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トートー×マガジンハウス グリーンジャーナル
vol.3 ドイツにならうエコハウス。

メインイメージ
ヴォーバン地区に見られる集合住宅型のパッシブハウス。ここは「1か月分の光熱費で1年暮らせる家」なのです。(写真/村上 敦)
エコハウス先進国ドイツの住宅事情とは?
そして日本のエコハウス事情は?
機能や設備、住民意識や社会システム、
さまざまな視点からエコハウスを考察。
エコに住むことの工夫とアイデアを学びたい。
川端由美さん イメージ フリージャーナリスト 川端 由美さん
川端 由美 エンジニア、自動車雑誌の編集部員を経て、現在はフリーランスのジャーナリストとして活躍。環境問題や自動車の新技術といった堅い話題から、子供のための食育まで幅広い視点でリポートを展開する。世界各国の環境問題や技術学会を取材する国際派でもある。
第1章 最先端と言われるドイツのエコハウスと日本の現状。
ドイツのヴォーバン地区に見るエコハウス最前線。
パッシブハウス
パッシブハウスは住民が共同で土地を購入して建てる。
初期の太陽光発電テスト 生活用排水を再利用
左:見学したパッシブハウスの屋上では、初期の太陽光発電がテストされていた。施設が小規模なため、発電できる電力はわずかだが、ここで集められたデータがその後のパッシブハウスの建築に役立てられたという。
右:ひとつのパッシブハウスでは、生活用排水を独自の浄化槽と特別なフィルターで浄化し、庭木にまくなどの再利用をしている。そのまま川に流すのではなく、散水などに利用することで河川の汚染を予防している。
天然ガスで稼動する発熱装置 水蒸気の排出口
左:同じパッシブハウスの地下には、EUの助成金を受けて設置された、天然ガスで稼動する発熱装置がある。これは空気を入れ替える際の熱交換器。お湯と電気を効率よく作り出して利用している。
右:地下にある燃料電池発電機で発電したときに発生する水蒸気の排出口。見学者が「排出されるのが綺麗な水だけ」ということを見られるように、排気口は透明なガラスで作られている。
「クルマの燃費は気にしても、家の燃費は気にしないでしょう?」そう、言ったのはドイツのエコタウン、フライブルク市に住むジャーナリストの村上 敦さん。彼の言葉を聞いて取材に出かけたのが、フライブルク市にあるヴォーバン地区でした。
一番驚いたのは、当たり前のように“エコハウス”が並んでいたことでした。ドイツで普及しているエコハウスは「パッシブハウス」と呼ばれる集合住宅。これは「1カ月分の光熱費で1年暮らせる家」です。我慢して省エネするのではなく、南に面した大きな窓から明るい光が入り、どの部屋も平均的に暖かい、居心地のいい家に住むことがエコなのです。でも、その舞台裏には工夫がたくさん。見学した物件では、壁の中に厚さ30cm以上の断熱材が張り巡らされており、窓は3重、地下室に発熱装置が備わり、屋上には実験的に雨水の保持や蒸発のために屋上緑化が行われていました。
ヴォーバン地区のもうひとつのみどころは、ドイツ人建築家ロルフ・ディッシュ氏が設計した「ソーラー・プラスエネルギー住宅」。これは、パッシブハウスの進化系です。省エネ住宅・パッシブハウスの屋根に太陽光発電のパネルをつけることによって、「使うエネルギー」より「発電するエネルギー」の方を多くした家です。クルマは乗るとガソリンが減るのに、この家は住んでいるとクリーンなエネルギーが作り出せるなんて、夢のようですね。

建築家のディッシュ氏によって設計された「ソーラー・プラスエネルギー住宅」。住民が発生する熱と屋上の太陽光発電によって、住民が使うエネルギーを賄うことができる。(写真/村上 敦)
日本のエコハウスも発展中。
日本のエコハウスは、まだこれからの分野です。家電やクルマと違って、いま住んでいる家を簡単に建てかえることはできないし、建築家が環境問題を意識していても、家を注文する個人の環境への意識が高くなければエコハウスは建てられません。そんな日本でも最近、「外断熱」や「外張り断熱」といった言葉が聞かれるようになりました。 「外断熱」とは、断熱材などによりコンクリートや鉄骨を使った建物を外の空気から遮断して、建物の中の熱や冷気を逃がさないようにすること。ドイツの住宅では普通に使われていて、特にマンションのような大きな建物を外断熱すると、CO2削減に効果的だといわれています。ただ、ドイツと日本では、気候、行政、住民の意識など、かなり違うところがあります。ドイツを見習って、日本で生かせることは、どんなことでしょうか。そしてもちろん、日本では日本に合ったエコハウスが考察され、作られています。その紹介もしていきましょう。       →第2章に続く
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