「きれい除菌水」はきれいを長く保つTOTOのクリーン技術の一つです。「ウォシュレット*」(トイレ商品)に加え、キッチン、浴室や洗面商品などにも展開されています。
「きれい除菌水」の誕生秘話とウォシュレットに搭載されるまでの開発裏話を、水質調査の研究者(TOTO社員)を通してお届けします。
*「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です
◆ 水から作られ、水に戻る「きれい除菌水」とは
新型コロナウイルス感染症の拡大時期、次亜塩素酸水があちこちに置かれているのを見かけたことがありませんか。次亜塩素酸を含む水は菌の繁殖を抑制し、ウイルスの不活化にも効果があることがわかっています。
実は、塩水を電気分解して次亜塩素酸を含む水を作る技術は、「きれい除菌水」開発前にすでに存在していました。この技術を家庭用として取り入れることができたらもっと多くの人に「ウォシュレット」の清潔性を知ってもらえるんじゃないか……そこから「きれい除菌水」の開発がスタートしました。
「きれい除菌水」は水に含まれる塩化物イオン(Cl⁻)を電気分解して作られる除菌成分(次亜塩素酸)を含む水で、汚れのもとになる菌を除菌し、きれいを保ちます。薬品や洗剤を使わず、水から作られています。
家庭用に応用するには、TOTOは塩水ではなく、一般の家庭で使用されている水を使うことにこだわりました。薬品を加えたりカートリッジの交換をしたりしなくても、蛇口から出てくる水を原料として次亜塩素酸が含まれた水を作りたかったのです。日本のどの地域の水でも同じ効果が得られることも実現したいことでした。
◆ 全国の「水道水」を調査
実は、水道水は含まれるミネラル分や塩化物イオンが各地域で異なっています。そして、水道水の電気分解にはこのミネラル分や塩化物イオンが大きく関わります、そのため全国の水質を徹底的に調査することにしました。日本に存在する約6,000箇所の浄水場の水質データの調査を手始めに実際の地域での水質調査、そして開発中の実機による耐久実験というステップを踏みました。
◆ 電極小型化の実現
「ウォシュレット」への除菌水機能搭載に向けては、電極の小型化にも苦労しました。「ウォシュレット」はさまざまな機能の部品がギュウギュウに詰まっています。また、「ウォシュレット」はスリムなデザインにこだわっているので、大きな電極では「ウォシュレット」の形状そのものを変えることになるため、電極の小型化は必須だったのです。
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