ユニバーサルデザインの「今」がわかるコラムホッとワクワク+(プラス)
TOTOx日経デザインラボのコラムです。
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展示やMCのトークに引き付けられ、TOTOブース前の通路にも来場者が足を留めていた(写真:大木大輔)
グリーンリモデルフェア2015
展示やMCのトークに引き付けられ、TOTOブース前の通路にも来場者が足を留めていた(写真:大木大輔)
4月29日~30日の2日間、東京ビッグサイト(東京都江東区)でTOTO、DAIKEN、YKK APの3社によるリモデルをテーマにした展示会、グリーンリモデルフェア2015が開催されました。TOTOのブース約600㎡は、最新の商品を組み合わせた戸建てやマンション、公共空間など場所別のリモデル例展示のほか、ウォシュレット一体形便器「ネオレスト」やユニットバスルームの初代から最新商品までの歴史を紹介するコーナーなどで構成。いずれも、それぞれの商品の特徴を実感しながら見て回れます。
また、TOTO独自の「クリーンマン」というキャラクターを立てた数種類のショーを盛り込み、ストーリーの中で商品の魅力をより分かりやすく紹介。来場者は商品の機能性や意匠性、ユニバーサルデザインの話まですっと頭に入っていきます。
今回は、楽しげな来場者の様子をからめながら、順路に沿って新商品満載のTOTOブースをレポート。来場者の表情を通して、商品の新たな魅力を感じてください。
トイレの快適さを表現したネオレストステージ
ブースを入ってすぐ目に入るのは、「ネオレスト」ステージです。ステージの前には最新型のウォシュレット一体形便器ネオレストが置かれ、その背後にはCMで人気を博した菌の親子のキャラクター、ビッグベンとリトルベンが実際に使用したコスチュームをディスプレー。ユニークな組み合わせがブース前の通路からも目を引きます。
この展示は、ネオレストの「きれい除菌水」機能をアピールしたもの。便器ボウル部分に次亜塩素酸を含んだ水、「きれい除菌水」を自動的に噴霧し、汚れや菌を分解・除菌し清潔を保ちます。菌の親子は、「便器がいつもきれいで、居場所がなくなってしまった」と嘆いているイメージです。
左/手前に展示されているのは、丸みを帯びた形状が特徴のネオレストRHタイプ。トイレ空間のアンモニア臭などを脱臭する「においきれい」機能も特徴
右/このステージの周りで、「トイレのキレイ洗士クリーンマン」がネオレストの訴求ポイントを説明するショーも行った
ネオレストCMはこちら
TOTO商品の進化がわかる、HISTORY OF TECHNOLOGY
ウォシュレット一体形便器とユニットバスルームなど、初代から最新型までの進化の歴史を紹介。ウォシュレット一体形便器の歴史は22年。初代のネオレストEXはロータンク部分を排除した後、ローシルエットになり、「トルネード洗浄」、ウォシュレットの「ワンダーウェーブ洗浄」、「きれい除菌水」と次々に新しい機能が追加されました。
ユニットバスルームは1964年に初めてホテルに導入されてからフラッグシップモデル「シンラ」までの流れを紹介。ブースには、実際に使われた1972年製造の集合住宅向けユニットバスルームと現在のシンラの変化が分かるよう連続して展示しました。2000年以降に加わった機能、「ほっカラリ床」や「魔法びん浴槽」もイラストで詳しく説明。
左/同シリーズの系譜。ウォシュレット単品が便器に融合して現在の商品に至るまでの変遷を表示
右/展示のネオレストEX
左/ユニットバスルームの展示。左から順に集合住宅向けのユニットバスルーム、フラッグシップモデルのシンラ、サザナが並ぶ
右上/シンラは意匠性とともに快適なバスタイムを生む機能性を追求。魔法びん浴槽、ほっカラリ床を標準装備する(写真:大木大輔)
右下/1972年製造のユニットバスルームはトイレ、洗面台、バスタブ+シャワーが一体化
戸建リモデルコーナーでトータルコーディネートを提案
戸建リモデルコーナーでは、システムキッチン「クラッソ」と洗面化粧台「オクターブ」、ユニットバスルーム「サザナ」のトータルコーディネートを提案。システムキッチンと洗面化粧台の扉には同じデザインの扉が、ユニットバスルームの壁面用にはそれらと同系色のパネルが用意されています。展示では、落ち着いた木目調と異なる色調・質感の扉を組み合わせる「WOOD × COLOR(ウッドバイカラー)」というコーディネートも披露。システムキッチン、クラッソの扉は新色20色が加わり、全59色。洗面化粧台は新色5色が加わり、人気の高い木目を含めて計11色になりました。
