ニュースリリース
2024年1月17日
TOTOギャラリー・間、TOTO出版
Shigenori Uoya: Re-Weaving Urban Fabrics
TOTOギャラリー・間(東京都港区)は、京都をはじめ各都市の構成に関するリサーチをベースに京町家の改修を120件以上手掛け、都市の文脈の継承について問題意識をもちながら建築の実践に取り組む建築家 魚谷繁礼氏の展覧会「魚谷繁礼展 都市を編む」を2024年5月23日(木)~8月4日(日)の会期で開催します。
また、関連イベントとして魚谷繁礼講演会「都市の時間を重ねる」を6月13日(木)(予定)に開催します。
TOTOギャラリー・間では、「魚谷繁礼展 都市を編む」を開催します。
魚谷繁礼氏は、京都をはじめ各都市の構成に関するリサーチをベースに京町家の改修を120件以上手掛けるなど、都市の文脈の継承について問題意識をもちながら建築の実践に取り組んでいます。京都では、日々町家や長屋が取り壊されてマンションや駐車場に替わるなど、歴史的街並みが消滅の危機にあります。その中で魚谷氏は、町家だけでなく路地や地割りなどの、建築遺構を継承する活動を続けています。
例えば「コンテナ町家」では長屋の一角を鉄骨フレームで覆ったうえでコンテナユニットと組合せ、路地を残しつつ現代的な活用ニーズに応えました。2023年度日本建築学会賞(作品)を受賞した「郭巨山会所(かっきょやまかいしょ)」では、祇園祭の歴史的会所建築を、保存建築物に関する制度を活用しつつ、既存の木構造と鉄骨造のハイブリッドによる増築で再生させました。このように、現代的な技術を多様な手法で歴史性や地域性に編み込むことによって、街並みや建築を次の100年に継承し、より豊かな都市空間や都市居住の実現を目指しています。魚谷氏の実践は京都での豊富な実務経験を元に、日本各地や海外にも広がっています。
本展では、こうした魚谷氏の都市と建築に向けた視座を「都市を編む」というタイトルで表現します。「都市を編む」とは、「都市の時間を重ねる」ことと「都市構造を読み解き再編集する」ことの両方の意味を内包しています。展覧会を通して、歴史と未来を繋ぐ現代建築の可能性を感じ取っていただければ幸いです。
TOTOギャラリー・間
展覧会名(日)― 魚谷繁礼展 都市を編む
展覧会名(英)― Shigenori Uoya: Re-Weaving Urban Fabrics
会 期 ― 2024年5月23日(木)~8月4日(日)
開 館 時 間 ― 11:00~18:00
休 館 日 ― 月曜・祝日
※TOTOギャラリー・間ウェブサイトにて最新情報をご確認ください。
入 場 料 ― 無料
会 場 ― TOTOギャラリー・間東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分
東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分
(〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F)
TEL:03-3402-1010 https://jp.toto.com/gallerma/about/map.htm
主 催 ― TOTOギャラリー・間
企 画 ― TOTOギャラリー・間運営委員会
(特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根 剛)
後 援 ― (一社)東京建築士会/(一社)東京都建築士事務所協会
(公社)日本建築家協会関東甲信越支部/(一社)日本建築学会関東支部
都市を編む
私たちは、歴史都市である京都を拠点に、国内各地で町家や長屋、路地などに関連するプロジェクトに取り組んできました。そしてその取り組みを通して、これらを取り壊すのではなく、そのままの姿で保存するのでもなく、生きた都市遺構としていかに後世へと継承しうるのかを考えてきました。
京都に限らず都市や地域は、多様な事象が積み重なりつつ現在の姿となってあらわれています。そうした歴史性や地域性といったコンテクストを、ただ建築設計のコンセプト構築に利用するのではなく、そのまま空間として享受しうるような建築をつくれないか。そしてその建築は、歴史性や地域性をただ消費するのではなく、それら既存のコンテクストに新たに織り込まれながら、より豊かな都市空間や都市居住の実現へと繋がっていくものでありえないか。
リサーチでは、設計のために行うのではなく、都市のコンテクストと現況をいかに捉え、地域の未来の可能性をいかに提示しうるかに注力します。そのうえでリサーチにより得られた知見を思想的背景にしながら、過去から未来に続く時間軸における現在において、どのような建築をつくりうるかを考えます。
この展覧会では、そのようなリサーチを背景にして設計してきた建築を紹介します。また今回は、京都・五條地域で取り壊されることとなったお茶屋建築の軸組を、東京・乃木坂に移設します。建築はその場所にあり続けることに意味があると考えますが、日々町家などの建築が取り壊されている現在、都市の遺構の一部である軸組を敢えて別所にて再構築することの有意性について、この展示を通して共に考えたいと思います。
魚谷繁礼
魚谷繁礼 (うおや しげのり) 建築家
1977年兵庫県生まれ。2001年京都大学工学部卒業、2003年同大学大学院工学研究科修了。現在、魚谷繁礼建築研究所代表。京都大学などで非常勤講師。2020年より京都工芸繊維大学特任教授。京都をはじめとする国内外の歴史都市において街路街区の構造の変容と現況に関する調査研究を行う。主な建築に「京都型住宅モデル」(京都府、2007年、池井健建築設計事務所と共同設計)、「西都教会」(京都府、2011年)、「ガムハウス」(京都府、2019年)、「SOWAKA(旧美濃幸)」(京都府、2019年)、「コンテナ町家」(京都府、2019年)、「郭巨山会所」(京都府、2022年)。主な著書に『住宅リノベーション図集』(オーム社/2016年)。JIA新人賞(2021年)、北陸建築文化賞(2021年)、関西建築家大賞(2022年)、日本建築学会賞(作品)(2023年)など受賞。
魚谷繁礼講演会「都市の時間を重ねる」
日 時 ― 2024年6月13日(金) 17:30開場、18:30開演、20:00終演(予定)
会 場 ― イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F)
定 員 ― 500名
参加方法 ― 参加無料/事前申込制
TOTOギャラリー・間ウェブサイト(https://jp.toto.com/gallerma)よりお申込みください。
申込期間 ― 2024年4月4日(木)~2024年5月26日(日)
申込み多数の場合、抽選の上、2024年5月30日(木)までに結果をご連絡いたします。
注意事項 ― 状況により、予定が変更になる場合がございます。
当講演会では未就学のお子様連れのお申し込みはご遠慮いただいております。
ニュースリリース全文は、以下よりダウンロードしてご覧ください。
お気に入りに保存しました