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人財の育成

TOTOグループでは働く全ての社員に充分な育成機会を提供する事で、多様で優秀な社員が集まる職場づくりを推進しています。 日本では、階層別育成の他、女性キャリア支援、DX人財育成、自ら学ぶ機会としての選択型プログラムの他、通信教育なども充実させています。 また、海外についても部課長を対象にビジネススキルのインプットや経営課題を題材とした研修機会を設けています。日本・海外での育成体系を整備し、TOTOグループ全体にイキイキとチャレンジできる風土を醸成していきます。
なお、執行役員のうち約9割が過去に社内の「経営幹部候補生育成プログラム(「経営塾」など変革型経営リーダーを育成する研修)」の受講経験者であり、研修を通じて得たスキルや知識を活用することで業績向上につながり、結果として、2024年度には過去最高の売上を達成することができました。

平均研修時間・費用


202220232024
1人あたり平均研修時間(時間)
10.310.410.7
1人あたり平均研修費用(千円)
31.532.735.0

※TOTOグループの正社員


幹部育成研修受講者


202220232024
幹部育成研修受講者
合計108111124
日本(※1)909390
海外(※2)181834
リーダーシップ開発研修受講者(日本)(※3)
244246236

※1 選択型の幹部育成プログラム「経営塾」の受講者数(TOTOグループ(日本))
※2 海外グループ会社 現地採用者の経営幹部育成研修 修了者数
※3 新任部長研修ならびに新任課長研修の受講者数(TOTOグループ(日本))


TOTOグループ人財育成体系図


TOTOオンリーワン技術の継承と発展に向けて
 -スペシャリスト制度

TOTOグループのものづくりは高い技術によって支えられてきました。その技術を生み出す高度な専門的知識・技術を有する者を評価する機会をマネージャー登用者と平等に設け、「スペシャリスト」として認定することで、研究者・技術者・技能者としてのキャリアアップと次世代の育成を狙いとしています。

これにより、技術・技能のさらなる深化や、ノウハウの蓄積・伝承を確かなものとし、ものづくりを通したTOTOグループの企業競争力の向上を目指しています。さらには、スペシャリスト人財が培った技術を通じて、関連分野の新たな可能性を広げ、社会の発展につなげていきます。

フェローについて

TOTOでは、100人を超えるスペシャリストの最高峰として3名のフェローを任命しています。

フェローは、TOTOのコア技術を担う、世界レベルの研究・開発職から任命します。企業価値・ブランド価値・業績向上に大きく貢献し、TOTOの技術力を象徴する技術者であることから、今後もフェローを筆頭に、世界レベルの技術者を育成し、ものづくり・人づくりにこだわるTOTOの精神を次世代にもつなげていきます。

TOTOらしいものづくりを支える「人づくり」

もの創りを支える「人づくり」においては、二代目の百木社長が残した「良き品物を作る前に良き人を作ること」の言葉を礎において活動しています。技術人財の人づくりにおいては、TOTOのもの創りに必要な技術を体系化し、これをもとに多様な施策を展開しています。技術区分として「技術専門知識」、「設計手法」に分けて、各々のニーズにマッチする技術強化プログラムや研修を企画・運営しています。また、「技術情報共有サイト」に、もの創りの情報を集約し、いつでもどこでも必要な技術情報にアクセスできるようシステム構築しています。

製造人財の人づくりにおいては、もの創り革新活動を下支えする人財の育成に向けて、階層別教育を体系的に行っています。


もの創り人財育成体系図(技術人財)

1.eラーニングの充実

eラーニングは、社員が身近に受講できるようにシステムを整え、基礎的な技術知識や手法を中心に2025年4月現在、34教材(109単元)を揃えています。専門技術者の監修によりすべてのコンテンツをより学びやすい内容にすると共に、各コンテンツの受講時間もピンポイント学習を可能とする短時間構成として、社員がより利用しやすい環境づくりを進めています。

