ニュースリリース

Menu

ウォシュレットの吐水技術とパブリック向けエコリモコンが
平成29年度九州地方発明表彰で3賞受賞

-「福岡県知事賞」「福岡県発明協会会長賞」「発明奨励賞」-

TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:喜多村 円)は、「平成29年度九州地方発明表彰」(主催:公益社団法人 発明協会)において、ウォシュレット(※1)に採用する吐水技術「バルーンジェット技術」に使われている特許(特許第5024576号)で「福岡県知事賞」、パブリック向けウォシュレット用リモコン「エコリモコン」の意匠(意匠第1519381号)で「福岡県発明協会会長賞」、さらに使用特許(特許第5605769号)で「発明奨励賞」を受賞しました。「エコリモコン」は、ユーザビリティに配慮したデザインとエコ技術の融合が評価され、意匠と特許でW受賞となりました。
「バルーンジェット技術」は、ポンプなどメカニカルな部品を使わず、水と空気の流れを制御することで水玉吐水を実現した、ボリュームゾーンのウォシュレットに採用する吐水技術です。高い洗浄感を保ちながら節水が可能となり、ウォシュレットの省エネ化に貢献しています。
「エコリモコン」は、ボタンを押す力を利用して自ら発電するため、電源工事や電池交換不要で、管理者や施工者の負担を軽減します。節電・資材削減で環境貢献にもなるため、パブリック向けウォシュレットのリモデルにも最適です。押しやすい滑らかなカーブを持ったボタン形状や、シンプルで大きくわかりやすいボタン配置など、幅広い利用者が操作しやすい配慮を施しています。
これまでTOTOは、九州地方発明表彰において、マーブライトカウンター「ルナクリスタル」の意匠が「特許庁長官奨励賞」を、腰掛便器の「フチなし形状」の特許が「文部科学大臣発明奨励賞」を受賞する等、今回の受賞で累計32回目の受賞です。また、全国発明表彰においては「自動洗浄小便器」の意匠が「発明賞」を受賞する等、過去6回受賞しています。
TOTOでは今後も、世界中のお客様に必要とされる技術と商品の開発に積極的に取り組み、世界の生活文化の向上に貢献してまいります。

※1:「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です

「バルーンジェット技術」について

「バルーンジェット技術」は、「水」と「空気」の大きな密度差に着目し、ノズルから出た速い噴流を「空気の中に噴射する状態=速いまま」と、「水の中に噴射する状態=減速」を交互につくることで、流速を周期的に増減させています。具体的には、下図のように噴流下流に小部屋を設け、この小部屋内でバルーン状の大気泡が成長し、繰り返し噴流に供給されるような仕組み(=流体素子)を構成しています。

噴流が大気泡を通る際は流速が落ちませんが、大気泡がない場合は水の抵抗を受けて減速します。噴流を流すだけで自然に大気泡が成長して周期的に供給されるような構造になっており、この繰り返しによって流速が周期的に変化します。
その結果、ノズルから吐水された噴流は、飛んでいる間に遅い水に速い水が追いつくことで水の塊(=水玉)を形成し、節水しながら高い洗浄感を保った水玉吐水となります。
「バルーンジェット技術」は、その流体力学的に画期的な技術と実用性が認められ、一般社団法人日本流体力学会の2014年度学会賞「技術賞」を受賞しています。

「エコリモコン」の意匠について

「エコリモコンは」健常者から障がい者、高齢者にも満足に使って頂ける使い勝手と、意匠性を両立させたパブリックトイレに好適のリモコンです。

デザイン検討にあたり、モデル製作と検証を繰り返し行いました。障がい者配慮のために形状処理が意匠性を阻害する要因とならないよう、必要最小限で最大の効果が得られるような形状検討を行いました。

■スイッチサイズ
手に震えのあるお客様にも無理なくご使用いただけるようリモコンいっぱいの大きなスイッチサイズで構成。建築・周辺機器ともおさまりを良くするため水平垂直ラインでスイッチを構成。

■スイッチ形状
指に障がいのあるお客様でも拳や肘など、指以外でも操作が可能なように押す部分を滑らかに隆起。
検証の中から、視覚障がい者の操作特性として、リモコンの外形全体を触りながらスイッチの押す部分をフォーカスしていくことがわかった。そこで、滑らかな隆起、スイッチ間の角R、点字によって、リモコン全体を触りながら徐々に押す位置へと導かれるようなスイッチ形状とした。※右図参照

■表示部
日本語、外国のお客様対応の英語、視覚障がいのお客様配慮の点字、こどもから外国のお客様まで直感的に伝わるピクトグラムを配置。文字等のサイズは視認性を十分に確保する大きさとしながらも、たっぷりとした余白を設けることで視認性とスッキリ感、(ユニバーサルデザイン性と意匠性)を両立。

「エコリモコン」の特許技術について

「エコリモコン」は、ボタンを押す力を利用して自ら発電し、通信に必要な電力を全てまかなうことができるので、電源工事や電池交換の必要がなく、パブリックトイレに好適のリモコンです。

開発を進めるにあたり、消費電力量の少ない電波通信技術(2.4GHz、IEEE802.15.4)と、ボタンを押す力で発電する発電技術(エナジーハーベスティング技術)を組み合わせるという着想のもと、2011年より約3年の研究・開発期間を経て実現しました。

製品化に向けて、発電量を確保しながら経済性と操作性を両立するため、1つの発電機で最低9つのボタン操作ができるようにする一方で、ユニバーサルデザインの観点から、軽い力でボタン操作ができることが課題となりました。

そのため、①ボタンから発電機までエネルギーロスを少なくするための連結機構(リンク)の技術開発 ②健常者から身障者まであらゆる方が押しやすいピアノ鍵盤のようなボタン形状の開発 ③ボタン検知に非接触式のホールICの採用をしています。

これらの技術開発により、1つの発電機ながら、どのボタンでもその操作速度に依存せず、無理のない操作感で必要な電力を発電できるリモコンとなっています。滑らかなカーブを持った形状とリモコン全面を分割した大きなボタンとすることで、高齢者や小さなお子様、手に震えがある使用者への押しやすさを向上させています。パブリックトイレのさまざまな利用者が自己発電式のリモコンを問題なく操作できます。

受賞者

地方発明表彰とは

地方における発明の奨励・育成を図り、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することを目的として、公益社団法人発明協会が大正10年に創設しました。全国を北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州の8地方に分け、各地方において優秀な発明・考案・意匠を完成した人、発明等の実施化に尽力した人、発明等の指導・奨励・育成に貢献した人の功績を称え表彰するものです。

※平成29年度地方発明表彰については、下記URLよりご確認下さい。
公益社団法人 発明協会 地方発明表彰:
http://koueki.jiii.or.jp/hyosho/chihatsu/H29/chihatsu_jusho.html

受賞履歴

<九州地方発明表彰> ※過去5年分

<参考:全国発明表彰>

ニュースリリース全文は、以下よりダウンロードしてご覧ください。
以上に関するお問い合わせはこちらまでお願いいたします。
  • 尚、TOTOホームページの無断転用・転記はご遠慮いただいております。
  • ※ここに掲載されている情報は発表日現在の情報です。
    閲覧されている日と情報が異なる可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
Share

CLOSE