ニュースリリース
2023年8月24日
TOTO出版、TOTOギャラリー・間
TOTO GALLERY・MA Traveling Exhibition in Kitakyushu How is Life? ――Designing for our Earth
TOTOギャラリー・間(東京都港区)は、2022年度に開催しご好評を頂いた企画展「How is Life?――地球と生きるためのデザイン」を、北九州巡回展として、TOTOミュージアム(福岡県北九州市)にて、2023年11月21日(火)~2024年3月10日(日)の会期で開催します。
建築やデザインを介して気候変動や社会格差など私たちを取り巻く障壁に風穴を開け、成長を前提としない繁栄のあり方を示している古今東西のプロジェクトを紹介します。
また、関連イベントとして塚本由晴講演会「資源的人のための建築・都市・社会」を2023年11月20日(月)に開催します。
TOTOギャラリー・間は、TOTOミュージアム(福岡県北九州市)での巡回展として、塚本由晴、千葉学、セン・クアン、田根剛の4氏をキュレーターに迎えた企画展「How is Life?――地球と生きるためのデザイン」を開催します。
21世紀に生きる私たちは豊かな暮らしを享受する一方で、気候変動や社会格差、感染症の拡大等による世界情勢の変化など、さまざまな課題に直面しています。こうした状況を受け、地球環境に対し建築に何ができるのか、4人のキュレーターと議論を重ねてきました。その過程で、建築を「人びとの暮らしをよりよくすることに奉仕するもの」として捉え直し、生活に関連するあらゆる分野に目を向けてみると、私たちを取り巻く障壁に風穴を開けるような事例の芽がいたるところで見つかりました。こうした議論やリサーチが、建築やデザインを介した、成長を前提としない繁栄のあり方を探る本展のテーマ「地球と生きるためのデザイン(Designing for our Earth)」へと発展しています。
展覧会会場では、本展キュレーターチームからの問いかけ「How is Life?」に答えている古今東西の多彩な事例をリサーチから見いだし、紹介します。
一例として、2018年にフランスで開催された展覧会「Capital Agricole(キャピタル・アグリコール)」では、色鮮やかなドローイング等を通じて、農業と共存するパリと周辺都市の未来像を提示しています。「藤村記念堂」(岐阜県、設計:谷口吉郎)は、地元出身の文豪を慕う人びとの熱意に建築家が呼応し、物資に乏しい戦後の山村において、子供や女性を含む村人たちの手で1947年に建設されました。
かつて存在した営み、現在進行形で行われている取り組み、さらに今の日本ではまだ見ることができないもの――私たちが知る都市や建築とは別の可能性を感じさせるこうしたプロジェクトを提示することで、多様な解釈やさらなる議論を導くとともに、一人ひとりに気づきが生まれ、地球とともに生きていくための新たな視点を見いだしていただくことを期待しています。
TOTOギャラリー・間
展覧会名(日)― TOTOギャラリー・間 北九州巡回展
How is Life? ――地球と生きるためのデザイン
展覧会名(英)― TOTO GALLERY・MA Traveling Exhibition in Kitakyushu
How is Life?――Designing for our Earth
会 期 ― 2023年11月21日(火)~2024年3月10日(日)
開 館 時 間 ― 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日 ― 月曜日・年末年始[2023年12月29日(金)~2024年1月4日(木)]
*ご来館の際には、TOTOミュージアムウェブサイトにて最新情報をご確認ください。
入 場 料 ― 無料
会 場 ― TOTOミュージアム 福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1
TEL 093-951-2534 https://jp.toto.com/knowledge/visit/museum
【バス】
JR小倉駅 小倉城口の小倉駅バスセンターから約15分「貴船町」バス停下車1分
【北九州モノレール】
香春口三萩野駅下車、南口より国道3号線を八幡方面に徒歩約10分
キュレーター ― 塚本由晴、千葉 学、セン・クアン、田根 剛
巡 回 展 監 修 ― 塚本由晴(アトリエ・ワン、東京工業大学大学院教授)
監修アシスタント ― 平尾しえな(東京工業大学大学院塚本由晴研究室)
会 場 構 成 ― アリソン理恵(一級建築士事務所ARA)
