TOTOグループは、「TOTOグループ企業行動憲章」に基づき、人権に関する国際的な基準である「世界人権宣言」、「労働の基本原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」を支持しています。
TOTOグループで働く全ての人々の活動の基本スタンスである「TOTOグループ企業行動憲章」には、「各国、地域すべての人々の人権を尊重した事業活動を展開し、その発展に貢献」する方針を掲げ、「人権を尊重する責任を果たすという方針を公表し、事業活動を行い」「国際社会の一員として、人権を含む国際規範を尊重し、いかなる強制労働や児童労働にも関与しない」ことを明記しています。
また、「TOTOグループ購買方針」に基づき、人権を含めた企業としての責任を果たし、公平・公正な購買活動を通して、サプライヤーの皆様とともにお客様にとって価値のある商品とサービスを提供しています。
TOTOグループは、公平で公正な経営を執行・監督するための仕組みとして、コーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
人権を含むサステナビリティ課題は、社長執行役員を委員長とする「サステナビリティ委員会」において、審議・執行するとともに、取締役会において監督しています。
「サステナビリティ委員会」では、社是・企業理念の実現と「TOTOグループ企業行動憲章」を実行していくために、 “環境”“社会”“経営”の各分野を構成する部会が、推進計画を策定のうえ、関連部門、国内外のグループ会社に展開し、部門横断的な活動を行っています。
また、日本では、人権問題研修推進委員会を設置し、差別の無い明るい職場、家庭、社会を目指して、研修・啓発に長年、取り組んでいます。
TOTOグループでは、「TOTOグループ企業行動憲章」に沿った行動例を日頃から確認できるようにするために、「TOTOグループビジネス行動ガイドライン」を制作しています。TOTO社員として求められる行動が、各国・地域で働くすべての社員に浸透するよう企業理念やトップコミットメント、各行動指針をまとめ、13言語に翻訳し、海外を含めた全グループに配布しています。
なお、このガイドラインには、企業活動を推進していく上で重要な遵守項目として、「人権の尊重」「ハラスメントの禁止」に関する遵守ガイドを設けています。
また、日本では、毎年、全社員を対象に人権研修を実施し、2021年度は、約17,000名が受講しています。
TOTOグループでは、「セクシャルハラスメント」「パワーハラスメント」「妊娠・出産・育児等ハラスメント」などのハラスメントの撲滅に努めています。
「ハラスメントの禁止」について、各国・地域で働くすべての社員へ展開している「TOTOグループビジネス行動ガイドライン」の中に遵守ガイドを掲載し、倫理観の醸成やコンプライアンス意識の向上を図っています。
また、相談窓口を設置の上、その内容や状況に応じ適切に対応できるようにしています。職場の環境に悪影響を及ぼすこれらの行為の撲滅に努めています。
TOTOグループは、「国連グローバル・コンパクト」へ加盟し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」など、さまざまな国際規範を参照しています。 人権デュー・ディリジェンスの推進にあたっては、世界銀行が調査・公開している「世界ガバナンス指標」等を参照し、各国のリスクを認識した上で、TOTOグループを取り巻く各地域の人権リスクの把握に努めています。 また、経済人コー円卓会議主催の「ステークホルダー・エンゲージメント・プログラム」における「業界毎に重要な人権課題(第10版)」(*1)や、専門家とのダイアログ結果等を参考に、TOTOグループにおける潜在的な人権リスクの特定を進めています。 現在は、これらの取り組みを踏まえ、「TOTOグループの社員」と「サプライチェーン」での潜在的な人権リスクを評価し、緩和・軽減しています。
(*1)「業界毎に重要な人権課題(第10版)」:UNEP FI(国連環境計画金融イニシアティブ)策定の「人権ガイダンスツール」を参考に同コンソーシアムで策定。 このプログラムにおいて、化学・建築材料業界での人権課題は、自社とサプライチェーンに具体的な懸念事項が発生する可能性が認められた。
【TOTOグループの社員における潜在的な人権リスク】
TOTOグループでは、年に1回実施している社員に対する「TOTOグループ社員意識調査」を通じて、企業理念の浸透やコンプライアンスに対する組織風土などについて、総合的に把握しています。この調査では、ハラスメント・強制労働・差別などの潜在的な人権リスクについても、確認しています。
また、意識調査の結果を分析し、その未然防止に向けて管理職や一般社員への研修を実施しています。
さらに、意識調査の結果は、全社会議やイントラネットで共有し、各部門にフィードバックを行い、職場ごとに意識改善に取り組んでいます。
【サプライチェーンにおける潜在的な人権リスク】
TOTOグループは、サステナビリティ調達を推進しています。その推進にあたっては、サプライヤー様とともに持続可能な社会の実現に取り組むための基本となる考え方を「サプライヤー様行動規範」としてまとめ、サプライヤー様への方針説明やアンケート調査、訪問監査などを柱として、人権・労働・環境などの潜在的なリスクを評価し、緩和・軽減のうえ、継続的に活動のレベル向上に努めています。
特に、海外事業所では法令や慣習を尊重し、各国の情勢にあった活動を進めることで、相互理解を深め共生していくことを目指しています。 なお、近年、海外サプライヤー構成は社数が47%、調達構成額比率は25%を占めています。
サプライチェーンにおけるリスク評価と緩和・軽減のための取り組み
方針共有 | 自己点検 | 監査 | 是正 | |
取り組み内容 | ・サプライヤー様方針説明会 ・取引開始前の遵守項目確認 | ・アンケート調査 | ・訪問によるモニタリング | ・改善計画によるフォロー |
【TOTOグループの方針共有】 ・サプライヤー様行動規範 ・TOTOグループの購買方針 ・生産情報 ・サステナビリティの重要性 【サプライヤー様表彰】 ・感謝状の贈呈 | 【アンケート項目】 1.人権・労働 2.安全・衛生 3.環境 4.公正・倫理 5.品質・安全性 6.事業継続計画(BCP)への対応 7.情報セキュリティ 8.社会貢献 9.マネジメントシステム | 【モニタリング】 ・サプライヤー様の訪問 ・原材料の生産地の訪問 ・サプライヤー様ヒアリング | 【フォロー】 ・取り組み状況の把握 ・改善結果の確認 | |
2021年度実績 | 【方針説明会】 490社が出席 【サプライヤー様表彰】 26社を表彰 | 【アンケート】 細かな部分について確認が必要なサプライヤー様を抽出。 | 【モニタリング】 海外のサプライヤー様を中心に訪問。 | 【フォロー】 細かな部分について確認が必要なサプライヤー様のフォローを実施。 |
TOTOグループには、ステークホルダー(お客様や購買取引先、社員)からのTOTOに関するお問い合わせやご意見・ご質問・ご要望などを受け付けるメカニズムが複数存在します。
TOTOグループでは、コンプライアンス問題や差別、ハラスメントを含む人権問題を相談するための通報窓口を設けています。匿名による通報でも受け付けており、通報者の氏名などの秘密は厳守されます。
通報内容については、十分な事実確認を行った上で、問題があったと判断した場合には、人権被害を受けた方の救済措置を行うとともに、社内規則に則り懲戒処分を含めた人事処分を行っています。
2021年度の通報・相談件数は、国内44件、海外3件でした。
【TOTOグループ(日本)】
・社内・社外に通報窓口を設けています。
・通報窓口は、TOTOグループ(日本)の社員および当社事業に関係のある購買取引先が利用することができます。
【TOTOグループ(海外)】
・中国・米国などの社員を対象とした、社外の通報窓口を設けています。
・現在、その他の地域への導入を検討・推進しています。
スピークアップ制度の概要
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