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「発達障がい者※1の公共トイレ利用に関するアンケート調査」結果公表
発達障がい者の保護者の約7割が「公共トイレ利用で困る」と回答

~「性別に関わりなく利用できる個室トイレ」の利用意向、保護者の73.7%~

TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:喜多村 円)は、発達障がい者の外出先トイレでの困りごとや使用実態を把握し、新たなトイレのあり方についてニーズを確認するため、発達障がい者の保護者および発達障がいの当事者を対象に、「発達障がい者の公共トイレ利用に関するアンケート調査」を実施しましたので、調査結果をお知らせ致します。TOTOは、お客様視点に立ち、一人でも多くの方が快適に安心して利用できるパブリックトイレ※2の実現をめざしてまいります。

<調査結果の概要> 
外出先トイレ利用で、「困ることがある、やや困ることがある」の回答が、保護者の68.4%、当事者の38.0%になりました。また、保護者の57.9%が「子どもと一緒に利用できるトイレがなくて困る」と回答しました。多機能トイレの利用については、保護者の76.3%、当事者の33.3%が「利用することがある」と回答。多機能トイレの利用目的として、子どもの排泄のため(75.9%)だけでなく、自身の排泄でも使用すると回答した保護者は51.7%となりました。多機能トイレとは別に、性別に関わりなく利用できる個室トイレがあった場合、保護者の73.7%、当事者の33.3%が利用意向ありと回答しました。

※1:発達障害支援法において、発達障害とは「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています ※2:商業施設、交通施設、オフィス、学校など、住宅以外のあらゆる施設のトイレを、TOTOではパブリックトイレと呼んでいます

【アンケート調査概要】名称:発達障がい者の公共トイレ利用に関するアンケート調査 実施時期:2018年12月6日〜2019年1月10日 調査方法:インターネット調査/調査対象エリア:日本全国 回答数:59名(保護者38名、当事者21名 ※当事者全員は自立して便器で排泄)
Q1:あなた、またはあなたのお子様が、公共のトイレを利用するときに困ることがありますか?

【保護者】困りごとあり 68.4%

【当事者】困りごとあり 38.0%
保護者の68.4%が「困ることがある、やや困ることがある」と回答しました。また、当事者では38.0%となりましたが、本調査での当事者は「自立して便器で排泄できる」方々だったため、困りごとのある方が半数以下だったと思われます。

困りごととしては、「介助・同伴」や「におい」「音」に関することが挙げられました。
※困ることの具体例は、本リリース「Q1の補足資料」をご覧ください。
Q2:あなた、またはあなたのお子様が、特定の感覚に対して、過敏になることがありますか?
「公共トイレ内」「その他外出時」それぞれでお答えください。(複数回答)

<<音の感覚>>【保護者】公共トイレ内:39.5% その他外出時:47.4%【当事者】公共トイレ内:28.6% その他外出時:52.4% <<においの感覚>>【保護者】公共トイレ内:26.3% その他外出時:18.4%【当事者】公共トイレ内:23.8% その他外出時:14.3%
出典:「発達障がい者の公共トイレ利用に関するアンケート調査」TOTO調べ(2019)
発達障がいのある方に多くみられる「感覚過敏」の発現について「公共トイレ」と「その他外出時」で分けて伺ったところ、保護者のお子様、当事者のいずれも「音の感覚」に関する過敏が最も多くなりました。また、公共トイレ特有の課題として、「においの感覚」への過敏は、保護者のお子様、当事者のいずれも、その他外出時より公共トイレ内で過敏になる傾向がみられました。

感覚過敏になることで苦手なこと・困ることの具体例

<<音の感覚>>公共トイレ内:用を足す時に流れる機械的な音(当事者28歳[女性]) その他外出時:発砲(報)音、地下鉄の音に過敏で、疲れやパニックになる事がある(お子様5歳[男性])<<光の感覚>>公共トイレ内:暗いと入らない(お子様26歳[女性]) その他外出時:スーパーやデパートで興奮して走り出す。光るもの、反射するものに反応して飛び出すので危険(お子様6歳[男性])<<触覚の感覚>>公共トイレ内:ひやっとする便座(お子様14歳[男性]) その他外出時:手が汚れると何度でも洗いに行く(お子様9歳[男性])<<においの感覚>>公共トイレ内:臭いが強いと(トイレに)入れない(お子様13歳[女性]) その他外出時:外食の為に入った飲食店の店内のにおいがダメで、店を変えたりしたことがある。(お子様6歳[男性])<<視覚の感覚>>公共トイレ内:便器についた汚物。少しの汚物でも苦手(お子様6歳[女性]) その他外出時:人で混雑している所だとこわい(お子様15歳[男性])<<その他の感覚>>公共トイレ内:暗い、水気が多い(のが苦手)(お子様21歳[男性])
Q3:お子様と一緒に利用できるトイレがなくて困ることがありますか?

