ニュースリリース
2025年6月16日
調査・受賞・その他
省材料・省工数で高緩衝力を実現した汎用ソフトタッチ段ボール緩衝材
TOTO株式会社(本社:福岡県北九州市、社長:田村 信也)のウォシュレット※1用包装材「省材料・省工数で高緩衝力を実現した汎用ソフトタッチ段ボール緩衝材」が、公益社団法人日本包装技術協会主催の「第49回木下賞」において、「改善合理化部門」賞を受賞しました。
木下賞は日本の包装産業界では非常に権威のある賞です。TOTOが受賞した「改善合理化部門」賞は包装の改善や合理化に顕著な業績をあげたものに対して授与される賞です。「木下賞」は第41回、43回に続き3回目の受賞となります。
TOTOは、包装も高品質な商品を届けるための大切な要素と考え、より少ない資源で高い包装品質を目指し、自社で包装設計を行っています。2030年に「持続可能な社会」と「きれいで快適・健康な暮らし」の実現を目指す、共通価値創造戦略 TOTO WILL2030の達成に寄与するため、高い緩衝力と省資源化・省力化を実現するよりよい包装を追求し続けます。
※1:「ウォシュレット」はTOTO株式会社の登録商標です
省材料・省工数で高緩衝力を実現した汎用ソフトタッチ段ボール緩衝材
「省材料・省工数で高緩衝力を実現した汎用ソフトタッチ段ボール緩衝材」は、ウォシュレットの包装材に使用する緩衝材です。段ボールの最も強い部分を抽出することで省材料を、より簡単な構造にすることで省工数を実現しました。また緩衝材を波形状にし、互い違いで重ねることでしなやかさと強靭さを併せ 持つことができます。

海外のウォシュレット普及に伴い荷役※2の機会が増えると、破損の可能性が大きくなります。このため、より過酷な輸送環境にも耐えられるような緩衝材を低コストで実現するという課題がありました。
課題を解決するため段ボールの最も強い部分のみを抽出し、段ボールを目方向に4枚重ねることにより省材料化と安定して自立する構造を実現。複雑な組み立てを簡単にすることにより省工数も実現しました。さらに段ボールを複数重ねると硬くなり過ぎるため、先端を波形状にして互い違いにすることで重なる段ボールを減らし、意図的に潰れやすくしました。これにより初めは柔らかく受け、その後は重なるすべての段ボールでしっかり緩衝することができるようになりました。緩衝材を配置する位置、材料や大きさの違いなどによりさまざまな展開が可能な汎用性の高い緩衝材です。
※2:船や貨物から荷物を上げ下ろしすること
工夫①:段ボールを重ねる向き

段ボールの最も強い部分のみを抽出し、段ボール目方向に4枚重ねて複数並べることにより、安定して自立できるようになりました。
工夫②:段ボールを波形状に
4枚の段ボールを波形状にして互い違いに重ねることで、重なる段ボールを2枚ずつにし、意図的に潰れやすくしました。それにより衝撃が加わると初めに潰れる2枚ずつの波形状が製品を柔らかく受け、その後は重なる4枚全ての段ボールでしっかり緩衝することができます。
公益社団法人日本包装技術協会が主催する「木下賞」は、公益社団法人日本包装技術協会の第二代会長である故・木下又三郎氏の包装界に対する多年の功績を記念して創設された表彰事業です。
木下賞は、その年度において「1.包装の研究・開発に顕著な業績をあげたもの」「2.包装の改善・合理化に顕著な業績をあげたもの」「3.包装の新規分野創出に顕著な業績をあげたもの」に対して授与される、国内の包装産業界では最も権威がある賞です。原則的に上記3部門の中で、1部門1点に授与されます。

今回は、2025年6月13日(金)に表彰式が開催されました。
TOTOの過去の木下賞受賞包装技術
「内容物にフィットする緩衝機能付き包装箱」(第41回木下賞「新規創出部門」賞受賞)
「段ボールのバネ性を利用した“潰れない”緩衝仕切」(第43回木下賞「包装技術」賞受賞)
また、本包装技術は世界包装機構(WPO:World Packaging Organisation)主催の「ワールドスター2025」コンテストの「ワールドスター賞」も受賞しています。
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