日産スタジアム / スポーツ庁
世界的スポーツイベント開催に向け、誰もが使いやすいトイレに大改修
スタジアム改修の部署を作り総力を挙げて会場を整備
日産スタジアムは、7万人以上の観客収容能力を誇る日本最大級の多目的競技場です。
2019年にはラグビーワールドカップ、2020年には東京五輪のサッカー競技が開催されます。会場整備の一環としてトイレも場内の50カ所すべてを改修し、うち10カ所については大規模改修が行われました。
誰もが使いやすいトイレにするために、最初に着目したのは、大会までに和式便器を全洋式化することでした。和式便器が使えない高齢者や子どもに配慮しました。
また誰もが使いやすいトイレにするために、もう一つ力を入れたのが多機能トイレの充実です。異性の介助者や性的マイノリティに配慮し、コンコースから直接入れる場所に多機能トイレを配置、オストメイトも整備しました。
加えて、男性トイレ、女性トイレそれぞれに、多機能トイレの機能の一部を備えた「簡易型多機能便房」を設置。この他、手すりがついた個室ブースや、大人用、子ども用の便器を設置した親子用トイレなどが新設され、さまざまな機能が分散された形となっています。
今回のトイレの改修に当たっては、「競技場のトイレの枠を超えたい」と、他の競技場トイレだけではなく、百貨店や劇場、ホテルなど、異なる用途の施設のトイレも実際に見たり、資料でチェックしたとのこと。多くの努力があり、誰もが使いやすいトイレが完成しました。
さまざまな配慮で誰もが使えるトイレを実現
間接照明を採用した上質な空間。落ち着いた色合いで、心がほっとなごむ。入り口に近い場所に車いす使用者用の洗面が配置されている。
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メイク直しなどの際に、隣の人の視線が気にならないよう間仕切りをつけている。
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ブースが空いているときは、上部に矢印が見える仕掛けに。
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洗面カウンターとパウダーコーナーを分けて、混雑防止に。
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子ども用と大人用の便器を同じブース内に設置した「親子トイレ」。
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小便器の間には、プライバシーに配慮して間仕切りを設置。
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子ども用小便器の下にも汚れ防止のための汚垂れ石を設置。
バックスタンド側女性トイレ、男性トイレ
男女トイレともアイランドタイプの洗面カウンターを設置。入り口と出口が別々の設計になっている。
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メインスタンド側
男性トイレ -
メインスタンド側
女性トイレ
メインスタンド側トイレも男女ともトイレ内の動線が交差しないよう、入り口と出口を分けた一方通行のレイアウトとなっている。また、トイレ利用者と洗面のみの利用者の流れが分かれるように配置し、混雑の緩和につながっている。
スポーツ庁「スタジアム・アリーナ改革」の今
スタジアム・アリーナを地域活性化の核にしたい
スポーツ庁では、スタジアム・アリーナが継続的に活用され、都市の賑わいの中心となることを目指す「スタジアム・アリーナ改革」を推進しています。スポーツによる経済活性化の観点から、民間のノウハウや知見、資金を活用し、2025年までに、地域活性化の核となるスタジアム・アリーナ20拠点の実現を目標にしています。
スタジアム・アリーナは多くの世代、さまざまな方が集うことから、トイレも多様化する利用者に対応できるように、便器を洋式化したり、車いすでも問題なく入れるスペースを設けるなど整備が求められています。
出典:「スタジアム・アリーナ改革推進に向けた取組」(2018年7月)より作成
スタジアム・アリーナ改革の相談窓口はこちら
スタジアム・アリーナ相談窓口担当
株式会社日本経済研究所(スポーツ庁委託事業請負先)
受付時間:平日9:30~17:00 電話番号:03-6214-4689
メール:stadium_arena_support@jeri.co.jp
受付方法などの詳細は→スポーツ庁ホームページ http://www.mext.go.jp/sports/
詳しい内容は、
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- Vol.1 飲食店特集
- Vol.2 おもてなしトイレ特集
- 特別号 おもてなしトイレ特集(取り組み事例紹介)
- Vol.3 宿泊施設特集
- Vol.4 観光地のおもてなしトイレ特集