特集3/座談会

内田 それは大変ですね。
川上 どうしましょうってことになりました。大工さんも職人さんも、みんな誉めてもらおうと思ってやっているわけですよ。それで洞窟のサンダーがけを……。
大嶋 じゃあ、最初はきれいに鉋(かんな)がかかっていた。
川上 ええ、すごくきれいに。テーマは洞窟と言われたのは、確かに覚えていたんですけれど。一生懸命やるわけですね。木が、隙間が開いてしまうから、捨て張りしてからもう一回やる。でもそれじゃ洞窟ではないわけですよ。足場を組み直して、12人工かけて、ディスクサンダーで荒らしたんです。
大嶋 「タンポポハウス」の壁もそうですよね。
川上 それを見に来いと言われました。
 今日は協同設計という話ですが、私は完全に黒子に徹しようと思っていて、先生のやりたいこと、施主の奥さんのねらっていることを形にしたいと思った。ただ、「焼杉ハウス」の大屋根の勾配は1寸5分しかないんですよ。これを銅板折りで納めたいと言う。さすがにそれは無理ですよと言いました。納得してもらってカラーステンレス瓦棒葺きです。茶室の屋根などは銅板折りで、私も一緒に折りました。漏らないだろうという直観はありました。最初は心配していた茶室も、8人のってもまったく揺れもしません。
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