TOTO株式会社 フェロー 技術職
北角 俊実
工学部 建築工学科 1990年入社
北角 ずっと変わらない価値観と、新しいものを取り入れていく価値観が同居している会社だと思う。親切が第一とか、お客様満足が大事とか、品質へのこだわりなど創立者から引き継がれている理念は、DNAとしてテコでも動かない。ものすごくまじめな会社。一方で、誰かが本気で新しいことを提案したとき、それが会社の理念に沿ってさえいれば、やってみれば?と、応援してくれる、足を引っ張ろうとする人がいない。そういう先人の努力で培われた社風には、本当に感謝している。これらを次の世代につなげていくのが、われわれの役割だと思っている。
北角 TOTOにはスペシャリスト制度といって、部長や課長といったゼネラリストの道の他に、高度な技を持って一定の成果を残した研究者や技術者、技能者を認定する制度があり、そのスペシャリストの最高位。TOTOには現在、スペシャリストが100人以上在籍していて、フェローは私を含めて2人。高度な研究・開発活動を実施しつつ、ものづくりを通じて関連技術の社会的な発展に取り組むことが役割。いまの夢は、後に続く人に仕事をいまよりもっと面白く感じてもらえるようなアクションをとっていきたい。社外にももっとオープンになって、みんなが我先にアイデアを持ち寄ってカタチにしていく会社にしていきたいと思っている。
北角 これからは、日本が得意としてきたマスプロ、つまり量産品の意味合いが大きく変わっていく。それに応じてメーカーで働く人間は、従来の価値観や考え方を変えていかなければいけないと思っている。資本主義社会における大きな原動力である「儲ける」についても、意味を持たなくなるとは言わないが、ウエイトは減ってくる。他社と比べてどうかという価値観から、社会との共存、社会貢献への軸に変わってくる。現にすでに変わってきていると思う。 今までの会社が「枠」だとすると、これからは「枠」ではなく「軸」になっていく。会社は同じ理念や哲学を持つ“構成員”の軸になるイメージ。“構成員”というのは、社員だけではなくて、専門家、関心のある人、社会とかコミュニティにも開かれていて、もっとオープン。その時々の“構成員”がその軸を使って社会にいかに貢献していくか、価値を生み出していくかが課題だと思う。
北角 今後、社会の価値観が変わる中で求められるのは、物事の本質を見極める能力だと思っている。物事について、表面には見えない一歩深いところまで好奇心をもって知りたいと思っている人、点と点を結びつける能力を持っている人、またそのための努力は惜しまない人には、特にこれからの社会で活躍できると考えているし、ぜひTOTOグループに来てほしい。 若いみなさんの持てる時間・能力・可能性を、TOTOグループという器を利用して「価値」へと変換し、社会に還元してほしい。
北角 大学は建築学科。子どもの頃からもの創りが好きで、もの創りに近いかなと思ったから。授業では、専門科目だけは勉強した。大学で身につけて社会人になって役立ったのは、「乗り切る力」。実験、課題、試験。大量にあったが、あらゆる資源を使って、教授、先輩、後輩を巻き込みながら、もらうだけではなく、自分も人の役に立ちながら乗り切っていくというのは、大学で身についたと思っている。 当時の趣味は、バイクと車。遠くまで行くのではなく、いじりたい専門(笑)車は工業製品として、いろいろな知識の集大成でできている。機械、材料、電子、制御、ボディ塗装、材料工学・・・レベルが高い知識の寄せ集め。それに気づいたのは、社会人になってユニットバスの設計を始めたころ。好きで車をいじっていたときの知識が結構、ユニットバスに応用できた。好きなことは、とことん追求していくと、いつかどこかで役に立つと思う。
北角 目的を正確に把握すること、クソ真面目ではなくてもいいのでちゃんとやること、そこに何かしら自分なりの工夫を加えること、の3つ。目的を正確に把握するというのは、新人のころの右も左もわからない頃はとにかくやってみることも重要だが、ある程度できるようになったら、目的なくやるのは仕事ではなく、ただの作業。許された条件、期限、用途、によって仕事の内容は全然違うはず。 次の、クソ真面目ではなくてもいいのでちゃんとやるというのは、適当に流さないで自分の中でちゃんとやろうとしないと仕事はつらい。前の話にも通じるが、作業になるとつらい。気概を持ってやらないと仕事ってうまく進まない。よく「仕事が人を作る」と言われるが、この仕事というのはちゃんとやった仕事のこと。適当に流した仕事は何万年やっても何も生まないと思っている。 最後の、何かしら自分なりの工夫というのは、仕事を通じて成長するための極意。改善意欲、自分の中で要求されたことに少しでも自分の工夫を加えて目的に合致しようとする努力をする、それを積み重ねていくことが必要。「彼/彼女はいつも期待をちょっと上回るよね。」となると信頼感になるし、次もこの人に頼もう、一緒に仕事がしたいとなる。結果として段々階段を上っていく。例えば、データまとめを頼まれたとき、目的に合わせて該当項目を少し大きな文字にして目立たせようとか、その資料を使うのが年長者であれば、色のコントラストをつけて見やすくしようとか。それを癖づけしていくと成長につながって、自分がどんどん良い方向に向かっていくと思う。
北角 全部(笑)。強いてあげれば、さまざまな事柄のバランス取り。家庭でお客様が使う工業製品は、1点もののカスタマイズではないので、多くのお客様にできるだけ満足して使っていただくことを目指して開発する。一方、開発するわれわれは、長年水まわりのことを専門に考えているプロなので、自分たちの理想は現実のはるか上のほうにある。そういう意味では、実際の開発において、コスト、生産性、デザインなどの相反する項目を成立させるために、自分たちの理想に対しては妥協をしないといけない点がでてくる。全部の要素を俯瞰して、重みづけで強弱付けてバランスをとらないといけない。そういう「高度な妥協」をしつつ、多くのお客様に満足していただく。これをやるには物事を深く考えないとできないので、毎回苦労している。 でも、そうして苦労して生まれた商品は、みんな我が子のようにかわいい。かわいい我が子が、日本中、世界中でお客様の生活を快適にしたり、地域の環境に貢献したりするので、やめられない(笑)
TOTO株式会社 フェロー 技術職
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