主 催 ― TOTOギャラリー・間/TOTOミュージアム
企 画 ― TOTOギャラリー・間運営委員会
(特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根 剛)
後 援 ― (一社)日本建築学会九州支部/(公社)日本建築家協会九州支部/
(公社)福岡県建築士会/(一社)福岡県建築士事務所協会
協 力 ― アナスタシア・ゴリオミティー(東京工業大学大学院塚本由晴研究室)、
青木廉(ARA)、飯田将平+下岡由季+佐々木晴(ido)、東湘印版(株)
How is Life? ――地球と生きるためのデザイン
産業革命以降手に入れた生産力を背景に、成長を是としてきた人類の活動は、プラネタリー・バウンダリー※1を超え、気候変動や南北格差をもたらし、声をあげることのできない生物や将来世代を搾取し続けている。その対応策として、成長の原動力となった産業や便利な暮らしを維持しつつ環境負荷を低減させる行動がSDGsとして推奨されているが、事態はより深刻で、持続的成長ではなく成長なき繁栄※2を本気で検討しなければならないところまで来ている。そのためには産業分野だけでなく、暮らし自体を見直し、その構成要素の一つ一つを、地球に負荷をかけない方向に転換していかなければならない。しかし、産業からサービスを買うことに慣れてしまった我々は、自らの手で衣食住やエネルギーを獲得するスキルをもたず、また産業社会的連関による包囲網はそこからの逸脱を容易には許さない。20世紀後半につくられた生産―消費―廃棄の想定を定着し続けてきた構築環境の中に暮らしていると、その想定を疑うことも容易ではない。そこで培われた自画像は、同じ想定に基づく構築環境や暮らしを再生産してしまう。その反復から抜け出して、成長なき繁栄を選ぶのならば、我々はどう生きるか?
建築が人々の暮らしをよりよくすることに奉仕するものであるならば、そうした包囲網を障壁として発見し、挑んでいくことから、建築的営為を始めるべきだろう。その時話し合いのテーブルにつくのは、今ここにいる自分達だけでなく、立場の弱い人、地球の別の場所にいる人、未来の人、そしてヒト以外の生物かもしれない。「How is Life?」という、彼ら、そして私達自身への問いかけを、建築展という形にする試みに、ご期待あれ。
TOTOギャラリー・間 企画展 How is Life?
キュレーター
塚本由晴、千葉 学、セン・クアン、田根 剛
出典
※1 プラネタリー・バウンダリー
Rockström, Johan, et al. "A safe operating space for humanity." Nature, vol. 461, no. 7263, 24 Sept. 2009,
pp. 472+.
※2 成長なき繁栄
Tim Jackson (2009). Prosperity without Growth. Earthcan. (ティム・ジャクソン 田沢恭子(訳) (2012).
成長なき繁栄 ―地球生態系内での持続的繁栄のために― 一灯舎)
塚本由晴講演会「資源的人のための建築・都市・社会」
日 時 ― 2023年11月20日(月)17:00開場、18:00開演、19:30終演
会 場 ― TOTOミュージアム
定 員 ― 150名
参加方法 ― 参加無料/事前申込制
TOTOギャラリー・間ウェブサイト(https://jp.toto.com/gallerma)よりお申込みください。
申込期間 ― 2023年9月13日(水)~10月29日(日)
申込み多数の場合、抽選の上、11月13日(月)までに結果をご連絡いたします。
注意事項 ― 状況により、予定が変更になる場合がございます。
当講演会では未就学のお子様連れのお申し込みはご遠慮いただいております。
『How is Life? ――地球と生きるためのデザイン』
監 修 ― 塚本由晴、千葉 学、セン・クアン、田根 剛
発行年月 ― 2023年11月(予定)
発 行 ― TOTO出版(TOTO株式会社)
お問い合わせ ― TEL 03-3497-1010 https://jp.toto.com/publishing
[A] 展覧会ポスター、TOTOギャラリー・間 企画展 How is Life? キュレーター
[B]出展プロジェクト例 (展示内容は予告なく変更することがございます)
※下記図版をご利用の際には使用条件がございますので、広報担当までお問い合わせください。
ニュースリリース全文は、以下よりダウンロードしてご覧ください。
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