この30年間でインターネットが普及したり、ポケベルから携帯電話、そしてスマートフォンへと世の中は大きく変化しています。トイレにおいても、温水洗浄便座(TOTOの商品名は「ウォシュレット®」)の普及で「おしりを洗う」ことが当たり前となりましたが、便座の下の「便器」も、この30年間で大きく進化していることをご存知でしょうか?
皆さんが毎日使っている便器の多くは、お皿やお茶碗と同じ“陶器”、セラミックスの仲間です。トイレを流すのに30年前は1回あたり13リットル(※1)の水が必要でしたが、今では少ないもので3.8リットル(※2)と、“3分の1以下”の水量まで節水が進んでいます。
※1:1994年まで販売していたCSシリーズ
※2:ネオレストシリーズ(床排水)など
TOTOの大便器における洗浄水量の変遷
TOTO初の節水便器「CSシリーズ」(大洗浄13リットル)
※『TOTO総合カタログ1977』1977年1月発行より
約30年前にTOTOへ入社した3人の開発者は、節水便器に欠かせない「2つのコア技術――セフィオンテクト、フチなし・トルネード洗浄」を開発したことで、第6回(2021年度)「日本セラミックス大賞」を受賞しました。
「節水便器 開発秘話」では、便器の変革期を歩んできたこの3人に、開発当時の苦労や、今後の展望を3回に分けて聞いていきます。
第1回目は、節水便器の進化が加速した1990年代にフォーカス。6リットルでしっかり流せる便器の開発に成功したTOTOは、進出間もないアメリカでブランド価値を大きく高めることができました。開発の鍵となったのは、“見える化”でした。
6リットルのワンピース便器の透視図
※TOTO U.S.A.のカタログより
本原稿は、TOTOがこれまでに公開した「節水トイレ 開発秘話」の冒頭部分を再編集したものです。
※記事内容は、掲載時点での情報です。
TOTO社員のSDGs活動をご紹介「限りある水資源を守り、未来へつなぐ」
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