この計画は私たちと、地元の若者たちの文化サークル「バラフンダ Barafunda」の協働による。「バラフンダ」は敷地を農業やスポーツなどさまざまなアウトドア活動に利用している。今回の建設の目的は地域の人々をサークルの活動に巻き込んでいくことであった。
建設の場所は小川が横切るマツとオークの森の一画。小さなマーケット、展示、コンサート会場として使えるような開放的なパビリオンをつくることが意図された。デザイン・ソースはふたつ。ひとつはミース・ファン・デル・ローエの「ファンズワース邸」(1951)、もうひとつは坂茂の竹格子シェル構造。屋根は後者にならってつくられた。
材料としては、円柱は藁を混ぜた現地の土、屋根と破風は木、それに半透明の防水シート。基礎はコンクリート製の下水管を転用。円柱の芯にはスチールの丸棒がセットされ、基礎と屋根面を緊結している。
私たちは円柱をつくるためのワークショップを何回か開催した。実際の建設はボランティアの手で行われ、7日間で終了した。