特集2/レポート

ガラーノ種の馬小屋“Garrano’s House”絶滅危惧種の馬、ガルンチョのための小屋

 ポルトガル北方の野生地に生息するガラーノ種の馬は、今では絶滅の危機にある。そのガラーノ種の、すでに家畜化された親から生まれた10歳の牡馬「ガルンチョ Garruncho」のための小屋を建てる計画。
 敷地は北向き、1.5haで、オーク、マツ、オリーブの木が茂る場所である。馬小屋はかつての段段畑の一段分を占めていて、3つのエリア、すなわち道具の物置、干し草置場、馬房からなっている。
 構造体にはほとんど現地産のマツ材を使っている。馬房の壁には、水、粘土、藁、木片を混合した軽量土を使い、断熱・蓄熱性能の向上を図っている。基礎は現場打ちコンクリート。通路となる部分以外のところには半透明の防水シートが張られている。屋根の雨水は樋を伝って飲料水タンクに集められる。
 建設が終わって、「ガルンチョ」が入ることになった。彼は新居を入念に、満足げに点検した後、外に出て古い樫の木の下に立ち、そこで一夜を過ごした。

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