


東芝デバイス&ストレージ株式会社
ストレージプロダクツ事業部
本店は神奈川県川崎市。東芝グループにおいて半導体事業とストレージプロダクツ(HDD)事業を展開。ストレージプロダクツ事業部は1967年にHDD事業へ参入し、現在は世界唯一の日本のHDDメーカーとして、大容量・高信頼性HDDの開発・製造を通じ、生成AIやデジタル社会を支えている。
薄暗く古さの気になるトイレから、明るく心地よい休息の場所へ──。東芝デバイス&ストレージ株式会社の横浜拠点では、老朽化したトイレの大規模リニューアルが進行しています。
「トイレでリフレッシュした後は、また仕事への意欲を出せる。そんな場所にしたいと考えました」。こう話すのは、一連の水まわり改修プロジェクトに携わっている同社ストレージプロダクツ事業部の岡村真美さんと小島遼大さんです。
横浜拠点は東芝横浜事業所内にあり、HDD事業における設計・開発をはじめとした中核機能を担っています。合計6カ所の建物のなかでも、企画・営業・生産技術部門などが入っている301号棟は築43年が経過し、老朽化に直面していました。建物全体で働きやすい環境整備を進めるなかで、近年力を入れてきたのがトイレや給湯室を含めた水まわりの一体的な改修です。岡村さんたちは他事業所を見学に行くなどして、快適な水まわりのあり方を研究。社員の声に耳を傾けながら改修計画を練っていきました。水まわり改修は最上階の4階からスタートし、3階、2階と順次進めています。
「清潔感や安全性は大前提です。せっかく改修するなら、無機質な空間にするのではなく、気持ちが明るくなり、仕事に向き合う意欲がわくような空間を目指しました」と岡村さんは話します。

男性社員の比率が高いストレージプロダクツ事業部ですが、近年は女性社員が増加しつつあります。特に横浜拠点は本店から企画や営業などの機能が移転したことで、女性社員の割合が高まっているそうです。こうした事情を踏まえ、女性トイレはこれまで以上に細やかな配慮を重ねました。
そのひとつが空間デザインです。洗面カウンターの壁には、フロアごとに異なる模様のモザイクタイルを採用。透明なガラスが光を反射して、空間全体にまるでジュエリーをちりばめたような華やかさを演出しています。
「イメージしたのは、宝石箱のように光があふれる空間。社員一人ひとりがキラキラと輝く存在だからこそ、そんな社員が過ごすのにふさわしい空間を目指しました」と岡村さんはコンセプトを説明します。初めてトイレに足を踏み入れた女性社員からは「まるでホテルのトイレみたい」と歓声が上がったそうです。
このほかにも、細やかな気配りが行き届いています。手洗いカウンターにはLED照明付きの鏡を導入。また昼食後や帰宅前にはゆっくりとメイク直しができるように、手洗いカウンターとは別にスタイリングコーナーも設置しています。
「TOTOさんからの提案を受け、4階トイレでLED照明付きの鏡を初めて採用したのですが、社員から『顔がよく見える』と非常に評判が良く、1~3階のトイレにも設置することを決めました。また3階からは手洗いカウンターの横に仕切りを設けて、スタイリングコーナーの独立性を高め、隣の視線に配慮しています」
広めの個室ブース内には着替え用のフィッティングボードを完備しており、ちょっとした着替えに重宝されています。また小物を収納できる専用棚を造作した点もこだわりのひとつ。
「化粧品や生理用品など小物の出し入れが多い女性にとって、小物入れはやはり必須の設備。以前は簡易ロッカーを置いていましたが、見た目が悪いし使い勝手も悪かったので、造作棚を採用しました。スッキリ収納できますし、使いやすくなりました」
03:【3階女性トイレ】仕切りを作ってスタイリングコーナーを独立。鏡の両サイドのLEDが顔を明るく照らす。
01:台形模様を組み合わせた幾何学的パターンのモザイクタイルが、空間を華やかに演出している。

