ニュースリリース
2024年5月22日
TOTOギャラリー・間、TOTO出版
onishimaki+hyakudayuki / o+h: A Living Whole
TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:清田 徳明)が、社会貢献活動の一環として運営している「TOTOギャラリー・間(ま)」(東京都港区)は、公共建築から住宅、福祉施設まで幅広く手がけ、日本建築学会賞(2023年)やヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館キュレーション(2023年)など、常に注目を集め続ける若手建築家、大西麻貴+百田有希 / o+hの展覧会「生きた全体――A Living Whole」を2024年9月4日(水)~11月24日(日)の会期で開催します。
また、関連イベントとして、大西麻貴+百田有希 / o+h講演会「生きた全体――A Living Whole」を2024年9月27日(金)に開催します。
TOTOギャラリー・間では、「大西麻貴+百田有希 / o+h展:生きた全体――A Living Whole」を開催します。
詩人のT.S.エリオットは、「今までに書かれたあらゆる詩の生きた全体(a living whole)」が詩の概念だという考えを提示し、現在は過去によって導かれながらも、新しい詩が挿入されることによって過去は変化し、新しい複合体となり、そこに伝統が成立すると説きました。*1
大西と百田は、建築をつくることは、その建築を含む「生きた全体」を考えることだと言います。彼らが建築をつくるとき、多様な背景や特性をもつ利用者や地域の人々の声、その土地に伝わる物語にまで耳を傾け、人の営みを丁寧に拾い上げながら建築に翻訳してきました。日本建築学会賞(作品)を受賞した児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」では、スロープが車椅子を含むすべての人の動線でありながら、同時に子どもたちの遊び場でもあるように、一部分だけを取り出すことができない複雑な総体を生み出しています。個々の価値観や機能を出発点に、それらが折り重なり合うことによって誰もが自分の居場所を見つけることができるように、「生きた全体」を考えることとは、各存在のかけがえのなさを大切にし、寛容で多様な社会の理想形を、建築を通して示そうとしていると言い換えられるのではないでしょうか。
展覧会では、彼らの作品や人の営みが織りなす「生きた全体」がどう建築の風景として立ち上がってくるのか、模型や言葉、インスタレーション等で紹介します。本展を通じて、o+hの眼差しと世界観を体感いただければ幸いです。
TOTOギャラリー・間
*1 出典:T.S.エリオット著、矢本貞幹訳『文芸批評論』 岩波書店(1938)
展覧会名(日)― 大西麻貴+百田有希 / o+h展:生きた全体――A Living Whole
展覧会名(英)― onishimaki+hyakudayuki / o+h: A Living Whole
会 期 ― 2024年9月4日(水)~11月24日(日)
開 館 時 間 ― 11:00~18:00
休 館 日 ― 月曜
※ TOTOギャラリー・間ウェブサイトにて最新情報をご確認ください
入 場 料 ― 無料
会 場 ― TOTOギャラリー・間
(〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F)
東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分
TEL:03-3402-1010 https://jp.toto.com/gallerma/about/map.htm
主 催 ― TOTOギャラリー・間
企 画 ― TOTOギャラリー・間運営委員会
(特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根 剛)
後 援 ― (一社)東京建築士会/(一社)東京都建築士事務所協会
(公社)日本建築家協会関東甲信越支部/(一社)日本建築学会関東支部
生きた全体――A Living Whole
ひとつの建築をつくる時、
その建築を含む「生きた全体」をどのように考えられるでしょうか。
営みの全体
建築をつくるという営みは、私たちが生きることそのものです。その場所にふさわしい建築を、人々とともに掘り起こし、考え、つくり、育てていく。私たちは、そうした営みをも含めた全体を、建築だと捉えています。
空間的全体
建築をつくると、その内側にひとつの世界が生まれます。一方で、建築はその外側の世界にとっての一部分です。もしも建築が、内側と外側の世界をつなぐ存在となりえるならば、小さな居場所から大きな環境までを連続的に捉えることができます。建築をつくるとは、スケールを横断して、単体では取り出せないひとつながりの関係性を生み出すことです。
時間的全体
建築は、今目の前にあるものとしてだけではなく、過去、そして未来の建築とともに存在しています。それゆえに、ひとつの建築の中には過去と未来の人々の生が含まれます。建築の材料ひとつにもまた、土地の一部として育まれてきた長い時間が内包されています。そのように、過去、現在、そして未来の人々、さらにはその土地の時間とつながる建築を、私たちは今、どのようにつくることができるでしょうか。
存在のかけがえのなさ
建築を含む「生きた全体」を考える時、私たちは、建築を自然から離れた人工物というよりは、生き物として捉えるところから始めてみたいと思います。人間にコントロールされるものとしてではなく、自立した存在として建築と向き合うことで、その存在を機能や性能で測ることを超え、欠点や未完成な部分も含めて愛しみ、育てていくことができます。建築を生き物と捉える視点は、建築の存在論的意味を問い直す試みです。
ひとつの建築をつくる時、その建築を含む「生きた全体」をどのように考えられるでしょうか。その問いを、多くの人々とともに、考え続けていきたいと思います。
大西麻貴+百田有希 / o+h
大西 麻貴(おおにし まき)
1983年生まれ。2006年京都大学卒業。2008年東京大学大学院修士課程修了。2008年~大西麻貴+百田有希 / o+hを共同主宰。2016年~京都大学非常勤講師、2022年~横浜国立大学大学院Y-GSA教授。
百田 有希(ひゃくだ ゆうき)
1982年生まれ。2006年京都大学卒業。2008年同大学大学院修士課程修了。2008年~大西麻貴+百田有希 / o+hを共同主宰。2009~14年伊東豊雄建築設計事務所勤務。2017年~横浜国立大学非常勤講師。
主な作品に「シェルターインクルーシブプレイス コパル」(山形県、2022年)、「Good Job! Center KASHIBA」(奈良県、2016年)、「二重螺旋の家」(東京都、2011年)など。主な受賞に2023年日本建築学会賞(作品)、BCS賞など。
大西麻貴+百田有希 / o+h講演会 生きた全体――A Living Whole
日 時 ― 2024年9月27日(金) 17:30開場、18:30開演、20:00終演(予定)
会 場 ― イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F)
定 員 ― 500名
参加方法 ― 参加無料/事前申込制
TOTOギャラリー・間ウェブサイト(https://jp.toto.com/gallerma)よりお申込みください。
申込期間 ― 7月23日(火)~9月15日(日)
申込み多数の場合、抽選の上、9月20日(金)までに結果をご連絡いたします。
注意事項 ― 当講演会では未就学のお子様連れのお申し込みはご遠慮いただいております。
『(仮)大西麻貴+百田有希 / o+h作品集』
著 者:大西麻貴+百田有希 / o+h
発行年月:2024年9月(予定)
発 行:TOTO出版(TOTO株式会社) TEL:03-3497-1010 https://jp.toto.com/publishing
ニュースリリース全文は、以下よりダウンロードしてご覧ください。
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