2.演習主体の研修

2024年度の技術研修は、14のテーマを実施し、延べ667人、300時間実施しました。特に力を入れている品質向上の研修では、「知ることと実際にできることは別物である」という考えから、座学主体の研修を、演習主体の研修へと軸足を移し、研修前の事前課題⇒当日の演習主体の研修⇒知識定着のための事後課題という3つのステップを組み、研修で学んだことを確実に仕事で実践できるような取り組みを行っています。

3.実践活動とOJTを支援する仕組み

人づくりの鍵はOJTにあるという考えのもとで2つの取り組みを行っています。各部門の人財育成責任者がOJTを含む人財育成計画を企画・推進するとともに、全社横断の技術人財育成ワーキングを通して、各部門の技術者育成状況を共有・意見交換し、技術人財育成のレベルアップを図っています。また、専門性の高い技術や手法には、各部門に重要技術キーマンを置き、所属する部門内の社員をOJTするという仕組みにしています。


もの創り人財育成体系図(製造人財)

1.作業安全の取り組み

職場での作業安全について、安全第一の企業文化の定着を目指して集合教育の他、自職場設備でのOJTやヒヤリハット教育を実施し、労働災害の撲滅に取り組んでいます。

2.品質向上の取り組み

作業の標準化、変化点管理等、製造現場での品質維持向上に必要な知識を身につけるための教育を座学、OJT教育にて実施し、もの創りの品質を向上する取り組みを行っています。

3.生産性向上の取り組み

職場単位で各職場の課題を抽出して改善活動を継続的に実施するために、簡易自動化・DXなどの教育を通じて改善スキルを身につけ、生産性向上に取り組むことのできる人財の育成を行っています。

販売戦略を実現する人財育成

販売部門では環境変化を捉えながら販売戦略に基づいた必要スキル向上のために、職種別・階層別の育成体系を構築し推進しています。 将来のグローバル人財の創出と日本住設事業の更なる強化を狙い、組織の風土改革・人財の意識改革、またその強化のため、特に「マネジメント層」「初級から中堅層」「販売系グループ会社(販社)」の育成に注力しています。

集合研修やオンライン研修、1on1面談や自己啓発等、学ぶ内容や狙いに合わせて形式は様々ですが、重視しているのは社員一人ひとりの成長課題に合わせたサポートの実施です。また、研修実施後は、インプットした知識やスキル、気付きを定着させるために、上司の関わりを深めたりOJTと連動させたりするなど、受講者が学びを実務上でアウトプットしやすい仕組み・仕掛けづくりを図っています。

さらにビジネススキルやセールススキル、マネジメントスキルに加えて、財務・法関連・国策等の基本的な知識を身に付けるための教育も継続して行なっています。


販売部門全体の人財育成体系図

1.マネジメント人財の育成

2001年度より1年間の新任所課長育成を行なって参りましたが、将来、部長人財として活躍できうる人財を育成することを見据え、2021年度から2年間の育成プログラムを開始しました。

また、管理職が担える人財を早期に育成するために中堅社員を中心とした次期管理者の育成にも注力をしています。

2.初級から中堅人財の育成

TOTOグループ全体で行なっている「初級層を3年間で育成するプログラム」に、セールスとして必要な知識・スキルを付加した内容の育成プログラムを2004年より導入し、環境や戦略等に基づき、現在まで進化しながら継続実施しています。

2025年度からは、さらなる生産性向上を狙って、DXリテラシーの強化プログラムも追加しています。

また、専門業務であるショールームアドバイザーの教育にも注力し、入社時の接客マナー・商品知識習得のための研修や中堅層のリフォーム知識習得のための研修等も実施し、お客様のご要望にお応えできるショールームアドバイザー人財を育成しています。

