特集3/座談会

夜中のファクスで始まって 川上恵一 ホームページへ

指導教官としての出会い

―― お三方は藤森照信さん設計の建築に協同設計者としてかかわっていらっしゃいますね。まず、藤森さんとの出会いから語っていただけますか。
内田祥士 指導教官でした(笑)。指導教官が仕事を頼んでくるというのも不思議な……。規模が小さいから僕でいいと思ったんじゃないでしょうか。最初の「神長官守矢史料館(※1)」(以下「神長官」)です。
大嶋信道 内田さんは藤森研究室のときに実測調査をされたそうですね。
内田 ああ、しました。
大嶋 私が聞いている話では、そのとき、みんな建築科の学生だから形は描けているけれど、内田さんのは実測のレベルが違っていたと。中の構造まで全部わかって描いて、それをまわりの学生に解説してくれていた。そういうところから技術者としての腕の確かさを、先生は見ていたんじゃないですか。
内田 藤森先生がそんなことを言っていたの。聞いてないなあ。
―― うれしい話ですね。
内田 じゃあ、そういうことにして(笑)。僕は大学を出て5年、増沢洵さんの設計事務所に勤めて、その後、もうちょっと勉強したいと思って大学院に入ったんです。だからほかの学生よりは現場の経験はありましたね。20代末でした。
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