ニュースリリース
2024年8月26日
TOTOギャラリー・間、TOTO出版
TOTO GALLERY・MA Traveling Exhibition in Kitakyushu Shigenori Uoya: Re-Weaving Urban Fabrics
TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:清田 徳明)が社会貢献活動の一環として運営している「TOTOギャラリー・間(ま)」(東京都港区)は、「魚谷繁礼展 都市を編む」の北九州巡回展を2024年
11月19日(火)~2025年3月9日(日)の会期でTOTOミュージアムにて開催します。この展覧会は2024年5月からTOTOギャラリー・間において開催され好評を博した魚谷繁礼展の北九州巡回展となります。
魚谷繁礼氏は、京都をはじめ都市の構成に関するリサーチを背景に京町家の改修を120件以上手掛け、それらの都市の文脈の継承をテーマに実践に取り組む建築家です。展覧会では、リサーチを背景にして設計してきた建築を紹介するとともに、魚谷氏がこれまで設計してきた水まわり空間と、九州でのプロジェクトも紹介します。
また、関連イベントとして、魚谷繁礼講演会「都市の時間を重ねる」を11月18日(月)に開催します。
TOTOギャラリー・間は、TOTOミュージアム(福岡県北九州市)での巡回展として、「魚谷繁礼展 都市を編む」を開催します。
魚谷繁礼氏は、京都をはじめ各都市の構成に関するリサーチをベースに京町家の改修を120件以上手掛けるなど、都市の文脈の継承について問題意識をもちながら建築の実践に取り組んでいます。京都では、日々町家や長屋が取り壊されてマンションや駐車場に替わるなど、歴史的街並みが消滅の危機にあります。その中で魚谷氏は、町家だけでなく路地や地割りなどの、建築遺構を継承する活動を続けています。
例えば「コンテナ町家」では長屋の一角を鉄骨フレームで覆ったうえでコンテナユニットと組合せ、路地を残しつつ現代的な活用ニーズに応えました。2023年度日本建築学会賞(作品)を受賞した「郭巨山会所(かっきょやまかいしょ)」では、祇園祭の歴史的会所建築を、保存建築物に関する制度を活用しつつ、既存の木構造と鉄骨造のハイブリッドによる増築で再生させました。このように、現代的な技術を多様な手法で歴史性や地域性に編み込むことによって、街並みや建築を次の100年に継承し、より豊かな都市空間や都市居住の実現を目指しています。魚谷氏の実践は京都での豊富な実務経験を元に、日本各地や海外にも広がっています。
本展では、こうした魚谷氏の都市と建築に向けた視座を「都市を編む」というタイトルで表現します。「都市を編む」とは、「都市の時間を重ねる」ことと「都市構造を読み解き再編集する」ことの両方の意味を内包しています。展覧会を通して、歴史と未来を繋ぐ現代建築の可能性を感じ取っていただければ幸いです。
展覧会名(日)― TOTOギャラリー・間 北九州巡回展
魚谷繁礼展 都市を編む
展覧会名(英)― TOTO GALLERY・MA Traveling Exhibition in Kitakyushu
Shigenori Uoya: Re-Weaving Urban Fabrics
会 期 ― 2024年11月19日(火)~2025年3月9日(日)
開 館 時 間 ― 10:00~17:00(入館は16:30まで)
休 館 日 ― 月曜日・年末年始[2024年12月25日(水)~2025年1月6日(月)]
*ご来館の際には、TOTOミュージアムウェブサイトにて最新情報をご確認ください。
入 場 料 ― 無料
会 場 ― TOTOミュージアム 福岡県北九州市小倉北区中島2-1-1
TEL 093-951-2534 https://jp.toto.com/knowledge/visit/museum
【バス】
JR小倉駅 小倉城口の小倉駅バスセンターから約15分「貴船町」バス停下車1分
【北九州モノレール】
