モチベーションを維持するために初心を忘れない

 建てる住宅の高品質化を進める一方で、相澤さんが目指すのが「ハートのあたたまる家づくり」だ。そのためには、会社と職人たちと建て主の3者が一体になることが大切。会社のスタッフが誠心誠意取り組むのはもちろんだが、「お客さんが喜んでくれるように」職人たちが気を配り、「本当によくやってくれた」と建て主が職人たち一人ひとりに感謝する、そんな関係を目指している。
 そうしたモチベーションを維持するため、社員や職人たち、さらに協力会社の人間まで、「人生または仕事に対するモットー」を各自が表明し、胸に下げたIDカードに記載する。冒頭の一節は、相澤さん自身のカードに記されたモットーだ。若いスタッフならともかく、ベテランの職人が自分のモットーを考えることなど、こうした機会でもなければまずありえない。体裁を繕って、かっこいいことを言えば、それは自分に噓をつくことになる。おのずと自分を見つめ直さなければならない。そして自分に誠実であるためには、いい加減な仕事はできない。
「ちょっとしたことだけれど、ものをつくるのが好きだからこの世界に入ったんだ、という初心を思い出してもらえれば」と相澤さん。みんなものづくりが大好きなはずだ、という相澤さんのまわりの人たちへの信頼にほかならない。
「一人ひとりが自立して、個性を生かして働いてくれればいい。社員、そして協力会社のみなさんは給料などの体系は違っても、そういう仲間の集合体として家づくりができれば、きっと心もあたたまる、本当にあたたかい家ができる」
 相澤さんが続けてきた技術的工夫と揺るぎない周囲への信頼は、渦となって周囲を巻き込み、大きな家づくり集団へと育っている。あたたかい家づくりへの思いは、北信商建という会社の枠を超えて広がりつづけている。

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