左/システムキッチンと洗面化粧台の扉はベルベライトウッド。手前の吊り戸棚の扉はオーブセージ
右/もうひとつのトータルコーディネート例。木目調のベアビターウッド、鏡面仕上げの扉が高級感を演出。吊り戸棚は暖房や涼風の機能が付いた「快適涼暖ウォールキャビネット」
住まいにも店舗にも似合う高級感あふれる磁器タイル
イタリアの陶板メーカー、ラミナム社とTOTOが共同開発した大型磁器タイル「ハイドロソリッド」も参考展示しました。光触媒の技術を利用したハイドロテクト技術が投入され、抗菌・抗ウィルス、防汚効果を発揮する商品です。住宅だけでなく利用者の多いホテル、オフィスビル、商業施設などの公共スペースでの使用にも向きます。セラトレーディング(TOTO出資100%の子会社。水まわり商品の輸入及び販売会社)も、TOTOブースのこのコーナーに出品。
大型磁器タイル、ハイドロソリッドの1枚サイズは3メートル×1メートル
オリンピックに向かってパブリック商品がますます充実
オリンピックを控えて新たな公共施設、商業施設の建設が進行する今、TOTOではパブリック商品の開発がすすんでいます。今回の展示では「まちなかトイレ」と名付けた、コンパクトな公共トイレを提案。その中でも注目は新商品の洗面カウンター。設置しやすいように全体のサイズやボウルの向き、深さが工夫されています。ここで紹介された自立設置タイプは、リモデルに向いていますね。組み立てた状態で納品されるので、設置時間を短縮できます。
左/まちなかトイレはトイレと洗面台をレイアウトしたワンルームのトイレ空間(左側)と、女子トイレ1室と洗面台ブース、男子トイレ1室を組み合わせたトイレ空間(右側)の2種類を展示
右/スタンド洗面は幅と奥行きともに50センチ。壁材には清掃性に優れ、丈夫なハイドロセラを採用。トイレ、「クリーンドライ」とともにコンパクトにまとめた提案
床の柔らかさを体感できる飴のつかみ取り
ユニットバスルームの洗い場に使われている「ほっカラリ床」はすべりにくく、乾きやすいだけではなく、衝撃を吸収する柔らかさや温もりも特徴。この柔らかさを体感してもらおうと企画したのが、飴のつかみ取りコーナーです。来場者に、ほっカラリ床に靴を脱いで上がり、膝をついてバスタブの中にある飴をつかみ取ってもらうという趣旨。挑戦したあと、来場者は足の裏、膝もまったく痛くないことに気づきます。あらためて、床に触って感触を試す来場者も見られました。
バスタブの中に置いた箱から、飴をつかみ取る。子どもと一緒にチャレンジする人も(写真:TOTO)
イケメンMCのレクチャーに思わず聞き入る
MCと言えば女性…という時代は終わりを告げ、TOTOでは男性も登用。イケメンMCが、ウォシュレット一体形便器やシャンプードレッサー、ユニットバスルームの歴史や機能をわかりやすく説明していきました。ほかに、「ネオレスト」ステージや戸建てリモデルコーナーでは、ユニークな寸劇を交えながら商品を紹介。こうした仕掛けの相乗効果で設備機器の展示会ならではの固いイメージは消え去り、会場は楽しく明るい雰囲気に包まれて、来場者は楽しみながら商品をチェックできたようです。
最新のネオレストの「トルネード水流」などの機能を、女性モデルとともに説明中
女性モデルが快適なハスタイムを実演
バスルーム「シンラ」では、水着姿の女性モデルがその場でバスタイムを実演しながら特徴を分かりやすく説明。写真は実演でにぎわうシンラ周辺の様子です。女性モデルは、オーバーヘッドシャワーを浴びたり、節水にも浴び心地にも優れるエアインシャワーの感想をコメントしました。オーバーヘッドシャワーが設置できるユニットバスルームはまだ少ないため、来場者からは驚きの声も。バスタブにも実際に浸かってくつろぎ感を見せたり、バスタブのそばに設置された照明の調光パネルを操作していました。
実演中は男女双方の来場者がいっぱいに。お湯を実際に使うと商品の性能がわかりやすい(写真:大木大輔)
グリーンリモデルフェア2015の来場者、2万7000人に
ゴールデンウィーク中に行われた東京会場でのグリーンリモデルフェアは、約2万7000人の来場者でにぎわいました。会場はTOTO、DAIKEN、YKK APの3社に加え、住宅関連メーカー、ガス会社などリモデルに関わる9社が出展。これからリモデルを予定している来場者が、最新の機器やそれらを取り入れたデザイン性、機能性の高い空間提案に熱心に見入っていました。
写真/鈴木愛子(特記以外) 構成・文/介川亜紀 監修/日経デザイン 2015年5月11日掲載
※『ホッとワクワク+(プラス)』の記事内容は、掲載時点での情報です。