ユニバーサルデザインの「今」がわかるコラム別冊UD style
これまで公開したホッとワクワク+(プラス)のコラムとスピンオフ情報も。
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「これまでにない革新的な施設」を目指してつくられた、サービス付き高齢者住宅「わかたけの杜」(横浜市青葉区)。それは施設というより、小さな「まち」のよう。それぞれの住戸は路地とブリッジでつながり、下町の長屋のように、住む人たちが普段の生活の中でほどよく関わり合えるつくりになっています。福祉での「見守り」にありがちな一方的なイメージではなく、職員の方々も含め、住む人や使う人がお互いに支え合いましょう、という気持ちが込められています。それぞれの住戸は車いすや介助を意識したバリアフリー仕様、ブリッジの段差部分には車いす用のリフトも設置。心地いいコミュニティと暮らしやすさが両立しています。2015年にグッドデザイン賞金賞を受賞しました。
小田急線の成城学園前駅ほど近くにあるシニアレジデンス、「グランクレール成城」(東京都世田谷区)は、リゾートホテルのような優雅な佇まいです。こちらは60歳以上の方向けの住戸と、要介護の方向けのケアレジデンスを併設しています。住戸はインテリア性を重視しつつ、リビングダイニングと寝室をつなげて使えるようにするなど、夫婦での暮らしとケアが両立しやすい間取りです。この施設はほかに、趣味や他の入居者との交流を楽しめるスペースが充実しているのが特長。これらのスペースは柱の角に丸みを持たせてケガを防いだり、立ち座りしやすいテーブルやいすを置いたり、入居者を配慮したさまざまなユニバーサルデザインを取り入れています。
2016年11月8日~14日、渋谷ヒカリエ(東京都渋谷区)で「2020年、渋谷。超福祉の日常を体験しよう展」が開催されました。これは、従来の福祉の枠を超えたデザインやテクノロジーで、障がい者やLGBTなどのマイノリティの方々や福祉そのものに対する「意識のバリア」を取り除くことを目指すイベントです。この中で行われた、「トイレ」が主役のコンペについて、審査員をつとめたTOTOデザイン本部の迎義孝さんに話を伺いました。