

近年、環境意識の高まりや電気料金の高騰を受けて、省エネへのニーズが一層高まっています。これらの声に応えるべくパブリック向け中級グレード商品として開発されたのが、環境性能に優れた瞬間式の『ウォッシュレットPP』です。革新的なアプローチについて、開発者に聞きました。
── 中級グレードの『ウォシュレットPP』で瞬間式を採用することになった経緯を教えてください。
岡田●現在パブリック現場で稼働している中級グレードのウォシュレットは「貯湯式」が採用されています。しかし連続で使うと湯切れが起きる点が課題となっていました。近年、環境意識の高まりと電気料金の高騰に伴い、省エネでランニングコストを削減できる商品のニーズが一層高まっていました。こうした声に応えられるウォシュレットを中級グレードでも実現したい。それが今回の開発の出発点でした。
── さまざまなパブリックトイレの現場に設置するうえで、どのような課題がありましたか。
後藤●オフィスビルなどパブリック現場の多くは20Aのブレーカーで電源回路が構成され、1つの回路に複数台のウォシュレットを接続していることが多いです。既存の瞬間式は、お湯を作るために約1250Wの電力を消費します。おしり・ビデ洗浄の使用時間は短いものの、複数台を同時に使用するとブレーカーの容量を超えてしまいます。複数台を同時使用するためには、おしり・ビデ洗浄使用時の消費電力を約600W以下にまで抑える必要がありました。そこで導き出したのが「ウォシュレットで使うお湯の量を抑えて、水を温めるエネルギーを最小限にする」というアプローチです。
岡田●現行製品でもすでに節水に取り組み、洗浄水量は毎分430mLにまで減らしていますが、今回の『ウォシュレットPP』では毎分250mLに挑みました。実質、約42%の削減になります。
TOTO独自の『エコウェーブ洗浄』で
流量430ml/分→流量250ml/分を実現!
■脈動水流
押し出す水の速度を変え、先に出た遅い水に、後から出た速い水がおしり付近で追いつくことで大きな水玉を形成する
■エアイン
水に空気を含ませることで、少ない流量でもたっぷりした洗浄感に貢献
── 水量を減らしながら洗い心地を維持するために、どんな工夫をしたのでしょうか。
高田●水玉に気泡を混入させる「エアイン」と、水玉を時間差で射出する「脈動水流」というTOTOの独自技術を組み合わせて、毎分250mLという少水量でありながら、しっかりした洗い心地を生み出す『エコウェーブ洗浄』を実現しました。
これらの技術は既存商品の一部でも活用されていますが、流量を抑えると水の動きが変わるため、空気の含み方やポンプ制御を『ウォシュレットPP』に最適化していく必要がありました。流量のばらつきを細かく検証し、ノズルの先端にある吐水穴の形状、そして空気を吸い込む穴とのバランスを何百回もの試作を通じてミリ単位で調整した結果、少ない水量でたっぷりとした洗い心地が実現しました。
高さを抑えたウォシュレット本体に収まるように湾曲させたノズル形状。また、水玉が最も効果的な位置で理想的な形を維持できるよう、ポンプの駆動間隔を微調整して最適化している。── このほかに電力抑制のための工夫はありますか。
後藤●冬場や寒冷地など水温が13.5℃を下回る場合は、流量を毎分180mLまで絞り込む制御を行っています。このほか、おしり・ビデ洗浄を使用している間だけ、便座ヒーターへの電力供給を抑制しています。これらの細かな電気の削減をトータルで組み合わせることで、最終的な消費電力を532Wにまで抑え込むことに成功しました。当社の全国の営業拠点の社員の協力のもとオフィスや自宅に試作品を取り付け、北から南まで異なる水温・水圧の条件下で検証。快適に使用できることを確認したうえで、ウォシュレットPPに落とし込んでいます。

── どのような水まわりを実現していきたいと考えていますか。
岡田●貯湯式の湯切れや保温にかかるランニングコストに課題を感じていた事業者さまに対して、この商品は設置環境の電気工事を必要とせず、そのまま置き換えられる選択肢になると考えています。新設の現場はもちろんのこと、既存の貯湯式の更新を検討されている事業者さまや、環境負荷・コスト削減でお悩みの事業者さまには、ぜひ『ウォッシュレットPP』をご検討いただきたいですね。
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