ニュースリリース
2025年8月22日
会社情報/海外住設事業
〜米州住設事業のさらなる飛躍のため、最新鋭の設備を導入〜
TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:田村 信也)のグループ会社であるTOTO U.S.A., Inc.(以下、TOTO U.S.A.、本社:アメリカ合衆国ジョージア州モロー市、社長:室井 太郎)は、2025年秋から新工場棟での衛生陶器の生産を開始します。
TOTO U.S.A.は、米州市場における戦略商品であるワンピース便器※1の供給体制を強化することを目的に、2023年6月から、ジョージア州モロー市にある既存工場敷地内で新たな工場棟の建設を開始しました。TOTOグループ初となる、便器とタンクを自動で接着するロボットをはじめとする最新鋭の設備を導入し、ワンピース便器の生産性を向上させます。新たな工場棟を稼働することで、米州での衛生陶器の生産能力は従来と比べ150%となり、モロー・レイクウッド・メキシコの3つ生産拠点合わせて約100万ピース※2/年となります。これまで、ワンピース便器は、アジア圏からの調達割合が大きく、輸送に時間がかかっていました。新工場棟により、米州域内のワンピース便器の生産数が増え、お客様へ確実かつタイムリーに商品をお届けできる体制となります。投資額は2億2430万ドル(約300億円)、米州住設事業のさらなる飛躍を目指します。
米州住設事業は、1989年にカリフォルニアに進出※3したことから始まり、地域の皆さまや現地パートナー企業と共に成長。2025年3月期決算では、4億6400万ドル(約705億円)の売上規模となっており、TOTOグループ全体の成長を牽引する成長セグメントと位置づけ、積極的な戦略投資を行っています。近年急速に販売台数が伸長しているウォシュレット※4と同様に米州の戦略商品であるワンピース便器の販売を促進し、節水および清潔性・快適性を備えた高付加価値商品の販売を米州で拡大します。
「その国・地域のTOTOになる」をめざし、米州市場で事業を開始して今年で36年となります。この間、地元政府や地域社会、現地パートナー企業の支援のもと、米州の社員と共にTOTOブランドを築き上げてきました。これからもTOTOは、「きれいと快適・健康」「環境」を両立したTOTOらしい商品「サステナブルプロダクツ」により米州の皆様の豊かで快適な暮らしの実現に貢献していきます。
※1:便器とタンクが一体となった形状の腰掛便器 ※2:衛生陶器を数える単位 ※3:1989年11月にカリフォルニア州オレンジ郡にTOTO Kiki U.S.A. Inc. (現TOTO U.S.A., Inc.)設立 ※4:「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です。

TOTO U.S.A.新工場棟建物外観

自動化設備の導入
米州では、便器とタンクが一体となったデザイン性の高いワンピース便器の需要が高いものの、便器とタンクを焼成後に組み合わせる密結便器と比べると製品が大きくなるので製造が難しいという課題がありました。従来の工場では、これまで人の手による作業工程が多くありましたが、新たに34台の最新鋭のロボットを導入することで、品質と生産性を向上させます。
成形工程においては、TOTOグループの衛生陶器の工場では初となる「タンク接着ロボット」を導入します。ワンピース便器の便器とタンクの接着をロボットで自動化することで生産性を高めます。この最新鋭のロボットは、TOTOが設備メーカーと共に独自開発したもので、寸法の個体差にバラツキがあっても、最適な位置を毎回自動で判断し、乾燥前の柔らかいタンクの形状を崩すことなく、しっかりと接着させます。

<参考>ワンピース便器の便器とタンク手動接着の様子重量のある製品を搬送する無人搬送機AGV(Automatic Guided Vehicle)をTOTOグループの衛生陶器の工場で初めて導入します。
AGVは1台あたり腰掛便器を3台運ぶことができ、成形・乾燥、施釉工程を経た腰掛便器を、焼成窯まで移動させる際の一部区間で使用し、約40メートルを自動走行します。AGVは全部で6台設置され、従業員の負荷軽減と製造工程の効率化を図ります。
無人搬送機(AGV)最新の加圧成形設備の導入
加圧成形設備
便器の形をつくるために原料を流しこむ機械である加圧成形設備については、従来の設備では近年主流となってきた大型かつ複雑な形状の製品が成形できないという制約がありました。
今回、最新の加圧成形設備を導入することで、米州市場で人気のある大型のワンピース便器もモロー工場で成形できるようになります。
2次元コードによる個体識別
焼成時の約1200℃の高温にも耐えられる2次元コードにより、全製品を個体識別します。
製造過程のあらゆるデータと紐づけられており、ビッグデータ分析による生産技術の向上などに役立てます。

シングルデッキ・キルン 2台新設
戦略商品であるワンピース便器の生産に対応するため、新たに焼成窯を2台設置予定で、2027年7月の稼働を予定しています。形状や高さの異なる腰掛便器に対応できるよう、窯の高さを既存の窯よりも高くし、トロリー台車に製品を載せ、約24時間かけて焼成します。
既存の焼成窯は耐火煉瓦で窯内を構成しており、1996年稼働開始から約29年間使用してきました。煉瓦自体の特性である蓄熱により、生産のない週末も火止めに必要な時間が取れない為、温度を下げて休日も運用しており、多くのエネルギーロスが発生していました。また、窯の制御機器が古いので、細かな温度コントロールが難しく、最適な焼成条件を作り出すのが困難でした。
新たに導入予定の焼成窯は、セラミックファイバーで断熱性を大幅に向上させ、休日の火止めが可能な仕様となります。また電子制御で温度微調整が容易にできるので、効率的に焼成することができます。このため、既存の焼成窯に比べてCO2排出を、約23%削減することができます。
ニュースリリース全文は、以下よりダウンロードしてご覧ください。
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