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「藤村龍至展 ちのかたちーー建築的思考のプロトタイプとその応用」
Ryuji Fujimura:The Form of Knowledge

The Prototype of Architectural Thinking and Its Application

展覧会:2018年7月31日(火)~9月30日(日)
会場=TOTO ギャラリー・間(東京都港区南青山1-24-3 TOTO 乃木坂ビル3F)
休館日=月曜・夏期休暇 8月11日(土)~8月15日(水)
開館時間=11:00~18:00 入場無料

講演会:2018年8月9日(木)18:30~20:30(終演予定)CPD 認定プログラム

会場=イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルディング4F)事前申込制

展覧会について

TOTO ギャラリー・間では、2018年7月31日(火)~9月30日(日)の会期で建築家・藤村龍至氏の個展「ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用」を開催いたします。

単純な形状を出発点とし、細かな与条件をひとつひとつ反映しながら、多数の模型で比較・検討を重ねていく独自の設計手法「超線形設計プロセス」を展開してきた藤村龍至氏。評論活動や教育活動に加え、近年では市民を巻き込み、現代に即した開かれた建築のあり方を模索してきました。
多岐にわたるこうした活動の背景には、より多くの情報や意見を取り入れ集合的な知を形成することで最適な解を導き出し、社会のさまざまな課題に応えることができるのではないか、という藤村氏の一貫した理念を見ることができます。

大宮駅東口駅前の小さな公共施設「OM TERRACE」は、この考え方を実践した一例で、6回の公開ミーティングを経て2017年に完成しました。街路を引き込むような屋上のテラスは、若い世代を含む多くの人を呼び込み、今後さまざまなイベントでの利活用が見込まれ、地域の活性化が期待されています。

本展覧会では、「OM TERRACE」をはじめ各プロジェクトで実際に使用した300余りの模型群や、数千にもおよぶ画像をAl(人工知能)に学習させデザインした椅子、施工風景を含むタイムラプス映像など、かたちが生み出されるプロセスを通じて、氏の理念と実践を紹介します。
藤村氏が「ちのかたち」と名づけた開かれたプロセスの先に、次の時代の建築の息吹を感じとっていただけることと思います。

展覧会情報

展覧会コンセプト文

「ちのかたちーー建築的思考のプロトタイプとその応用」

建築を人より遅く学び始めた私は、設計を少し自覚的に学ぶ必要がありました。やがて設計とは、今知っていることを素早く「かたち」にすること(プロトタイピング)と、かたちにしたものを「ことば」にして新しい知識にすること(フィードバック)を繰り返すことだと学びました。かつてクリストファー・アレグザンダーは設計を「かたちとコンテクストのミスフィットを取り除くこと」だと定義しましたが、コンテクストが流動的で、読めない現代の状況でより確かな解に近づくひとつの方法は「3人寄れば文殊の知恵」=より多くの知恵を集めることです。
平凡に映る意見の集合も、十分に大きな集合であればひとりの天才を超える可能性が開かれます。
他方で建築が今、デモクラシーとポピュリズムのあいだで揺れているように、世論や市場の暴力に抗い、より普遍的で創造的な解を導くことは、建築にとって困難な問いであり続けています。しかし私たち建築家はいま、Al(人工知能)の技術が進化し、より多くのデータを直接扱うようになった社会で、多様性を認め、寛容な社会の実現を信じて、より多くの知恵が集まれば集まるほどよりよいものができる、と言い切ることに挑戦するべきではないでしょうか。
本展覧会では、建築を知識と形態の創造的な関係=「ちのかたち」として捉え、ときに機械による計算を伴い、設計作業をより多くの人でよりよい解をめざす集合的な知をつくる方法論へと発展させることで、建築を社会のさまざまな課題解決に向けた創造的な知のツールとして再定義したいと思います。

藤村龍至

建築家プロフィール

藤村 龍至(ふじむら りゅうじ)
(建築家、東京藝術大学准教授)
1976年東京生まれ。2008年東京工業大学大学院博士課程単位取得退学。2005年より藤村龍至建築設計事務所(現RFA)主宰。2010年より東洋大学専任講師。2016年より東京藝術大学准教授。

主な建築作品に「すばる保育園」(2018)、「つるがしま中央交流センター」(2018)、「OM TERRACE」(2017)、主な著書に『批判的工学主義の建築』(2014、NTT 出版)、『プロトタイピングー模型とつぶやき』(2014、LlXlL 出版)。近年は建築設計やその教育、批評に加え、超高齢化する郊外ニュータウンや老朽化した中心市街地の再生、日本列島の将来像の提言など、広く社会に開かれたプロジェクトも展開している。

関連プログラム

関連書籍

広報用図版

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