


私たちの所属する購買部では、普段、システムキッチンおよび洗面化粧台に使われる部品・製品の調達業務を担当しています。また、日々の業務をただの「調達」で終わらせるのではなく、「自分たちにできる環境貢献は何か」を考え行動に移す取り組みを行っており、廃棄木粉の再利用はそうした活動の一つとして始まりました。
実は、茂原、甲賀両工場から出る年間廃棄物総量の87%が、木部品の加工工程などで発生する端材や木粉などの「木くず」です。この工場廃棄物である木粉をなんとか再利用し、廃棄量を削減できないかと考えたことが、今回の取り組みのきっかけになりました。そして具体的な再利用方法を模索していたとき、ある樹脂パートナー企業との会話から「食堂の『メラミン食器』に木粉を配合できないか」というアイデアが生まれたのです。

工場で廃棄処理されていた木粉を、メラミン食器の原材料の一部として再利用することにより、SDGsのゴール12「つくる責任 つかう責任」を実践することができます。また、木粉を焼却処分する際のCO2排出量削減や、食器の製造に必要なプラスチック量の削減の取り組みは、SDGsのゴール13「気候変動に具体的な対策を」につながります。
ただ、その再利用は決して簡単ではありませんでした。食器に使われる素材は、食品衛生法で厳しい規格基準が設けられています。工場で廃棄される木粉は食品用途に対応していない素材であったため、樹脂に木粉を配合して成形するだけでは規格基準を満たせなかったのです。
そこで、食器の食品接触面に高性能バリア(特殊コーティング)を施すことで、国の定めた「食品、添加物等の規格基準」に適合させ、一般的なメラミン食器と変わりなく安全に使用できる耐久性を実現しました。食器メーカーや樹脂パートナー企業と試行錯誤しながら開発したことは、結果的にSDGsのゴール17「パートナーシップで目標を達成しよう」にもつながりました。


完成した食器は、まず私たちの工場の食堂に導入され、徐々に他拠点の食堂にも広がっていきました。一般的なメラミン食器と比べるとどうしても木粉のツブツブ(粒子)が見えてしまうため、正直なところ「見た目で敬遠されて、なかなか採用してもらえないのではないか」と不安に思っていました。しかし導入後、「社員のエコ意識が上がった」「お昼休みの会話のきっかけになっている」といったうれしい声が多く寄せられ、社員のみんながサステナブルについて考える「きっかけ作り」ができていることに大きなやりがいを感じています。私たち自身も、この活動を通して「身の回りのごみも、工夫次第で新しい価値を生み出せるのではないか」と、日々の見方が少し変わったように感じています。

食器への再利用に続き、同様の方法で木粉からボールペンなどのノベルティを製作したほか、現在はシステムキッチンや洗面化粧台の部材そのものに廃材を再利用できないか新たな挑戦を始めています。品質面での課題は山積みで、心が折れそうになることもあります(笑)。ただ、一つの部署では限界があっても、みんなで知識を持ち寄ればきっと実現できるはず。無理をして背伸びをするのではなく、みんなで一緒に楽しみながら「サステナブルな調達」の輪を少しずつ広げていけたらいいなと思っています。


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