

国土交通省が、男女問わず誰もが快適に使えるトイレ環境の実現に向けて基準見しを進めるなか、TOTOは「行列しているトイレに関するヒアリング調査」を実施しました。女性トイレの混雑は、施設の満足度や購買意欲にも影響を与える重要な課題です。本調査では、施設の来店者が女性トイレの混雑をどう感じ、その対策が施設の価値にどう影響するかをまとめました。
本調査によると、商業施設の女性来店者の約6割が、ショッピングの途中でトイレに立ち寄っています。また、来店者の約94%が「トイレで並んで順番待ちをしたことがある」と回答しており、一般的な商業施設の女性トイレでは行列や順番待ちが常態化していることがわかります。
ではなぜ女性トイレは混雑しやすいのでしょうか。来店者からは行列が発生する主な要因として、「トイレの個室数の不足」(83.9%)だけではなく、「特定のトイレへの集中 」(28.6%)や「トイレの個室内での滞在時間の長さ」(22.6%)が挙げられました。施設全体でみると個室数に余裕があったとしても、例えば出入り口付近など便利な場所にあるトイレは局所的に混雑しがちです。このほか飲食店のあるフロアのトイレに、ランチタイム前後の利用者が集中してしまう、といった特定の時間帯の混雑も考えられます。また、女性の場合はトイレで化粧直しをしたり、衣服を整えたりと身だしなみを整える場としても活用されているため、混みやすくなるといった事情もあるでしょう。
こうした需要と供給のミスマッチの解消には、改修工事のほかにソフト面でのアプローチも有効です。近年では、比較的空いている他フロアのトイレへ誘導するサイン計画や、デジタルサイネージやスマートフォンなどでトイレの空き状況や待ち時間を知らせるサービスを導入している施設も出てきました。


本調査で、トイレの行列対策を実施している施設に対する印象を尋ねたところ「利用客への思いやりがある施設だと思う」との回答が6割と最多でした。
次いで「先進的な施設だと思う」「時代に合っている施設だと思う」が3割と続きます。何らかの形で行列対策をしている施設は来店者から好印象を持たれやすく、競合施設との差別化に貢献する可能性があります。
また本調査で、「利用したいトイレの決め手」を挙げてもらうと、「待ち時間が少なくスムーズに利用できること」は全世代で2位とニーズが高く、トイレをスムーズに利用できることが重視されています。このほか、10代、20代の若者世代では「設備が新しいこと」や「パウダーコーナー(化粧直し場)があること」を重視する傾向にあった一方、50代以上の中高年層になると荷物置きなどを求める声が大きくなっていました。施設や各フロアの来店者傾向に合わせた細やかな対策をすることで、満足度を高めることができるでしょう。


お気に入りに保存しました