商品施工研修
セールス研修
オンライン研修

3.販売系グループ会社(販社)人財の育成

TOTOグループとして日本住設事業を更に強固なものにするために、それぞれの会社で個別に行なっていた研修を2012年度より集約して実施しています。 日本全国の販売系グループ会社(販社)合同で研修等を行なうことにより、TOTOグループの一員であるという意識が醸成されるばかりでなく、求める人財像の統一化や受講者同士の情報交換・相互刺激等、大きな成果に繋がっています。

2025年度からは、初級層に対して、さらなる生産性向上を狙って、DXリテラシーの強化プログラムも追加しています。

社員一人ひとりの意識醸成に向けて
 -グローバルな人財

<日本>
日本では海外派遣の機会が、マネジメント層に集中していましたが、グローバル視点で判断できる人財の早期育成をねらいとして、海外のグループ会社への出向者を若手から公募する制度を実施しました。

<海外>
・部課長への育成
 海外グループ会社のキーマンである部課長に育成の機会を提供するために、中国およびアジア(ベトナ
 ム、タイ、インド、マレーシア、シンガポール)において、日本から講師の派遣やオンラインでつな
 ぎ、ビジネススキルの研修を実施しています。
・経営幹部の育成
 TOTOの経営戦略・経営判断を理解し、企業理念をベースに地域に根差した自社の意思決定を行うこと
 ができる人財を育成するため、海外現地経営幹部(2024年度 34名)に対し研修を実施しています。

育成と評価制度

TOTOグループ(日本)では、与えられた役割レベルに対して発揮できている能力・行動を評価する能力評価と上位目標を踏まえて自ら設定した目標に対し成果を評価する業績目標評価の2軸で評価しており、評価結果は、適正な処遇への反映、育成、活躍に繋げています。また、マネージャー層に対して、多面評価を実施しています。

●能力評価
役割ごとに設定されている能力定義書をベースに、評価およびフィードバック面談を実施しています。能力定義書は、職場ごとの専門能力と職場横断の共通能力で2つで構成され、各役割で求める能力・行動を定義することで個人が伸ばすべき能力・行動を明示化し、人財育成に繋げています。さらに、本人の成長をサポートするため、フィードバック面談を実施し、部下のモチベーション向上・成長促進や取り組むべき課題の明確化を図っています。

●業績評価

「上位方針(経営層や上司の目標)」と「本人が描くキャリア」を踏まえた個人目標を決め、その進捗や達成度合いに応じた上司からの評価およびフィードバックを通じ、本人のチャレンジと成長に向けたアクションを促すことを目的に実施しています。ポイントは上司と部下(本人)のコミュニケーションであり、期初の目標設定時や期末の評価時に加えて、期中においても、部下(本人)の業務状況に合わせてオンゴーイングに都度面談を実施し、社員一人ひとりの成長と組織の成果へ繋げています。

●多面観察
新任のマネージャーなどに対して、自分の行動が、本人と、上司や部下・同僚など、周囲の人にどのように受け止められているかの観察を受け、マネージャーの最大の役割であるマネジメントの状況を診断しています。観察結果を本人にフィードバックすることにより、自身の強み・弱みを知り、自身の行動を見直すことで、マネージャーの育成を行っています。(2024年度はTOTOグループ(日本)で780人が実施)

インセンティブ向上の諸制度

・業績連動型賞与制度
 業績連動方式を採用しているため、会社の利益を半期ごとに従業員に還元できる仕組みになっている。
 また支給額が個人の賃金ベースに算定されているため、各人の中長期的な貢献度合いも反映される制度
 となっている。

・公的資格取得奨励制度
 会社が指定する公的資格取得を通じた自己啓発・自己研鑽への意欲付けのための制度を実施していま
 す。

・社長表彰制度
 業務遂行上における成果や行動が社員の模範となる方、および、社会的に高い評価を得た成果、功績を
 上げた方に対し、表彰を行っています。受賞者のモチベーション向上並びに、社員の模範となること
 で、周囲の意識改革に繋げています。
 また、海外グループ会社においても実施し、受賞者のモチベーション向上、および、一体感の醸成と
 企業理念の浸透に繋げています。


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