最初は製造現場にも入り込み、衛生陶器の製造工程や、良品のための工夫などを学びました。衛陶生産本部に配属され、その後6年間、一貫して海外向けのトイレ開発に携わっています。最初に担当したのは大便器の流路設計です。グローバルなテーマである「節水」の技術に取り組む、手応えのある開発で、私が先輩と一緒に担当したのは性能を上げる形状検討でした。難しかったのは、国によって規制や法律が異なることです。そのためできるだけ多くの条件を満たす流路を見出すべく、カーブの形状を変えてのシミュレーションを繰り返しました。また、洗浄力の強いトルネード洗浄という洗浄方式を選択したことにより、水流の勢いによるあふれや飛沫を抑えるための流量と節水のバランスにも苦労しました。しかしそれらの課題を乗り越え、完成した商品を世界で発売できたことは大きな自信になっています。