
TOTOグループは、すべての社員が労働時間の見直しなどによって仕事と家庭生活の調和を図ることが生産性や働きがいの向上につながると考え、ワークライフバランスの推進や、仕事と家庭を両立しやすい職場環境の整備に取り組んでいます。「TOTOグループコンプライアンス方針」に、あらゆる企業活動において法令や社会的ルール等を遵守することを定め、各地域に適用される労働時間などを定めた関係法令などを遵守するとともに、長時間労働の抑制にも努めています。
TOTOグループでは、場所と時間を柔軟に活用できる多様な働き方でチャレンジを促す職場づくりを推進しています。2025年6月よりジェンダーにかかわりなく有給での育児を目的とした特別休暇(育児休暇)を導入しました。さまざまな取り組みにより、家族とキャリアの両立を支援しています。
TOTOグループでは、多様な人財が集まり、安心して働きイキイキとチャレンジできるよう、有給休暇の取得を奨励しているほか、多様な働き方や育児・介護の両立を支援する各種制度を整備しています。
また、ワークライフバランスの意識啓発の一環として、各種制度の利用者数や具体的な利用事例をイントラネットや社内報に掲載、発信し、社員一人ひとりが、自身のワークライフバランス向上について考えるきっかけ作りを行っています。
男性社員が職場に気兼ねすることなく取得できるよう、風土醸成も図っています。
これらの取り組みが評価され、日本生産性本部主催の第6回『 ワーク・ライフ・バランス大賞』優秀賞を受賞しました。
TOTOグループでは、すべての社員が、仕事とライフイベントとのバランスをとりながら、キャリアを継続することができるよう、さまざまな制度の導入と運営による支援を行っています。
主な支援制度としては、結婚・出産・育児・介護を事由に一時的に希望居住地での就業を選択できる勤務地限定制度や、配偶者の海外転勤にともなう3年間の休職制度、ライフイベント等によってやむを得ず途中退職する場合、希望者には求人案内を行う等の人財登録制度等があり、退職事由が解消して、再び働きたいと希望した時点で案内などを行っています。
ライフイベントを理由とした離職を防ぐことを目的に、育児・介護との両立を図る支援策として「短時間勤務制度」や「休暇・休業制度」等に加えて、育児・介護事由による「在宅勤務制度」を導入しています。
病気治療と仕事との両立についても、必要な治療を受けながら働き続けられるよう、在宅勤務などで支援しています。
また、社員が自分らしく働けるように、ライフスタイルや個々のニーズに合わせて、働く場所や時間を柔軟に活用できる「多様な働き方」でチャレンジできる職場づくりを継続して推進しています。
日本国内のTOTOグループの社員が子育てと仕事を両立するために、以下に記したような一部法律を上回る充実した環境や制度を整備しています。
各種制度は社員が理解しやすいよう「ガイドブック」などを作成し、社内イントラネットに公開し、上司や対象者が確認するできるようにしています。
産前休暇・産後休暇
妊娠中および出産後の健康管理をサポートするために、以下の休暇制度を設けています。
・産前休暇: 妊娠中の方は、出産予定日の6週間前から(多胎妊娠の場合は14週間前から)、申請により休暇を取得することができます。
・産後休暇: 出産された方は、出産の翌日から8週間の休暇を利用することができます。
また、出産に伴う収入の減少を補うために、TOTO健康保険組合を通じて「出産手当金」を受け取ることが可能です。
育児休業制度
法定を超えて、いかなる理由にかかわらず子どもが満2歳になるまで、育児休業を取得できます。
育児休業中は無給となりますが、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
また、TOTOグループ福祉共済会からも育児休業給付金が支給されます。
出生時育児休業(産後パパ育休)
育児休業制度とは別に、子どもの出生後8週間以内に4週間を上限に育児休業を取得できます。なお、初めにまとめて4週間分を申請すれば、同一子につき分割して2回取得可能です。育児休業中は無給となりますが、雇用保険から出生時育児休業給付金などが支給されます。
出産・育児のための特別休暇(「慶弔休暇」「出産・育児支援休暇」)
社員の配偶者の出産に際しては、2日以内の特別休暇(有給)(慶弔休暇)が取得できます。
