危機が発生したときの体制や対応は、「リスクマネジメント規定」に定義しています。さらに、初動対応の遅れを防止するために、平日・休日・昼夜にかかわらず電話・メールで連絡できるグループ統一の「危機緊急連絡窓口」を設置し、円滑な緊急対応体制を確立しています。
また、災害や危機事象から社員および家族を守るために、震災への備え、地震発生時の初動対応、危機緊急連絡先などを記載した携帯用「緊急時対応カード」をグループで働くすべての人に配布し、一次報告の徹底を促しています。
万一、緊急事態が発生した際は、リスク管理統括部門へ速やかに報告され、関連部門を緊急招集して、危機の早期解決と損害の最小化を図っています。
新任課長、新任部長、新任グループ会社社長を対象に、リスクマネジメントに関する研修を行っています。また、社内向けのコミュニケーションサイトには、リスクマネジメントの専用ページにリスク管理活動状況やリスク動向、危機発生時の対応マニュアルなど、さまざまな情報をグループ員の誰もが閲覧できるように掲載しています。
特に、2011年の東日本大震災発生の際には、社内ホームページに専用サイトを設置し、罹患者や被害の状況、対応方針などの日々の進捗状況をカテゴリー別に分かりやすく発信しました。
有事の際には、対応状況をニュースリリースにまとめて公表するなど、速やかな情報開示に努めています。
リスクシミュレーション
重大リスクへの未然防止・対応力強化を図るために、海外を含む全グループの事業場を対象に、実践的なリスクシミュレーションを継続的に実施しています。 特に、災害発生時には、刻々と変化する現場の危機状況に応じた柔軟な判断・実行力が求められるため、東日本大震災を契機に、2011年度より「リアルタイム型リスクシミュレーション」(モック・ディザスタ)を導入し、すべての事業場で研修を完了しました。さらに、地震による首都圏壊滅を題材に、役員・部門長を対象とした「経営リスク対応シミュレーション」を実施しました。想定外の経営リスクに対して各責任者が事前に「起きたときに何をすべきか」事業継続の方向性を共有し、いざというときに役員・部門長自ら迅速に意思決定することを認識しました。 その後も、日本においては首都直下地震・南海トラフ地震の被害想定地域を中心にシミュレーション研修を続けており、海外においても、開催拠点やテーマを変更してシミュレーションを実施しています。2005年からの累計実施回数は170回を超えております。