営業として一段成長したと感じたのは、エリアグループに配属されて3年経った頃でした。TOTOには新入社員を対象とした3年間の育成プログラムがあり、その最終段階で「お取引先様の実績向上を目標に活動し、結果を報告する」という課題が与えられました。そこで私は、入社1年目からお付き合いのあるガスルート(都市ガスやLPガスの販売を主に、リフォーム事業も手がけている会社)のお取引先様にアプローチしました。事業所の責任者の方に現在の課題や今後の業績目標などをヒアリングし、受注単価と成約率の向上が必要だと見極め、当社のショールームの活用を提案しました。私たちが持つ分析データも使ってこの取り組みの効果を説明し実施した結果、短期間で目標に達したのは自分でも驚いたほどです。これを機に、御用聞き的な営業から、お取引先様の利益のために何ができるかを考え実行する、TOTOが本来貫いている営業姿勢を意識できるようになりました。


入社してから現在まで、主に担当しているのは木建ルート(床材、壁材といった建材などの販売を行うお客様)のお取引先様です。異動して2年目に入り営業活動のポイントもつかめてきました。基本的には以前勤務していたエリアグループ時代と変わらないのですが、販売会社様のキーマンと信頼関係をしっかり築き、ハウスメーカー様や工務店様など元請の方にTOTOの採用を働きかけていただくことが重要となります。「販売会社の○○さんのお勧めなら」と、元請の方から施主様への提案につながることが少なくありません。一方、販売会社様との関係構築が進まない場合は、元請の方に商品の魅力を訴求して「TOTOにしたい」と販売店様に働きかけていただくこともあります。エンドユーザーである施主様に直に営業できないもどかしさはあるものの、その間のさまざまな関係者を巻き込み、より多くの方々にTOTO商品の良さを実感していただくことに大きなやりがいを感じています。
初めてのことなので不安も多く、就職活動中には就活本などを読んで面接の参考にする方も少なくないと思います。ただ私の経験からは、自分がこれまでやってきた中で一番伝えたいことを、素直に話すのが良い結果に結びつくと思います。「こういう話の方が受けそう」と考えた受け答えより、正直な話の方が相手の心に響くものです。また社会に出ると、一人でできることはそれほど多くないことに気づかされます。就職活動でも必要に応じて先輩や友達を頼れば、より充実した活動ができるのではないでしょうか。