また、2025年6月より、子どもが2歳までの期間に、育児を目的とした有給の特別休暇(通算5日以内(土・日含まない))を取得できます。この休暇は育児休業の対象外となる勤続1年未満の社員も利用でき、一度に連続9日間の休暇を取得することも可能です。また、妊婦ケアのために妊娠後からも男女問わず取得可能です。(出産・育児支援休暇)
育児短時間制度
日本の法令では子どもが満3歳になるまでの短時間勤務制度を導入するよう要請されていますが、TOTOグループ日本では小学校6学年修了までの子どもがいる社員について、本人の申し出によって、職場が認める場合、各職場で定める短時間勤務等を選択できます。始業・就業遅刻の繰上げ又は繰下げ、もしくは、1日30分から最大半日の勤務時間の短縮が可能です。
育児期の社員への補助金
日本国内のTOTOグループの子どもを扶養する社員に対しては、子どもを保育園やベビーシッターに預ける際の保育料や子どもの教育費を補助するための手当を支給しています(カフェテリア制度※の育児・教育費用補助)。
※企業が社員にポイント制で提供する福利厚生制度。社員は付与されたポイントの範囲でさまざまなサービスを選べます。
授乳のための福利厚生
日本の事業場では、プライバシーが守られた休養室や授乳・搾乳のためのスペースも設置しています。
また、1歳未満の子どもを育てる女性従業員が請求すれば、雇用形態に関わらず通常の休憩時間とは別に1日2回各30分の育児時間を付与しており、授乳や搾乳の時間に充てることができます。
看護休暇等制度
日本の法律より上回り、小学校6学年修了までの子どもについて「負傷し、又は疾病にかかった子の世話」「子に予防接種や健康診断を受けさせること」・「感染症に伴う学級閉鎖等になった子の世話」・「子の入園(入学)式、卒園式(卒業式)への参加」のために、1時間単位で取得できる休暇です。子どもが一人であれば年間5日(40時間)、二人以上であれば10日(80時間)まで、取得できます。
育児を目的とした希望勤務地での勤務制度(勤務地限定制度)
日本のTOTOでは、現在までのキャリアが途切れないよう、全国転勤ありの社員について、小学校6学年修了までの子どもを持つ社員は、配偶者に国内転勤が発生した際などに、希望の居住地での勤務を希望することができます。
パパママ・孫休暇制度(積立休暇制度)
子もしくは孫を持つ社員に対し、時効により消滅した年次有給休暇(積立休暇)を家事や育児を目的として使用できる有給の休暇取得制度。

TOTOグループでは、多様な働き方への理解とワークライフバランスの促進、働く女性を支える為の男性の意識啓発を目的に、男性社員の家事・育児参画を推進しています。有給の育児休暇制度である「パパママ・孫休暇制度」は、子供や孫をもつ社員が家事や育児を目的とした休暇取得を奨励するもので、収入の減少を理由に育児休業取得をためらう社員や、育児休業期限終了後の社員などに対して、積極的な家事・育児の参画を支援し、子育てを後押しする制度です。また、社内イントラネットに専用サイトを設置し、関連制度や育児との両立に関するガイドブックの掲載、ロールモデルの紹介を行う等、積極的な休暇取得と、意識の醸成を進めています。男性社員の育児休業取得目標については2026年度までに85%と設定し、育児休業取得希望者が安心して取得できるようにも取り組んでいます。
これらの取り組みが評価され、厚生労働省より「子育てサポート企業」に認定、2012年に次世代認定マーク『くるみん』を、2018年には、パパママ休暇の取得率が30%を達成したため、より水準の高い『プラチナくるみん』を取得しました。
介護の対象者は社員自身の家族だけでなく、配偶者の家族も含みます。
介護休業制度
要介護状態の家族一人について、職場によっては、日本の法律を上回る通算最大365日まで休業できます。1日単位でも取得可能です。
介護短時間制度
要介護状態にある家族を介護する社員について、本人の申し出により、当該家族 1 人当たり利用開始の日から 3 年の間で2 回までの範囲内で、短時間勤務もしくは始業・就業時刻の繰上げ・繰下げ勤務、フレックス勤務を選択できます。
介護をする社員への補助金
社員本人ならびに家族が介護サービスを受けた際の費用に対して補助するための手当を支給しています(カフェテリア制度※の介護補助)。
※企業が社員にポイント制で提供する福利厚生制度。社員は付与されたポイントの範囲でさまざまなサービスを選べます。
