コンプライアンスを尊重する組織づくり、人づくり
違反を未然に防止するためには、マネジメントシステムの強化だけでなく、コンプライアンスを尊重する組織づくりが不可欠であるという考えのもと、さまざまな研修をグループ内に展開してきました。 職場単位では、職場内コミュニケーション強化を目的とした「対話型コンプライアンス研修」に取り組んできました。コンプライアンスに関する一つのテーマをもとに、ときには部門を越えた社員同士で対話することで、多様な価値感・考えなどに気付き、この研修により違反を見て見ぬふりをしない組織文化を醸成することができました。
一方、部・課長層には直面したときの判断力と行動力を強化する「コンプライアンスマネジメント研修」を展開してきました。職場内で起こりうる違反事例をもとに、基本的な対処法や想定外の事態に遭遇したときにとるべき行動を、管理職同士で対話しながら考えることで基礎力と応用力を身に付けることで、ルールに則った正しい行動をする組織風土の醸成に努めています。
今後も、すべての職場でコンプライアンスを尊重する行動が定着し、TOTO-Wayとして根付くようこれらの研修を推進していきます。
また、違反を未然に防止するためには、個人の報酬、業績との連動性も重要です。
TOTOグループでは、個人の役割や、業績との連動性を規定により定義し運用しています。
更に、違反した場合の対応についても、定義の上、厳密な対処を行っています。
コンプライアンスマネジメントシステムを含む品質マネジメントシステムに関してはISO9001による認証を得ています。
コンプライアンス徹底の教育・研修
社員一人ひとりにコンプライアンスを浸透させるため、新任部課長、新任グループ会社社長、新入社員等を対象に教育やeラーニングを展開しています。また、事業に関わる独占禁止法、下請法、労働契約法、個人情報保護法、著作権法、薬事法、特許法など各種法令を統括する部門より関係する実施部門の社員に対しコンプライアンス研修等を実施しています。あわせて、各法令統括部門では各部門を訪問して講義を行う出前セミナーも実施しています。2014年度よりインサイダー取引に関するeラーニングを全社員対象に実施し周知徹底を図っています。
独占禁止法の対応
日本の独占禁止法をはじめとする各国の競争法を遵守するため、競争法遵守マネジメント規定(日本語、英語、中国語)を制定し、違反行為の未然防止、確認・早期発見および違反行為発生時の危機管理を適切に行うためのマネジメントシステムを構築しています。規定には、違反者が、所属する会社の規則に従って厳重に処分されることも明記しています。
国内においては、遵守ガイドを配付するとともに、関係部門ごとにキーパーソンを設置して、法務部門と連携しながら法令違反の未然防止に努めています。また、営業部門の管理職とセールスに対しては、独禁法の理解度を高めるためのテストを毎年実施しています。さらに、法務部門による出前セミナーも各所で実施しています。
海外グループ会社においては、競争法違反および贈賄を防止するためのコンプライアンス・プログラムの整備を推進しています。
腐敗防止の取組み
日本の不正競争防止法をはじめとする各国の反腐敗法を遵守し、公平かつ透明な事業活動を行うため、リスク管理委員会で重大リスクとして抽出し、重大リスクのコンプライアンス違反の重点課題として、反腐敗法違反の未然防止活動を推進しています。リスク管理委員会で重大リスクとして取り上げた案件は、取締役会に報告しその対応を審議します。
具体的には、TOTOグループビジネス行動ガイドラインの中に「公務員への不正支払防止」や「贈収賄行為の禁止」などの項目を入れ、海外グループ会社まで配布し、腐敗防止に関する意識醸成のための活動を行っています。
海外グループ会社営業部門のセールスに対しては、反腐敗法について現地でのヒアリングを行っており、更に社内研修も実施しています。
また、全ての海外グループ会社に法務責任者を設置し、現地法律事務所とのネットワークを構築しています。
法的リスクの発生に備えて、平時より弁護士情報を収集し、法令遵守状況のモニタリング及び体制を含めた有事対応マニュアルを整備しています。
グローバル税務方針
TOTOグループは世界各国の税法を遵守するために、税務方針を定めることで税務の透明性を確保します。グローバルに税務リスクを排除し、株主価値の向上を目指します。