TOTOグループが広く社会や地球環境に貢献する存在であり続けるため、商品の設計から使用後の廃棄まで、すべての段階において「資源の投入・廃棄を減らす」取り組みを、社会のしくみも活用して推進しています。

商品設計において省資源・軽量化を図るとともに、再生材料を積極的に採用するなど、天然資源の投入を減らす取り組みを推進しています。

※1 環境省令和6年度「脱炭素型循環経済システム構築促進事業」(うち、プラスチック等資源循環システム構築実証事業)(水まわり製品の製造廃材による再生プラスチックに関する事業)委託業務
・再生プラスチック活用推進
原材料への再生プラスチック活用に早くから取り組み、製造端材などを原料とするポストインダストリアルリサイクル材(PIR材)を便器内部タンクの原材料として2009年より採用しました。2016年からは使用済み商品から生成されるポストコンシューマーリサイクル材(PCR材)も加えて、再生プラスチックの活用を拡大しています。
再生プラスチックの累積使用量は2023年に2万トンを超え、バージン材料(新品の材料)を使用した場合に対するCO2排出削減量は、スギ約200万本が1年間に吸収するCO2量に相当します※2。
※2 林野庁 地球温暖化防止に向けて「森林はどのぐらいの量の二酸化炭素を吸収しているの?」掲載データ(スギ1本あたり年間約8.8キロのCO2を吸収)に基づき算出

再生プラスチックの採用においては、商品に求められる耐久性や寸法精度を得るための品質の確保が重要となります。PIR材からPCR材に拡大するにあたっては、サプライヤー様の協力の下で材料開発を進め、原料の確保から部材色まで様々な検討をしました。現在は廃車由来のプラスチックなどを原料として質・量ともに安定したPCR材を確保できるサプライチェーンを構築しています。
今後、白色や高意匠の再生プラスチック材料の検討を進め、外観部材へと採用を拡大し、再生プラスチックの活用をさらに推進していきます。
製造技術の開発により製造端材の発生を抑制し、商品製造に投入する資源の削減に取り組んでいます。
製造工程で生じた端材は社内外でリサイクル活用を推進し、事業活動に伴う廃棄物全般について環境マネジメントシステムに基づき、減量・再資源化と適正管理を徹底することで、資源廃棄を抑制しています。

・製造技術による製造端材削減の取り組み
プラスチック射出成型において発生する製造端材を削減できる製造技術「ホットランナー方式」を活用することで、資源のロスを抑制しています。
・ゼロエミッションの取り組み
廃棄物の減量・再資源化により国内の全製造事業所において「ゼロエミッション※3」を達成、海外製造拠点でも「陶器くず・汚泥・鉱さい」を重点品目として再資源化に取り組み、ゼロミッションを目指しています。
※3 TOTOのゼロエミッション定義(1994年国連大学提唱の考え方に基づく)工場から排出する一般廃棄物、産業廃棄物の埋め立て・単純焼却を限りなくゼロに近づける(目標再利用率99%以上)。
出荷から施工までの間、商品を保護する包装材においては、より少ない資源で高い包装品質を実現するため、自社で設計を行っています。
また、包装材、施工端材を回収するなど、資源の有効利用を推進しています。

・包装材削減
包装材は商品出荷から施工までの間、衝撃による破損や傷などから、商品を保護する重要な役割を担っています。緩衝材に段ボールを用いて箱と同一素材とすることで分別を容易にし、さらに適切な形状を追求することで、資源の削減と緩衝性や作業性などの包装品質を両立しています。こうした省材料・省工数包装材は国内外で評価※4 を得ています。
※4 ソフトタッチ段ボール緩衝材、衝撃吸収機能を備えた人工大理石カウンター包装 など
・広域認定制度による包装材・施工端材の回収~リサイクル
建築現場から排出される包装材や施工端材などを回収※5してリユース・リサイクルし、廃棄される資源を削減しています。
回収対象物:ユニットバスルーム、トイレシステム(ライニングユニット)の包装材、施工端材
回収対象地域:全国(離島や条件によって回収できない場合があります)
※回収料金は回収対象物や条件によって異なります。
※5「廃棄物の処理および清掃に関する法律(廃棄物処理法)」の特例制度である「広域認定制度」に基づいて回収を行っています。
商品使用後の資源循環を目指して、広域認定制度を活用し、一部地域で使用済みウォシュレットを回収する仕組みを試行しています。回収したウォシュレットは洗浄後に解体・分別して、再生資源としてリサイクルしています。
今後も引き続きリサイクルしやすい商品づくりの研究、リサイクル技術や再生材活用先検討など、より高度な資源循環への貢献を目指していきます。

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