


天王寺ミオプラザ館
JR天王寺駅直結の商業施設。1962年に天王寺ステーションデパートとして開業し、94年にステーションプラザてんのうじに大規模リニューアル。2011年に天王寺ミオ(現・本館)と合併し、天王寺ミオプラザ館へ名称変更。アパレルやコスメ、飲食店など多彩な店舗で人気。
多くの商業施設が頭を悩ませている女性トイレの混雑対策。大阪・JR天王寺駅の駅ビル「天王寺ミオプラザ館」は、M2階(中二階)の女性トイレの面積・個室数を倍増させる大胆な改修で、混雑緩和に成功しました。
「M2階は駅に直結している利便性の高さから、天王寺ミオプラザ館の玄関口の役割を担っています。昔は物販ゾーンでしたが、近年のお客さまの需要やトレンドの変化を受けて、2018年ごろからお酒や食事が楽しめるフードホールを中心とした飲食フロアへリニューアルしました。その結果、お客さまの滞在時間や行動が変わり、女性トイレを利用するお客さまが大幅に増えてきました」
施設を運営するJR西日本SC開発の眞田隆司さんはこう話します。
「改修前のM2階の女性トイレは個室数が3室。飲食フロアのトイレとしては数が少なく、土日や夕方の時間帯にはすぐ上の2階のトイレにまで行列ができてしまうほど混雑し、お客さまからの改善を求める声が寄せられるようになっていました。もともとM2階のトイレは前回の大規模改修から30年近く経過し、配管などの更新時期に来ていました。せっかく大規模改修をするなら、設計から見直して、女性トイレの混雑を抜本的に解消しようと考えたのです」
同社の伊藤款さんは、改修の経緯をこう説明します。
改修では、女性トイレに隣接する男性トイレを取り込んでスペースを拡張。個室数を従来の3室から6室と倍増しています。空間に余裕ができたおかげで、独立したスタイリングコーナーを設けることもできました。飲食の後に身だしなみを整えたいという女性客のニーズに対応しつつ、手洗いをする人と化粧直しをする人が重なって洗面台が混み合うことがないよう配慮した設計となっています。
一方男性トイレは、女性トイレの向かい側にあった防災センターの休憩室スペースを使って新設。個室数を1室から2室へと増やしました。
ただ、スペースは確保できても「実際の設計や施工では駅直結ビルならではの難しさがあった」とNIXIAエンジニアリング事業部部長の安田昌弘さんは振り返ります。
「M2階は天井が低く、床下が駅の自由通路にあたるため階下に影響する工事が難しくなっており、床と天井の隙間をミリ単位で調整する現場対応が求められました。例えば男子トイレは床下に排水管を設置できないため横引きにし、2室ある個室のうち1室は出入り口付近に設置するなど、設計や施工の工夫で課題をクリアしています」
JR西日本SC開発の平田航大さんは「トイレのレイアウトとしてはセオリーどおりではありませんが、混雑解消を望むお客さまの声に応えられるよう意思決定しました。また設備に関しては大阪にあるTOTOテクニカルセンターで実際の仕様などを確認し、今後10年、15年と使うことを考え、お客さまの利便性につながる設備選びを心がけました」。

01:女性トイレは個室数の増加に併せて、洗面スペースを広げて自動水栓を3台設置。待たずに手洗いしやすく、混雑の緩和に貢献する。
02:スタイリングコーナーはLEDライトで、顔を明るく照らす。棚の下には手荷物をかけられるフックもある。
04:トイレは連続洗浄が可能なフラッシュバルブ式で、混雑緩和に貢献。壁掛け式なので床の掃除がしやすく、清掃担当者から「キレイを保ちやすい」と評判。

03:個室の出入り口は洗面スペースの鏡と真向かいにならないよう配置をずらし、目線が重ならないように配慮した。

05:シャープなラインがすっきりとした印象の小便器。床にはにおいの原因となる菌の発生を抑えるハイドロセラを採用した。

06:洗面カウンターには自動水栓・自動水石けん供給栓を設置しているので、水栓に手を触れずに清潔に手洗いができる。

07:家族連れに配慮し、男性トイレの個室にもベビーチェアを設置している。
08:飲食フロアからトイレの場所がわかりやすいよう、通路の入り口にトイレサインを掲示した。
09:女性トイレはパーティションにすりガラスを使っているため、出入り口付近が明るく、人の気配が感じられる。
10:通路奥にあるトイレ入り口を見落とさないよう、トイレサインを大きく配置している。



| 名 称 | 天王寺ミオプラザ館 |
| 所 在 地 | 大阪市天王寺区悲田院町10番48号 |
| 施 主 | JR西日本SC開発株式会社 |
| 設 計 | 株式会社NIXIA |
| 施工(改修) | <建築>株式会社ウエタニ <設備>株式会社NIXIA |
| 構造・規模 | 鉄骨鉄筋コンクリート造(一部S造、RC造)地上10階地下4階 |
| 敷地面積 | 8738.82㎡ |
| 建築面積 | 6111.40㎡ |
| 延床面積 | 37497.10㎡ |
| 竣工年月(改修) | 2025年9月 |
| 壁掛大便器セット・フラッシュバルブ式 UAXC1CR2B1#NW1 | マーブライトカウンター MKWDC3000DPA32CムY/MKWDC1650CPA32BL |
| ウォシュレットPS2 TCF5534P#NW1 | 棚付二連紙巻器 YH702 |
| ベビーチェア平面設置タイプ YKA15S | LED照明付鏡 EL80015/EL80019 |
| クリーンドライ吸引・高速両面タイプ TYC430WJ | 壁付自動水栓 TENA125A |
| 自動水石けん供給栓(1連用/2連用) TLK06S01JA/TLK06S02JA | ハイドロセラ・フロアPU(薄型) AB690BRT021U5#HBA/AB690BRT021U6#HBA |
| 全身鏡(300×1500) YMK50K | シングルフック YKH52AR |
| マイクロ波センサー壁掛小便器セット XPU22B | 小便器用手すり T115CU3R#NW1 |
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