TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:喜多村 円)が運営するTOTOミュージアム所蔵の「初代ユニットバスルーム」が、一般社団法人建築設備技術者協会(JABMEE、会長:田辺新一)より、平成28年度「建築設備技術遺産」に認定されました。
今回認定されたTOTOミュージアム所蔵の「初代ユニットバスルーム」は、1964年の東京オリンピック開催にあわせ、異例のスピードで建設が進んでいた日本初の超高層ホテル「ホテルニューオータニ」へ短期間に大量の浴室を納入するため、1963年に開発された日本初(※1)のユニットバスルーム工法で製作されました。今回の認定は、現在では新築住宅の約9割(※2)に採用され、浴室の工期短縮や性能向上に貢献しているユニットバスルームの原点としての価値が認められたことによるものです。
TOTOミュージアムは、2015年8月28日に開館して以来、数多くのお客様に来館いただき、開館8ヵ月半で来館者総数7万人を突破しました。同館が所蔵する「初代ユニットバスルーム」は、ホテルニューオータニに現存していた最後の1台を移設したもので、常設展示しています。
※1:JIS規格に適合したユニットバスルームとして ※2:TOTOの出荷台数ベース
今回認定されたTOTOミュージアム所蔵の「初代ユニットバスルーム」は、1964年の東京オリンピック開催にあわせ、異例のスピードで建設が進んでいた日本初の超高層ホテル「ホテルニューオータニ」へ短期間に大量の浴室を納入するため、1963年に開発された日本初(※1)のユニットバスルーム工法で製作されました。今回の認定は、現在では新築住宅の約9割(※2)に採用され、浴室の工期短縮や性能向上に貢献しているユニットバスルームの原点としての価値が認められたことによるものです。
TOTOミュージアムは、2015年8月28日に開館して以来、数多くのお客様に来館いただき、開館8ヵ月半で来館者総数7万人を突破しました。同館が所蔵する「初代ユニットバスルーム」は、ホテルニューオータニに現存していた最後の1台を移設したもので、常設展示しています。
※1:JIS規格に適合したユニットバスルームとして ※2:TOTOの出荷台数ベース
初代ユニットバスルームについて
建設設備技術遺産 認定第25号 TOTOミュージアム所蔵の初代ユニットバスルーム
開発期間:1963年7月~12月
納入先:ホテルニューオータニ
納入数:1044室
工場製作開始:1964年1月
設置工事期間:1964年2月中旬~4月初旬
開発期間:1963年7月~12月
納入先:ホテルニューオータニ
納入数:1044室
工場製作開始:1964年1月
設置工事期間:1964年2月中旬~4月初旬
東京オリンピックを翌年に控えた1963年1月、東京都の要請をうけて急遽建設が始まった「ホテルニューオータニ」。国内初の超高層ホテル(17階建て、客室1058室)でありながら、工期は17ヵ月と通常(約3年)の半分未満、さらにオリンピックに向けた建設ラッシュで人手不足、という厳しい状況でした。設計・施工にあたっていた大成建設株式会社は、特に時間のかかる浴室の工期短縮化を求め、新しい設計案をメーカー数社に依頼、そのうちの1社がTOTO(当時の社名は東洋陶器)でした。
TOTOは、1963年7月に開発プロジェクトを発足。昼夜を問わず膨大な要件の検証を続けた結果、②「セミキュービック方式」の開発による工期短縮化(従来の約10分の1)、③「ステンレス製防水パン」による高い防水性、④FRP(繊維強化プラスチック)採用による軽量化、④浴室内側から部材ごとに交換可能な高いメンテナンス性、を実現したユニットバスルーム工法を開発し、同年12月に正式採用されました。そして、ユニットバスルームを納入した1044室の浴室工事を、大成建設株式会社、株式会社西原衛生工業所の協力を得て、工場製作から現場設置工事まで含めて約3ヵ月半で完了できました。
ユニットバスルームは、現在ではホテルやマンションだけでなく、戸建て住宅の浴室としても普及しています。その原点となる初代ユニットバスルームは、ユニットバスルームの基本型として高い完成度を備えていたこと、そして現物がTOTOミュージアムに移築保存されていたことが、今回の認定につながりました。
TOTOは、1963年7月に開発プロジェクトを発足。昼夜を問わず膨大な要件の検証を続けた結果、②「セミキュービック方式」の開発による工期短縮化(従来の約10分の1)、③「ステンレス製防水パン」による高い防水性、④FRP(繊維強化プラスチック)採用による軽量化、④浴室内側から部材ごとに交換可能な高いメンテナンス性、を実現したユニットバスルーム工法を開発し、同年12月に正式採用されました。そして、ユニットバスルームを納入した1044室の浴室工事を、大成建設株式会社、株式会社西原衛生工業所の協力を得て、工場製作から現場設置工事まで含めて約3ヵ月半で完了できました。
