都城市役所本庁舎
(宮崎県都城市)

事前に聞き取りを丁寧に行い、誰もが使いやすいトイレに改修
  • (手前から)

    都城市管財課 課長  徳重 修一さん
    同副主幹       楠元 誠さん
    住宅施設課 主任技師 金丸 広紀さん

都城市役所の本庁舎は東館・西館から成り、共に老朽化が懸念されていました。そこで2018年に2か年計画で庁舎の改修が始まり、まず1階の窓口などをリニューアル。続いて、1階および2階のトイレの改修に取り掛かりました。

「今や市役所の業務はサービス業に準じるべきもの。市長には来庁者に〝おもてなし〟を感じてもらいたいという思いがあり、トイレでも実現するため、改修のコンセプトは〝明るく、きれいに、誰もが使いやすく〟でした」と都城市管財課課長の徳重修一さんは話します。

改修の1年前に職員にリサーチを行ってトイレを使用する人数や時間を調査、また20代〜50代の男女7名に集まってもらい、トイレに対する不満や要望などを細かく聞き取りました。「浮かび上がったのは、1階の職員は女性のほうが多く、利用時間も長いのに、女子トイレの数が少ないことでした」と楠元誠副主幹。そして個室の狭さやニオイ問題なども改善すべきポイントでした。「改修ですからスペースは変えられません。とても悩みましたが、要望を叶えるブレイクスルーは、男女トイレの壁を取り払い配置を見直すことでした」と住宅施設課主任技師の金丸広紀さんは語ります。

東館・西館ともに男女のトイレがありましたが、間の壁をなくし、東館は男子トイレと多機能トイレに、西館は女子トイレに改修。もともと両館のトイレは距離が近く、利用者の混乱もなかったと言います。そのほか聞き取りの成果を生かしたトイレ改修は、職員にも来庁者にも好評。今後は3階以上のトイレの改修も視野に入れています。

  • 1

    改修前、1階の女子トイレは、東館に和式2、西館に和式1と洋式2だったが、改修後は洋式6となり、うち2つは広々ブースを採用。ベビーチェアや幼児用小便器を備えるブースも設けた。

  • 2

    多機能トイレは、車椅子を使用する職員の意見を聞き、車椅子から便座への移動がスムーズになるようはね上げ式の手すりを採用。手洗いの位置や高さも細かく調整を行った。

  • 3

    男女トイレとも、入口からの通路をL字型にして、ドアがなくても中にいる人が見えない仕様に。安心感と利用しやすさがアップし、手を洗ったあとにドアノブを触る必要がないと好評。

  • 4

    男子トイレの小便器には手すりを採用、洗面台にも車椅子で利用しやすいよう手すりを設けている。

  • 5

    男女トイレともにおむつ替えシートやベビーチェアを設置。男子トイレにも必要という職員の声に応えた。またベビーチェアは、座った子どもがドアの鍵をいたずらできないよう、座ったままで手が届かない位置に配置した。

  • 6

    トイレ全体が明るくなり、すっきりと清潔感のある印象に。
    女子トイレには子ども用の洗面台も設置。

DATA

名  称
都城市役所本庁舎
所 在 地
宮崎県都城市姫城町6街区21号
施  主
都城市
設  計
有限会社盛満コンサル
施   工
丸宮建設株式会社
構造・規模
鉄骨鉄筋コンクリート造
延床面積18,875.06㎡
竣 工 年 月
2020年2月

おもなTOTO使用機器

■男女トイレ共通

掃除口付床置床排水大便器 CFS494MCRNA
洗面器ボウル一体型 MC50C
クリーンドライ(両面高速タイプ) TYC420WC
ベビーチェアコーナー設置タイプ YKA16R
ベビーチェア平壁設置タイプ YKA15R
ベビーシート YKA25R

■男子トイレ

掃除口付壁掛壁排水自動洗浄小便器 UFS900JCS

■女子トイレ

フィッティングボード YKA41
幼児用小便器(キッズグリップ付) U310GY

■多機能トイレ

コンパクトオストメイトパックUAS81LDB2NW
収納式多目的シート(グリップ付)EWC520ARR
可動式手すり はね上げ・ロック付 T114HK7R

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