【保護者】困りごとあり 57.9%
「困ることがある」「やや困ることがある」と回答した保護者は58%と、半数を超えました。

<具体的な困り事、意見>
●見た目に障がいがあるように見えないのと、だんだんと大きくなってきたこともあり、トイレの付き添いに同じトイレに入る際、人の目が気になってきた。(お子様6歳 [男性]、保護者 [女性])

●見守りがないと居なくなるので、介護者はトイレができない。(お子様13歳 [男性]、保護者 [女性])

●誰でも利用しやすい同伴用トイレが増えるとありがたい。(お子様15歳 [男性]、保護者 [女性])
Q4:(お子様と一緒に外出するとき)多機能トイレを利用することがありますか?

【保護者】ある 76.3%

【当事者】ある 33.3%
Q5:Q4で「ある」と回答した方に伺います。
多機能トイレを利用する理由をお聞かせください。(複数回答)

【保護者】2人で入れるスペースがほしいから:75.8% 男女共用だから:58.6% 個室で落ち着くから:37.9% 男女別トイレが混んでいるから: 31.0%【当事者】個室で落ち着くから:57.1% 他の利用者がいないから:57.1% 男女別トイレが混んでいるから:42.8% 静かだから:42.8%
Q6:Q4で「ある」と回答した保護者に伺います。
多機能トイレを利用する目的は?(複数回答)

【保護者】子どもの排泄のため:75.9% あなた自身の排泄のため:51.7% その他:13.8%
出典:「発達障がい者の公共トイレ利用に関するアンケート調査」TOTO調べ(2019)
Q4~Q6を通して、多機能トイレの利用動向を伺いました。保護者の利用動向は76.3%となり、利用理由の上位は「2人で入れる」「男女共用」となりました。当事者の利用意向は33.3%と保護者の半数程度になりましたが、利用する理由は「個室で落ち着く」「他の利用者がいない」が上位となりました。また、保護者の半数は、自身の排泄のためにも利用していることがわかりました。

個室トイレ
Q7:男女トイレや多機能トイレとは別に、性別にかかわりなく利用できる個室トイレがあるとしたら、利用したいと思いますか?

【保護者】利用意向あり 73.7%

【当事者】利用意向あり 33.3%
Q8:Q7で「そう思う」「ややそう思う」と回答した方に伺います。
性別にかかわりなく利用できる個室トイレをどのような時に利用すると思いますか?(複数回答)

【保護者】子どもの介助・見守りのため一緒に入室するとき:78.5% 他の利用者に気兼ねせずに利用したいとき:57.1% 保護者の排泄のため子どもと一緒に入室するとき:57.1%【当事者】他の利用者に気兼ねせずに利用したいとき:71.4% 男女別トイレが混んでいるとき:57.1% 音が静かな環境で利用したいとき:42.9%
出典:「発達障がい者の公共トイレ利用に関するアンケート調査」TOTO調べ(2019)
Q7~Q8では、多機能トイレとは別に、性別にかかわりなく利用できる個室トイレがあった場合の利用動向を伺いました。Q7の利用意向については、Q4の多機能トイレの利用意向とほぼ同じ傾向がみられました。Q8の利用目的については、保護者は「子どもの介助・見守り」「保護者の排泄で一緒に入室」が上位となり、お子様と一緒に入れることが重要であることが伺えます。また、保護者・当事者ともに「他の利用者に気兼ねせず利用」が上位になりました。
Q9:Q7で「そう思う」「ややそう思う」と回答した方に伺います。
性別にかかわりなく利用できる個室トイレに設置して欲しい設備や機能はありますか?(複数回答)

【子どもの手が届かない高さの鍵】保護者:57.1% 当事者:14.3% 【非常呼出ボタンのカバー】保護者:50.0% 当事者:28.6% 【サニタリーボックス・汚物入れチャームボックス】保護者:50.0% 当事者:57.1% 【脱臭機能】保護者:46.4% 当事者:57.1% 【着替え用の台】保護者:46.4% 当事者:28.6%
出典:「発達障がい者の公共トイレ利用に関するアンケート調査」TOTO調べ(2019)
保護者の求めるものは、1位が「子どもの手が届かない高さの鍵」、2位が「非常呼出ボタンのカバー」となり、お子様の誤操作防止への要望が高いことがわかりました。また保護者・当事者ともに半数あまりの方が「サニタリーボックス」「脱臭機能」の設置を求めていることがわかりました。

