特集3/座談会

大嶋 内田さんはプランニングでお手伝いしたところはありましたか。
内田 いや、プランは出てきたのをそのまま……。
大嶋 なんでそういう質問をするかというと、私が曲がりなりにもプランニングのことで先生と話したのは、「ニラハウス」までなんですよ。
  今は、プランは基本的なブロック、固まりみたいなものがある。そのほかはおまかせ。ただ、「ニラハウス」のときは、水まわりも含めて打ち合わせをしていた記憶があるんです。最初の頃は内部も完成に近い形で出てきていたんですか。
内田 「神長官」のときは少し細かく描かれていたように思います。メインの入り口と、奥に斜めに入っていく展示室。でもそれ以外のところは、おっしゃったようにブロックが決まると、後は僕のほうで進めました。
大嶋 基本的にそうなんですね。私の場合、たまに水まわりが真っ白になっていて「おまかせ」と書いてある。
内田 そういうのはなかった。
大嶋 それを見るとわかるんですよ。今回、先生がやりたいのはこのへん……と。
内田 「タンポポハウス(※6)」のときは、台所は奥さまにおまかせだったような気がする。
大嶋 「タンポポハウス」で、付属屋と真四角の“ピラミッド”を分離したのは先生ですか(平面図参照)。
内田 そうですね。全体をひとつの完結したものにしたかった時期もあったのかもしれない。後から考えると、不思議なものがくっついているフォルムなんですね。
大嶋 あれは内田さんのアドバイスかと思ったけれど違うんですか。
内田 違うと思う。
大嶋 北側のボリュームは完全に分離されている。これが効いているんですね。
内田 それは、離さないと納まらないですよ。
大嶋 くっついていた時期もありますよね。
内田 そうかなあ。つなげると納まらないとか言ったかもしれない、僕が。
大嶋 それじゃあ、こうしようか、ということに。
内田 僕のグチを聞いてくれた可能性はありますね。
大嶋 けっこう変な間取りなんですよね、これ。
内田 ご自宅ですからね。ああじゃないですか、こうじゃないですかと僕も一応言ったんですよ。そうしたら、あるとき「これ、俺の家で、設計者がいいと言っていて、施主もいいと言っている」と言われてね。以後、この建物については、施主が「よし」と言っているんだよなって、何度も自分に言い聞かせた覚えがあります。
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