学校を中心とした水環境保全と環境教育
オイスカは、「人々がさまざまな違いを乗り越えて共存し、自然と調和して生きる世界」という理念の実現に向け、「ふるさとづくり」を活動の根幹にすえています。オイスカの目指す「ふるさと」とは、地球上に生きる人間や他の生命がバランスを保ちながら共生する持続可能な世界です。この「ふるさと」を守り育てるための実践活動がオイスカの活動であり、これを「ふるさとづくり」と呼び、人材育成、農村開発、環境保全および啓発普及活動などに取り組んでいます。
ジャワ島の学校を対象とした水環境の改善と環境教育授業
インドネシアでは、近年、急激な人口増加や気候変動により、自然環境の劣化が進行。水源涵養機能を持った森林が減少することで、乾季には水不足が発生する一方、雨季には洪水被害が多発しています。とりわけ沿岸地域では、海面上昇やマングローブ林の伐採などにより、海岸浸食の被害も深刻です。学校敷地への海水の浸水も深刻で、トイレもほとんど使用できない学校もあるなど、子どもたちの教育と衛生面で悪影響を及ぼしています。そこで、子どもたちが安心して勉強できるよう、小学校へトイレや手洗い場など水環境設備の設置を進めています。また、水問題に関する普及啓発が進み、自らの意思で環境保全に取り組む人材が育まれるよう、児童や教員を対象に、植林活動や水環境保全に向けた実践的な環境教育活動を展開しています。
オイスカは、国際NGOオイスカ・インターナショナルを母体とし、その基本理念を具体的な活動によって推進する機関として1969年に設立され、主にアジア・太平洋地域で農村開発や環境保全活動を展開しています。特に、人材育成に力を入れており、各国の青年が地域のリーダーとなれるよう研修を行い、研修修了後、各国の青年は、それぞれの国で農村開発に取り組んでいます。日本では、農林業体験やセミナー開催などを通しての啓発活動や、植林および森林整備による環境保全活動を展開しています。