配偶者の海外転勤に伴う休職制度
配偶者の海外勤務時に帯同する際、キャリアを継続できるよう、3年間/回を上限として休職できる制度。複数回利用の場合は、日本で1年以上復職後再利用可。(子がいなくても利用可)
ボランティアのための特別休暇制度
社員のボランティア活動への参加を支援するため、年間5日の休暇(有給)取得可能な制度です。
勤務地限定制度
出産・育児・介護・結婚等のライフイベントに合わせた働き方の支援を目的に、一時的に3年以上希望居住地での勤務が可能な制度です。
多様な働き方を支援する主な制度の内容
| 制度内容 | |
| 時間休暇 | 年5日(=40時間)分を限度として、1時間単位での休暇取得をすることができます。 |
| 半日休暇 | 年次有給休暇は、原則として1日単位となっていますが、回数の制限なく、半日単位に分割して休暇取得することができます。 |
| リフレッシュ休暇 | 入社後10、20、30、40年勤続した社員を対象に、海外または国内の旅行を行うことにより、心身のリフレッシュをはかり、見聞を広げることを目的とした休暇制度です。 |
| フレックスタイム制 | 研究・開発・企画など、各人の自主性を基本とした主体的・計画的な時間の利用が必要かつ有効な部門において実施しています。 |
| 在宅勤務制度 | 多様なライフスタイルへの対応、時間の有効活用による生産性向上など、場所と時間を柔軟に活用できる働き方で、以下の2種類の在宅勤務制度を選択することができます。 |
| 自己研鑽のための休職制度 | 進学、留学、資格取得など学び直しのため、3年間を上限として休職できる制度です。 |
日本国内のTOTOグループは労働基準法第36条に則り、残業(時間外労働)や休日労働に関する労使協定(36協定)を締結しています。
臨時的に限度時間を超えて労働させる特別な場合でも、1カ月あたり最長80時間と制定し、毎月の幹部会議においてC.A.を実施しています。
TOTOグループ労使をあげて社員一人一人の健康のため、長時間労働の改善に取り組んでいます。
・社員証のICデータやPCのログといった客観的時刻と各人の申告データをもとに、適正な労働時間を把握し、 上司と部下が日々の勤怠を確認できるよう、システム化を図っています。
・日々勤怠を入力することを徹底し、未入力者および上司にはメールアラートを実施するとともに、36協定上限値など労働時間の進捗に応じて、本人及び上司にもメールアラートを実施しています。
なお、勤怠に関しては入退室やPCのログなどで把握し、残業した時間については、法令以上の基準で残業代の支払いを行っています。
すべての人々が健康でイキイキと働きがいを感じる職場の実現に向けて、有給休暇を取得したい時に、取得できる風土醸成を図ることを目的として、個人で設定した目標日数に対する取得率「100%」を目標に取得を推進しています。
なお、目標設定にあたっては、個人事情を踏まえ、上司と部下で丁寧にコミュニケーションを取ったうえで設定しており、年間を通した計画的な有給休暇が取得できるよう、TOPが率先垂範すると共に、毎月の幹部会議でC.A.を実施しています。
TOTOグループでは、事業活動を展開する各国・地域での最低賃金、残業、および法的に義務付けられている福利厚生など、関連するすべての法令を遵守して適切に賃金の支払いを行っています。
また、本人の役割や能力・成果に加え、当社を取り巻く事業環境、自社業績や中長期の見通しなどを踏まえた上で、社員一人ひとりのモチベーション向上に繋がる適切な処遇を実現しています。
社員一人ひとりが安心してイキイキとチャレンジして働き続けることができるような福利厚生制度を設けています。社員がワークライフバランスを充実させられるように、制度の改善も継続的に進めています。
・持株会制度
持株会を通じて社員が自社株を毎月購入し、中長期的な財産形成を支援する制度です。
・社宅制度
転勤等業務都合で社宅を必要とする社員には、社内規定に基づき社宅を準備する制度です。
・通勤費補助制度
社員が公共交通機関を利用して通勤する場合、自転車や自動車ならびにバイクを使用して通勤する場合
には、社内規定に基づき、通勤にかかる交通費や通勤費の補助をする制度です。
・リゾートハウス・保養所
社員およびその家族の健康保持増進と保養のための施設を利用できます。
