ものづくりにおける取り組み
TOTOグループでは、各生産拠点における地域ごとの水ストレスを特定し、地域社会・事業へのリスクを分析するとともに、ものづくりにおける水消費の削減を計画的に実施しています。
管理対象
対象範囲:TOTO株式会社および国内外の連結子会社48社すべて
目標
TOTOグループでは、地球環境行動方針のもと、地球環境行動計画を策定しており、現在、2026年度までの計画である第12次地球環境行動計画に基づき、ものづくりにおける水消費量削減を推進しています。
【地球環境方針】より抜粋
1. 節水や空気浄化に代表される環境配慮商品・サービスを開発し地球環境に与える負荷の低減に貢献します。
2. 事業活動のあらゆるプロセスで環境負荷を低減します。
3. 環境マネジメントシステムを構築し、継続的改善を図ります。
水使用量原単位向上率
指標 | 範囲 | 基準年 | 2023年度 実績 ※3 | 2024年度 目標 | 2026年度 目標 |
水使用量原単位向上率 ※1 | 日本 海外 | STAGE1 平均原単位比 ※2 | 43.0% | 5.0% | 15.0% |
※1:売上高原単位
※2:STAGE1は2021年度~2023年度
※3:2018年度原単位比
水使用量の推移
取水量
水源別 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
地表水 | 千m3 | _ | _ | _ | _ | _ |
地下水 | 千m3 | 438 | 387 | 463 | 426 | 419 |
海水 | 千m3 | _ | _ | _ | _ | _ |
生産随伴水 | 千m3 | _ | _ | _ | _ | _ |
第三者の水※1 | 千m3 | 2,461 | 2,244 | 2,212 | 1,981 | 1,598 |
総取水量※2 | 千m3 | 2,899 | 2,631 | 2,675 | 2,407 | 2,017 |
(売上高原単位) | m3/ 百万円 | 4.86 | 4.53 | 4.15 | 3.43 | 2.87 |
※1 第三者の水=地方自治体や他の公営・民間水道施設から供給された水
※2 総取水量は第三者による保証を取得しています。
水消費量
指標 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
水消費量※ | 千m3 | 1,307 | 727 | 815 | 765 | 795 |
※水消費量=総取水量ー総排水量
水リサイクル量
指標 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
水リサイクル量 | 千m3 | 2,028 | 1,844 | 2,163 | 2,008 | 1,737 |
水リサイクル率 | % | 41.2 | 41.2 | 44.7 | 45.5 | 46.3 |
排水量
排水先別 | 単位 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
地表水 | 千m3 | 12 | 10 | 9 | 11 | 7 |
地下水 | 千m3 | _ | _ | _ | _ | _ |
海水 | 千m3 | _ | _ | _ | _ | _ |
第三者の水※1 | 千m3 | 1,580 | 1,894 | 1,851 | 1,631 | 1,215 |
総排水量 | 千m3 | 1,592 | 1,904 | 1,860 | 1,642 | 1,222 |
(売上高原単位) | m3/ 百万円 | 2.67 | 3.29 | 2.88 | 2.34 | 1.74 |
※1 第三者の水=地方自治体の廃水処理施設への排水
※2 地表水への排水は、2018年度からデータ取得開始
水リスクへの対応
TOTOグループでは、持続可能な事業活動を見据え、水に関するリスク評価を実施しています。
洪水や水質汚染などのリスク評価も実施し、中でも水ストレス(水の需給に関するひっ迫の程度)については、事業継続への影響が高いと考え詳細状況の把握を行っています。
特に、生産工程では多くの水を使用するため、生産拠点の各々の地域における水ストレス状況を把握し、より効果的な対応につなげています。評価方法はGRI (Global Reporting Initiative)に準拠し、世界資源研究所(World Resources Institute)が開発したAqueductおよび世界自然保護基金(WWF)によるWater Risk Filterを用いて、各生産拠点の地域ごとにWater StressとWater Depletion等の評価を行い、水ストレス下にある生産拠点の地域を特定しています。
水ストレスが極めて高い(Extremely High)と評価された地域に生産拠点を有しているのは、メキシコ、中国大陸、インド、タイの4か国・7拠点です。
なお、水ストレスへの対策としては、以下のような対策を行っています。
衛生陶器の生産工場では、製品の形状を形成する成形工程において原材料(泥しょう)に含まれている水を分離・回収し、再利用しています。加えて、排水処理には砂ろ過等を実施し、再利用しています。 これらの対応によって、良質な水を十分に確保することができています。
水栓金具の生産工場では、めっき工程において洗浄に使用した水を回収し、イオン交換装置で処理した後、再利用しています。この対応によって、良質な水を十分に確保することができています。
TOTOの生産拠点
水ストレス別の取水量の割合(2023年度)
水使用量削減の取り組み
世界規模の気候変動の影響や急激な人口増加による水需要の拡大により、水資源の不足や枯渇が様々な地域で重大化しており、事業活動で消費する水資源への影響が懸念されています。 2023年度のTOTOグループでの水使用量は減少し、売上高原単位も改善しています。 TOTOグループでは、水資源の保全や有効活用が重要であると考え、継続的な水使用量削減に向けた目標を設定しグループ全体で節水活動や再生利用水の使用拡大などの施策を戦略的に推進しています 。
各拠点の取り組みとして、衛生陶器の生産工場では、生産排水を敷地内の排水処理場で処理し、その処理した水の一部を、生産工程やトイレでの洗浄水として再利用しています 。 (本社・小倉第一工場・TOTO India Industries Pvt. Ltd.・TOTO (Thailand) Co. Ltd.・TOTO Mexico,S.A.de.C.V.)
水栓金具の生産工場では、めっき工程における排水をリサイクルする「水循環システム」を導入し、積極的に処理水を再利用しています。 (TOTOアクアテクノ小倉工場 ・東陶(大連)有限公司 )
小倉第一工場
TOTO(Thailand)Co.Ltd.
TOTO India Industries Pvt. Ltd. (インド)の排水処理設備
TOTOアクアテクノ小倉工場の水循環システム
東陶(大連)有限公司の水循環システム
排水管理について
TOTOグループでは、環境マネジメントシステムの推進により、汚染の未然防止に努め、法規制遵守はもとより自主管理基準値を定めて、環境負荷の低減と汚染の未然防止に努めています。また、排水による汚染を防ぐために、拠点内で再処理を行った上で、再生水として利用したり、外部に排水が流出しないよう監視システムや遮断システムなどを導入するなど、排水管理を徹底しています。
環境法令違反の件数については、「環境リスクへの取り組み」で開示しています。
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