Q1の補足資料

公共トイレの利用で困ること:保護者の具体例

■介助・見守り・同伴に関して
・見守りがないと居なくなるので、介助者はトイレができない。(お子様13歳 [男性]、保護者 [女性])
・人がたくさんいると一緒に連れて入りにくい。狭いトイレだと二人ではいるのが難しいときあり。和式トイレだと使えないので困る。(お子様7歳 [男性]、保護者 [女性])
・突然の不安でひとりでトイレに行けないことがあるが、多目的トイレに一緒に入るのにやや違和感のある年齢になってきたのではないかと思うことがある。(お子様10歳 [男性]、保護者 [女性])

■におい・汚れに関して
・場所によってはきれいなトイレじゃない為、においがだめでなかなかトイレに行きたがらない場合がある。(お子様8歳 [女性]、保護者 [女性])
・においがキツかったり、暗すぎたり、便器の周りが水気が多くて、泥やトイレットペーパーのカスや芯が散乱していると、我慢してしまい、どんなに遠くても家まで我慢してしまう。明るくて清潔そうなトイレを見つけることが大変。(お子様21歳 [男性]、保護者 [女性])

■音に関して
・音が鳴るしトイレは全て怖がるのでとても困っています。因果関係が分かる3-5歳までいつも外出時にオマルを持参していました。5歳後半から、コンセントを抜けば温水洗浄便座は動かないことが分かってから温水洗浄便座のトイレをコンセントを抜いてから利用できています。けれども、擬音装置、自動洗浄、音のインストラクション、エアータオルの音、隣から擬音装置の音がすると用を足せず漏らしてしまいました。現在は、小学校の自動小便器が怖くて、トイレ空間の近くの個室トイレに入ることも出来ずとても困っています。合理的配慮で、職員女子トイレや女子トイレの利用をお願いすることを考えています。(お子様6歳 [男性]、保護者 [女性])

■その他
・流すところが分からずパニック(だいたいのトイレを使わせて教えたので、今は少なくなりましたが…)失敗した時(オシッコが飛び散ったなど)にパニック。トイレに人が並んでいるときにパニック。(お子様9歳 [男性]、保護者 [女性])
・綺麗に使うよう伝えるが、トイレがつまったり、トイレットペーパーがないときに個室トイレでパニックした時。外からは、あけられない。(お子様26歳 [女性]、保護者 [女性])
・混んでいて並ぶ必要があるとき興奮しているとき。(お子様35歳 [女性]、保護者 [男性])
・中々出てこない。用を足すことが長い。(お子様27歳 [男性]、保護者 [男性])

公共トイレの利用で困ること:当事者の具体例

・BGMや人の話声が鬱陶しい(当事者28歳 [女性])
・トイレを待っている人の話し声とかがきになる。手を洗うところが混んでいたら避けてくれるまで何もいえない。ドライタオルの音がうるさい。(当事者20歳 [女性])
・場所を探すのに困る。機械の流水音・手を乾かす機械の風の音・温水洗浄便座の機械音が大きくてこわい。閉塞感がパニックになる。(当事者35歳 [女性])
・トイレの場所が分からず、我慢が出来ず、道路で用を足してしまい、注意をうけた。バス乗車前に尿意を催す。乗車時間が近づいていたため、バス停の近くで用を足してしまい、注意をうけた。トイレットペーパーを使いすぎて、トイレをつまらせてしまい、そのあとの処理の、仕方がわからなかった。(当事者24歳[男性])
・フタがしまっていると、中から何かが出てきそうで開けるのが怖い。(当事者41歳 [女性])

属性情報

年齢

【保護者自身】40代:53%

【お子様】4〜6歳:26%

【当事者】20代:57%

性別

【保護者自身】男性:13% 女性:87%

【お子様】男性:68% 女性:32%

【当事者】男性:48% 女性:52%

発達障がいの状況 (複数回答)

【広汎性発達障害 自閉症】保護者のお子様:63.2% 当事者:33.3% 【広汎性発達障害 アスペルガー症候群】保護者のお子様:18.4% 当事者:47.6% 【注意欠陥多動性障害(ADHD)】保護者のお子様:47.6% 当事者:31.6%

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