TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:喜多村 円)は、「便座用マイクロ波センサの実用化」で、一般社団法人電波産業会(会長:東原 敏昭)主催の第29回「電波功績賞」電波産業会会長賞を受賞しました。TOTOとしては、2015年(第26回)に「電池不要なエコリモコンの実用化」で電波産業会会長賞を受賞して以来、2回目の受賞となります。
「電波功績賞」は、電波の有効かつ適正な利用に特別の功績を挙げた個人又は団体を毎年表彰するもので、第29回電波功績賞は、総務大臣賞2件、電波産業会会長賞6件が選ばれました。
「電波功績賞」は、電波の有効かつ適正な利用に特別の功績を挙げた個人又は団体を毎年表彰するもので、第29回電波功績賞は、総務大臣賞2件、電波産業会会長賞6件が選ばれました。
マイクロ波センサーは、電波の一種である「マイクロ波」を使って、人の動きなど「移動体」を検出できるセンサーです。
従来のセンサーでは、便ふたや便座本体に黒や白の半透明の小窓をつける必要がありましたが、マイクロ波は樹脂や陶器を透過するので、温水洗浄便座「ウォシュレット※1」の中にセンサー自体を隠蔽させることができます。
また、従来のセンサーでは人が「いる/いない」しか検出できず、複数のセンサーが必要でしたが、マイクロ波センサーは人体の移動方向や移動速度まで検出できるため、センサーは1つで済みます。
便座用マイクロ波センサーは、2017年8月発売の「ネオレストNX」「ネオレストAH/RH」「レストパルF」に採用され(業界初※2)、デザインと機能が高度に融合した“ノイズレスデザイン※3”の実現に大きく貢献しています。
TOTOは、水まわり機器メーカーとして世界の人々に新しい価値を提供すべく、電波の有効利用に、これからも取り組み続けてまいります。
従来のセンサーでは、便ふたや便座本体に黒や白の半透明の小窓をつける必要がありましたが、マイクロ波は樹脂や陶器を透過するので、温水洗浄便座「ウォシュレット※1」の中にセンサー自体を隠蔽させることができます。
また、従来のセンサーでは人が「いる/いない」しか検出できず、複数のセンサーが必要でしたが、マイクロ波センサーは人体の移動方向や移動速度まで検出できるため、センサーは1つで済みます。
便座用マイクロ波センサーは、2017年8月発売の「ネオレストNX」「ネオレストAH/RH」「レストパルF」に採用され(業界初※2)、デザインと機能が高度に融合した“ノイズレスデザイン※3”の実現に大きく貢献しています。
TOTOは、水まわり機器メーカーとして世界の人々に新しい価値を提供すべく、電波の有効利用に、これからも取り組み続けてまいります。
※1:「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です。
※2:日本の温水洗浄便座業界において。以下同じ。
※3:凹凸や余分な線のないシンプルなデザインをTOTOでは“ノイズレスデザイン”と呼んでいます。隙間や溝が少なくなるので清掃性も向上し、空間にも調和しやすくなります。
※2:日本の温水洗浄便座業界において。以下同じ。
※3:凹凸や余分な線のないシンプルなデザインをTOTOでは“ノイズレスデザイン”と呼んでいます。隙間や溝が少なくなるので清掃性も向上し、空間にも調和しやすくなります。
【受賞理由】
デザインと機能の融合を目指し便座の中に隠蔽して設置できる人体の移動を検出するセンサとして、ARIB標準に準拠した24GHz帯の電波を使用するマイクロ波センサに着目し、隠蔽設置しても安定したS/N性能が保て、高温高湿環境下でも安定して使用でき、トイレブースへの入退室、着座・離座を確実に検出出来るマイクロ波センサを実用化し、電波の有効利用に大きく貢献した。
「マイクロ波センサー」の開発背景
「便ふたを自動で開け閉めする」「用足し後に自動で便器洗浄する」といったトイレの自動化に、人体検知センサーは欠かせません。これまでTOTOでは、赤外線を使った測距センサー※4、人体の熱を感知する焦電センサー※5を採用していましたが、測距センサーは黒い窓、焦電センサーは白い窓を、便ふたなどにつける必要がありました。こうした「窓」は、デザイン上の“ノイズ”になるだけでなく、お手入れの観点でも、汚れが溜まりやすい、掃除がしにくいという課題があります。
デザインと機能の高度な融合をめざすTOTOは、「窓」を必要としない便座用マイクロ波センサーの開発を2008年より独自に行ってきました。陶器や樹脂を透過するとはいえ、遮蔽物によりマイクロ波は減衰してしまいますが、減衰しても人体検知に有効な性能(安定したS/N比)を保てるセンサー技術を長い年月をかけて確立。自社設計と自社製造を駆使し、業界初となる温水洗浄便座用のマイクロ波センサーの実用化に成功しました。
デザインと機能の高度な融合をめざすTOTOは、「窓」を必要としない便座用マイクロ波センサーの開発を2008年より独自に行ってきました。陶器や樹脂を透過するとはいえ、遮蔽物によりマイクロ波は減衰してしまいますが、減衰しても人体検知に有効な性能(安定したS/N比)を保てるセンサー技術を長い年月をかけて確立。自社設計と自社製造を駆使し、業界初となる温水洗浄便座用のマイクロ波センサーの実用化に成功しました。
※4:赤外線の発信素子と受信素子が備わっていて、三角測量の原理で人体までの距離を検出するセンサー
※5:人体から発せられる熱エネルギー(=赤外線)の変化を検知するセンサー
※5:人体から発せられる熱エネルギー(=赤外線)の変化を検知するセンサー
「マイクロ波センサー」について
マイクロ波とは?
携帯電話の通信や気象用レーダーなどにも使われている、周波数が0.3GHz~30GHzの電波を「マイクロ波」と呼びます。TOTOの便座用マイクロ波センサーは、電波産業会が定める「特定小電力無線局移動体検知センサー用無線設備」として認められている2種類の周波数帯のうち、グローバルに認可を受けやすい24GHz帯のマイクロ波を使用しています。
特長1:樹脂・陶器を透過
マイクロ波は、樹脂や陶器など、電気を通しにくい物質を透過する性質があります。一方、水や金属など、電気を通しやすい物質には反射します。人体は水分を多く含みますので、マイクロ波を反射します。
この性質により、ウォシュレットの本体カバーの内部にセンサーを設置しても、樹脂製のカバーや便ふたを透過してマイクロ波が発信されます。人が近づくとマイクロ波が反射され、便ふたやカバーを透過してセンサーに戻るので、人体を検知することができます。
この性質により、ウォシュレットの本体カバーの内部にセンサーを設置しても、樹脂製のカバーや便ふたを透過してマイクロ波が発信されます。人が近づくとマイクロ波が反射され、便ふたやカバーを透過してセンサーに戻るので、人体を検知することができます。
特長2:人の動きを感知
従来の測距センサー(黒窓タイプ)や焦電センサー(白窓タイプ)では、感知エリア内に「人がいる/いない」しか検知できませんでした。マイクロ波センサーでは、発信した波と反射してきた波の周波数のズレ(ドップラー効果)などを見ることで、「人がいる/いない」だけでなく、「人が近づいている/遠ざかっている」など、人の動きまで感知することができます。それにより、“ブースに入ってトイレに近づく”といった動作で、確実に反応しやすくなります。