オフィスや商業施設などのパブリックトイレでは、基本設備と言っても過言ではないハンドドライヤー。新型コロナウイルス感染症が拡大した時期を経て誕生した「クリーンドライ(吸引・高速両面タイプ)」の生まれた背景や、開発者が目指したものとは――。最新のハンドドライヤー開発の裏話をお届けします。
◆ 特長は「吸引式」「HEPAフィルター」「コンパクト設計」
吸引式にすることで高速乾燥は維持しつつ、商品外への風の吹き返しや水滴飛散を抑制しています。一般的なハンドドライヤーに比べて、水滴飛散数を約90%低減しており、より衛生的に快適に使って頂けます。
また、空気清浄機で使われているHEPAフィルターを搭載することで、より清潔な風で快適に手を乾燥できます。
こうした機能追加をおこないつつ、商品サイズを最大限コンパクトに設計することで、ハンドドライヤーを洗面ボウル間にすっきり設置でき、手洗いから乾燥までスムーズな動線で床への水垂れも抑制した空間提案が可能となりました。
◆ 新型コロナウイルスの流行がきっかけとなった商品の進化
新型コロナウイルスが流行して、日本ではハンドドライヤーの利用を制限する動きもあり、安心して使って頂くにはどうしたら良いのだろう、と考えたのがスタートでした。
ハンドドライヤーの利用で発生する水滴やマイクロ飛沫による感染リスクが極めて小さいことは報告されていますが、それでも、ハンドドライヤーがウイルスを飛散させているのでは……と、不安に感じている方がいらっしゃるのも事実です。
そういった方にも安心して使って頂くためには、これまでの延長線上の開発ではない、何かしら抜本的な対策・進化がないと難しいのだろうなと感じていました。
なお、「ハンドドライヤー 開発秘話」本編では、TOTOでは珍しい気流制御を得意とする開発部隊だからこそできた、モーター1つで実現するHEPAフィルターの汚れを防ぐ工夫についても詳しく語られています。
2023年、「クリーンドライ(吸引・高速両面タイプ)」が国際的に権威のある「GREEN GOOD DESIGN AWARDS 2023」を受賞しました。
※「GREEN GOOD DESIGN AWARDS」 は、持続可能なデザインの発展に寄与するために2009年より始まった賞。主催は、シカゴ・アテナイオン:建築デザインミュージアム(アメリカ)あよびヨーロッパ建築アートデザイン都市研究センター(アイルランド)。
また、2024年、「クリーンドライ(吸引・高速両面タイプ)」が国際的に権威のある「iFデザイン賞2024」を受賞しました。
※「iFデザイン賞」は1953年から続く国際的権威のあるデザイン賞で、ドイツ・ハノーバーに本拠を置く「iFインターナショナルフォーラムデザイン」が主催しています。
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