ユニットバスルームは、現在ではホテルやマンションだけでなく、戸建て住宅の浴室としても普及しています。その原点となる初代ユニットバスルームは、ユニットバスルームの基本型として高い完成度を備えていたこと、そして現物がTOTOミュージアムに移築保存されていたことが、今回の認定につながりました。
初代ユニットバスルームの特長
①「セミキュービック方式」の開発による工期短縮化
セミキュービック方式とは、浴槽やトイレなどの器具や給排水管を組み込んだ「腰下フレーム」と「上部壁フレーム」をあらかじめ工場で生産し、現場で組み立てる方式。工事が進行するなかでも容易に搬入できるよう、上下を分けた構造としました。プレハブ化(ユニット化)したことにより、在来工法では1室あたり3週間~1ヵ月必要な工期を、1室あたりわずか3~5日(組立て1日)に短縮することに成功しました。
②「ステンレス製防水パン」による高い防水性
防水パンというステンレス製の大きな受け皿を考案。防水パンでユニットバスルームの躯体全体を受け止めるように設置することで、水漏れを防止しました。
③FRP(繊維強化プラスチック)採用による軽量化
TOTOは、それまでは工事用ヘルメットくらいにしか使われていなかったFRP(繊維強化プラスチック)を浴槽に展開し、「トートライトバス」として1958年より発売していました。初代ユニットバスルームでは、このFRPを浴槽だけでなく洗面カウンターにも展開し、浴室全体の軽量化を実現。従来は2t超あった浴室の重量を約730kgまで抑えることができました。
④浴室内側から部材ごとに交換可能な高いメンテナンス性
浴槽・洗面カウンターはFRP、洗面器と便器は陶器、壁はメラミン化粧板、床は在来工法のタイル貼りなど、各所に最適な材料を選択するだけでなく、部材ごとに浴室内側から交換可能な仕様とし、施工後のメンテナンス性にも考慮されていました。解体時には組み立てた順番を逆にすることで取り外し可能で、部材を破壊することなく容易にユニットバスルームの更新ができる構造となっていました。このことは、移設のため、2015年に実際に解体した際に実地検証されています。
建築設備技術遺産について
一般社団法人 建築設備技術者協会(http://www.jabmee.or.jp/)が2012(平成24)年度より、建築設備分野に係わる「技術」と「技術者の歴史的な足跡を示す具体的な事物・資料」を「建築設備技術遺産」として認定する制度で、建築設備技術者が係わってきた、建築設備分野の技術および設備関連情報とそれを建物に収めてきた技術を次世代に伝える必要のある大切な遺産として認定するものです。
「建築設備技術遺産」とは、建築設備のうち、空調・衛生・電気・搬送の4領域に関する技術と、技術者の歴史的な足跡を示す具体的な事物・資料であって、
・建築設備技術の進歩・発展において重要な成果を示したもの
・生活、経済、社会、地球環境、技術教育に貢献した、または当時を反映する技術遺産である建築設備技術
のいずれかに合致するものです。
「建築設備技術遺産」とは、建築設備のうち、空調・衛生・電気・搬送の4領域に関する技術と、技術者の歴史的な足跡を示す具体的な事物・資料であって、
・建築設備技術の進歩・発展において重要な成果を示したもの
・生活、経済、社会、地球環境、技術教育に貢献した、または当時を反映する技術遺産である建築設備技術
のいずれかに合致するものです。
TOTOミュージアムについて
TOTOミュージアムは、2017年に迎える創立100周年記念事業として開設した、水まわりの文化や歴史をご覧いただけるミュージアムです。2015年8月28日の開設以来、数多くのお客様に来館いただき、開館8ヵ月半で来館者総数が7万人を突破しました。
TOTOミュージアム
開館時間………10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日…………月曜・年末年始・夏期休暇
入館料…………無料 ※団体要予約(20名以上)
お問合せ先……TEL:093-951-2534
所在地…………福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1
ウェブサイト……http://www.toto.co.jp/museum
開館時間………10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日…………月曜・年末年始・夏期休暇
入館料…………無料 ※団体要予約(20名以上)
お問合せ先……TEL:093-951-2534
所在地…………福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1
ウェブサイト……http://www.toto.co.jp/museum