02:小物入れを造作しておくことで見た目にもスッキリと収まっている。

04:着替えが必要になるシーンを想定し、女性トイレにはフィッティングボード付きの個室を用意した。

05:洗面カウンターは鏡に近づきやすいコンパクトな奥行き。手洗いをする際に手荷物を置いておける棚もある。
一方の男性トイレは、黒色を基調としたシックなデザイン。過去の改築では男性トイレが二部屋に分かれるつくりになっていたため、今回の改修で1カ所に集約。総面積は減少しましたが、必要な便器数はしっかり確保しています。また設備や設計の工夫によって、きゅうくつさを感じさせない空間が実現できています。
例えば個室にはパブリックコンパクト便器を採用しています。この便器は奥行きがコンパクトであるため、限られたスペースでもゆったりと立ち座りできます。また折りたたみ型のドアを取り入れたことで、出入りもスムーズです。
「扉を外開きにすると危ないし、内開きでは扉が体にぶつかって出入りしにくくなります。折りたたみ型の扉にすることで、使いやすく、しかも安全に個室に出入りできるようになりました」と小島さん。

06:小便器は仕切りで区切ってプライバシーに配慮。汚垂れ石には汚れにくく、いやなにおいがしにくいハイドロセラを使っている。
07:個室ブースにはコンパクトな便器と折りたたみ型のドアを採用。
10:4階に設置した多機能トイレは、車いすでも出入りできるゆったりとした設計。
08:深いボウルでしっかり手洗いできる洗面器。
09:新しくなった給湯コーナーにはカフェテーブルがあり、コーヒーを飲んでひと息つける休息の場となっている。トイレスペースを整理したおかげで、手狭だった給湯室を拡張することもできました。古い給湯室は2人でいっぱいになっていましたが、リニューアル後はコーヒーを飲みながら社員同士で軽い雑談を交わせるコミュニケーションの場になっています。また4階には車いすでも入れる多機能トイレを、2階には性別にかかわらず利用できるだれでもトイレを新設し、多様な働き手に配慮しています。
「生産拠点を置いているフィリピンからの海外出張者も多く、また65歳までの雇用延長に伴ってシニア社員も働いています。国籍・年齢・性別を問わず多様な社員が活躍する当社だからこそ、誰もが安心して使える環境整備は不可欠。その意味でいえば、トイレや給湯室は、すべての社員が利用するオフィスの共通インフラです。そこをきれいに整備することは、会社が社員のことを大切に思っているという明確なメッセージとなるはずです。採用活動を行ううえでもプラスになると思います」と岡村さん。
「今回実施したレイアウト変更を含む大規模なトイレ改修は、横浜事業所にとってこれまでに例の少ない取り組みでした。限られた予算やさまざまな制約のなかにあっても、関係者の知恵と工夫を結集することで、機能性と快適性を兼ね備えた価値ある空間づくりを実現することができました」と、東芝施設技術担当の河北侑也さんは話します。
新しい水まわりは、社員が毎日前向きに、そして誇りを持って仕事に専念できるオフィス環境の土台を支えています。




| 名 称 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 301号棟(東芝横浜事業所内) |
| 所 在 地 | 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 |
| 施 主 | 東芝デバイス&ストレージ株式会社 |
| 設計・施工(改修) | コマニー株式会社 横浜営業所 |
| 構造・規模 | 鉄筋コンクリート造 地上4階 |
| 敷地面積 | 2,573.3㎡ |
| 建築面積 | 1,534.49㎡ |
| 延床面積 | 6,142.50㎡ |
| 竣工年月(改修) | 2025年6月 |
| 自動洗浄小便器 UFS900WR#NW1 | パブリックコンパクト便器・フラッシュタンク式 CFS498BMCK#NW1 |
| ウォシュレットPS2A TCF5534AUP#NW1 | 棚付二連紙巻器 YH702 |
| 手すりコンテンポラリL型 YHR86WR#MWW | 背もたれ EWC283CR#NW1 |
| フィッティングボード YKA41R | チャームボックス YKB104 |
| ハイドロセラ・フロアPU AB690BRTA4LL8#HB1 | LED照明付鏡 EL80014, EL80016 |
| マーブライトカウンター MKWEC300CPA13BヘL | 電気温水器 REAH03B11RS125A |
| 自動水石けん供給栓 TLK06S01JA | 壁掛ハイバック洗面器 LSG125AAR#NW1 |
| クリーンドライ吸引・高速両面タイプ TYC430WJ | 化粧鏡 YMK51K |
| フック YKH22 |
お気に入りに保存しました