです。
2018年9月、TOTOはLGBTを含む性的マイノリティのパブリックトイレでの行動やニーズを把握するためのアンケート調査を行いました。(株式会社LGBT総合研究所協力)性的マイノリティを含む1136名を対象にWEBアンケートを実施し、特にパブリックトイレで困ることが多いとされるトランスジェンダー※1を中心に、調査結果をまとめています。
<調査結果の概要>
性的マイノリティ-LGBT-という言葉は広まりつつあるものの、正確に理解している人は多くありません。これまでの男・女という性区分に限らず性のあり方は多様であり、パブリックトイレについてそれぞれが異なる悩みや違和感を抱えています。そういった方々が駆け込み寺のように使っているのが、「だれでもトイレ」(※)。一方で、「だれでもトイレ」を使うのに気がひけるという意見もあります。
性的マイノリティの方がもっと気兼ねなく、快適に入れるように、今TOTOでは、「男女共用個室トイレ」を複数設置する提案をしています。施設のどのような場所に設置すべきかなど、ひとつひとつ課題を検討しながら、今後も進化を続けていきます。 (※)「だれでもトイレ」とは多機能トイレなどの男女共用トイレを指す
さまざまなセクシュアリティの皆さんが一堂に会した座談会で、ホルモン治療などによる身体の変化に合わせて、男女いずれのトイレに入るか決めるなど、常に周囲の目を気にしながらトイレを使っている様子が浮き彫りに。一方、小便器がずらりと並ぶ男性トイレに居心地の悪さを感じるなど、一般的なトイレ空間に対しての疑問も少なくないことがわかりました。
こうした意見の中から見えてきたのは、トイレが男性・女性用に分かれていることや、それぞれの空間デザインなど、これまで常識とされてきた要素を一旦拭い去って、新たな理想のトイレを検討する必要があること。そして、その検討のベースには何よりも、多様な存在を受け入れる心が求められています。