TOTOグループは一人ひとりの社員が働きがいを持ちながら就業できるように、職場環境や制度の整備に取り組んでいます。その一環として、女性社員のさらなる活躍推進や育児や介護、ご自身の病気治療と仕事の両立をサポートするさまざまな施策を実施しています。
育児・介護支援制度の利用者数
| 2022 | 2023 | 2024 | ||
| 育児休業 | 合計 | 237 | 247 | 230 |
| 男性(※1) | 96 | 120 | 109 | |
| 女性 | 141 | 127 | 121 | |
| 育児休業 (TOTOグループ日本) | 合計 | - | - | 363 |
| 男性(※1) | - | - | 188 | |
| 女性 | - | - | 175 | |
| 育児休業取得率 | 男性(※1) | 66.7% | 73.2% | 83.2% |
| 女性 | 100% | 100% | 100% | |
| 育児休業取得率 (TOTOグループ日本) | 男性(※1) | 57.9% | 64.7% | 72.6% |
| 女性 | - | - | 100% | |
| 育児短時間・フレックス勤務 | 合計 | 310 | 305 | 316 |
| 男性 | 4 | 10 | 10 | |
| 女性 | 306 | 295 | 306 | |
| パパママ・孫休暇 | 合計 | 217 | 354 | 327 |
| 男性 | 149 | 176 | 148 | |
| 女性 | 68 | 178 | 179 | |
| 介護休業 | 合計 | 17 | 10 | 12 |
| 男性 | 1 | 4 | 1 | |
| 女性 | 16 | 6 | 11 | |
| 介護短時間・フレックス勤務 | 合計 | 5 | 9 | 10 |
| 男性 | 0 | 1 | 0 | |
| 女性 | 5 | 8 | 10 | |
| 勤務地限定制度 | 107 | 116 | 129 | |
| 配偶者の海外転勤に伴う休職制度 | 11 | 11 | 12 | |
※TOTOの正社員・契約社員
※「育児短時間・フレックス勤務」、「介護短時間・フレックス勤務」は、
それぞれ2022(2023.4時点)、2023(2024.4時点)、2024(2025.4時点)
※ 「パパママ・孫休暇」「配偶者の海外勤務に伴う休職制度」は、TOTOグループ(日本)の正社員・契約社員
※1 当社独自の育児目的休暇(パパママ・孫休暇)取得者を含む
多様な働き方を支援する主な制度の利用実績
| 2022 | 2023 | 2024 | |
| 時間休暇 | 5,734 | 5,962 | 6,027 |
| 半日休暇 | 7,346 | 7,436 | 7,409 |
| ボランティア休暇 | 9 | 21 | 28 |
| リフレッシュ休暇 | 338 | 1,259 | 985 |
| フレックスタイム制 | 5,600 | 5,701 | 5,962 |
| 在宅勤務制度 | 4,771 | 5,238 | 5,669 |
※TOTOの正社員・契約社員
※「在宅勤務制度」は、TOTOグループ(日本)の正社員・契約社員
労働時間
| 2022 | 2023 | 2024 | |
| 年間平均所定労働時間(時間) | 1,901.0 | 1,907.9 | 1,898.2 |
| 年間平均実労働時間(時間) | 1,916.0 | 1,913.8 | 1,905.5 |
| 月間平均時間外・休日労働時間(時間) | 18.1 | 16.4 | 16.1 |
※TOTOグループ(日本)の正社員・契約社員
有給休暇取得率
| 2022 | 2023 | 2024 | |
| 有給休暇取得日数(日) | 18.8 | 19.0 | 18.4 |
| 有給休暇取得率(%) | 94.3% | 95.6% | 92.7% |
※TOTOグループ(日本)の正社員・契約社員
退職者の状況
| 2022 | 2023 | 2024 | |
| 総離職率(%) | 2.7% | 2.7% | 2.6% |
| 自己都合離職率(%) | 2.5% | 2.2% | 2.3% |
※TOTOグループ(日本)の正社員
※「総離職率」は、すべての退職事由を対象に算定
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