香春口三萩野駅下車、南口より国道3号線を八幡方面に徒歩約10分
都市を編む
私たちは、歴史都市である京都を拠点に、国内各地で町家や長屋、路地などに関連するプロジェクトに取り組んできました。そしてその取り組みを通して、これらを取り壊すのではなく、そのままの姿で保存するのでもなく、生きた都市遺構としていかに後世へと継承しうるのかを考えてきました。
京都に限らず都市や地域は、多様な事象が積み重なりつつ現在の姿となってあらわれています。そうした歴史性や地域性といったコンテクストを、ただ建築設計のコンセプト構築に利用するのではなく、そのまま空間として享受しうるような建築をつくれないか。そしてその建築は、歴史性や地域性をただ消費するのではなく、それら既存のコンテクストに新たに織り込まれながら、より豊かな都市空間や都市居住の実現へと繋がっていくものでありえないか。
我々は都市や地域をリサーチする際、設計のために行うのではなく、都市のコンテクストと現況をいかに捉え、地域の未来の可能性をいかに提示しうるかに注力します。そのうえでリサーチにより得られた知見を思想的背景にしながら、過去から未来に続く時間軸における現在において、どのような建築をつくりうるかを考えます。
この展覧会では、そのようなリサーチを背景にして設計してきた建築を紹介します。あわせて、我々がこれまで設計してきた水まわり空間と、九州でのプロジェクトも紹介したいと思います。
魚谷繁礼
魚谷繁礼 (うおや しげのり)/ 建築家
1977年兵庫県生まれ。2001年京都大学工学部卒業、2003年同大学大学院工学研究科修了。現在、魚谷繁礼建築研究所代表。京都大学などで非常勤講師。2020年より京都工芸繊維大学特任教授。京都をはじめとする国内外の歴史都市において、街路街区の構造の変容と現況に関する調査研究を行う。主な建築に「京都型住宅モデル」(京都府、2007年)※1、「西都教会」(京都府、2011年)※2、「ガムハウス」(京都府、2019年)、「SOWAKA(旧美濃幸)」(京都府、2019年)※3、「コンテナ町家」(京都府、2019年)※4、「郭巨山会所」(京都府、2022年)※5。主な著書に『住宅リノベーション図集』(オーム社/2016年)。JIA新人賞(2021年)、北陸建築文化賞(2021年)、関西建築家大賞(2022年)、日本建築学会賞(作品)(2023年)など受賞。
共同設計者
※1 池井健/池井健建築設計事務所、小野里憲一/工学院大学
※2 橋本一郎/エス・キューブ・アソシエイツ
※3 満田衛資/満田衛資構造計画研究所
※4 満田衛資/満田衛資構造計画研究所、中川泰章/muura inc.
※5 柳室純/柳室純構造設計
魚谷繁礼 講演会「都市の時間を重ねる」
日 時 ― 2024年11月18日(月)17:00開場、18:00開演、19:30終演(予定)
会 場 ― TOTOミュージアム
定 員 ― 150名 参加無料
参加方法 ― TOTOギャラリー・間ウェブサイト(https://jp.toto.com/gallerma)よりお申込みください。
申込期間 ― 2024年9月4日(水)~11月3日(日)
申込み多数の場合、抽選の上、11月11日(月)までに結果をご連絡いたします。
注意事項 ― 当講演会では未就学のお子様連れのお申し込みはご遠慮いただいております。
『魚谷繁礼建築集――都市の時間を重ねる』
著者=魚谷繁礼
発行年月=2024年5月
定価=4,730円(本体4,300円+税10%)
体裁=B5版変型(250×190mm)、並製、224頁、和英併記
ブックデザイン=林琢真、蒲原早奈美(林琢真デザイン事務所)
発行=TOTO出版(TOTO株式会社)
お問い合わせ=TEL 03-3497-1010
https://jp.toto.com/publishing/detail/A0409.htm
ニュースリリース全文は、以下よりダウンロードしてご覧ください。
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