自ら率先して実行し、成果が出てくると仕事はおもしろくなります。そのことを実感したのは購買実務を担当する部署に異動した2年目のことでした。
当時の私は生産設備の補修品を購入する担当でしたが、ある部品は特定のメーカーからの購入が長年続いており、コストが高止まりしている状態でした。この状態を変えようと、私が狙いをつけたのは中国でした。学生時代に身に付けた中国語を活かして中国のメディアを利用しつつ、これまで付き合いのない商社の情報網を活用したりなどして、既存品と同等の品質で、機能上も代替可能な設備部品を供給できる中国メーカーを発掘したのです。
しかし、部品メーカーの変更は万が一の生産影響を考えると、特に設備を実際に使うエンジニアの方々は慎重になります。この時も「この部品で本当に設備が動くのか」と懐疑的でした。そこで先輩やメーカーと頭を悩ませながら、機械の心臓部に当たる部品ではなく、まずは周辺の小さな部品から使ってもらい、その品質にも十分に納得してもらえる環境をつくりながら進めていくことにしました。その結果、競争力のある新規メーカーの導入に成功し、コスト削減を実現することができました。
このように既存品よりも優れている、あるいは同等の品質・機能でコストを低減できる商品がないかを探して提案し、品質向上やコスト削減などの成果を上げていく。それをやり遂げた時の達成感はひときわ大きなものです。