特集1/インタビュー

セキスイハイム

―― 91年のこのスケッチ4はちょっとイメージが違います。
藤森 ああ、これは全然違う理由でやっていました。前に住んでいたセキスイハイムM1をそのまま使おうとして。建て替えの最中にどこに住むかという大問題があって、場合によってはここに住みながらやるというわけ。これだけ異様ですよね。考えたけれどやっぱりだめだった(笑)。
―― で、すぐ戻られたけれど、これは大地っぽいですね。
藤森 スケッチ5は大地っぽいのとベランダを付けたいのと両方思ったんですよ。冬は閉じてサンルーム、夏は開ける。明治の西洋館が編み出したやり方ですね。
―― 途中でこれに列柱(スケッチ6)が出てきますね。これはヨーロッパの回廊ですか。
藤森 ベランダですよ、回廊じゃなくて。
―― 桐と指定されていますが。
藤森 桐が長野の実家にあったからじゃないかな。それと自分で削ろうと思ったんです、明らかに。桐は軽くて自分で加工できる。
―― こういう大地的なにおいはしているけれど、構造は全部コンクリートで考えていらした。
藤森 最初からコンクリートだったと思います。木造も考えましたけれど、土化したときから、もうコンクリートだった。そこに桐。やわらかくて好きなんです。やわらかい木を自然のままに並べたいという感じだったんじゃないですかね。
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