ニュースリリース
2023年9月13日
TOTOギャラリー・間、TOTO出版
Fuminori Nousaku + Mio Tsuneyama: URBAN FUNGUS ――Architecture is a Complex Mesh
TOTOギャラリー・間(東京都港区)は、建築設計や論考執筆に加え、国内外の大学を拠点に、建築・都市・生態系のリサーチを続ける能作文徳氏と常山未央氏の展覧会「都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築」を2024年1月18日(木)~3月24日(日)の会期で開催します。
また、関連イベントとして、能作文徳氏と常山未央氏による講演会を2024年1月26日(金)に開催予定です。
TOTOギャラリー・間では、「能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築」を開催します。
能作、常山両氏は、建築設計や論考執筆に加え、国内外の大学を拠点に、建築と都市と生態系の関係性リサーチを続けてきました。自宅兼事務所の「西大井のあな」では、鉄骨造の中古住宅に光と熱が循環する孔を開け、コンクリートで覆われた外構を自分達の手ではつり、土中改善を行うなど、エコロジカルな視点で改修しています。そこは他で得た学びを実験し、次のプロジェクトへと展開させる実践の場となっています。彼らが「URBAN WILD ECOLOGY」と呼ぶ、こうした都市の中に野生を取り戻す取り組みに加え、近年では石場建てや木組などの伝統知、藁や土壁といった土に還る素材を積極的に設計に取り入れています。
彼らは都市を、「人間の手が入った多様な生物が暮らす居住域」だと言います。課題を抱える現代の都市の一部を分解し、その養分を吸収し、菌(きのこ)のように成長する。そんな腐敗と再生の網目の結節点として建築を捉え、野生や伝統知を手に、網目に切り込みを入れつなぎ直すことにより、複数種のネットワークを構築しようとしています。
本展は、「西大井のあな」のさらなる改修案や、最新作「秋谷の木組(秋谷スマートハウスE 棟)」をはじめとするプロジェクトの断面図や模型などを通じて、網目をつなぎ直すために誰もが真似できる小さな試行錯誤を共有する試みです。その先に、人新世と呼ばれる時代における建築の可能性やビジョンを感じ取っていただければ幸いです。
TOTOギャラリー・間
展覧会名(日)― 能作文徳+常山未央展:都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築
展覧会名(英)― Fuminori Nousaku + Mio Tsuneyama: URBAN FUNGUS
――Architecture is a Complex Ⅿesh
会 期 ― 2024年1月18日(木)~3月24日(日)
開 館 時 間 ― 11:00~18:00
休 館 日 ― 月曜・祝日、ただし、2月11日(日・祝)は開館
※TOTOギャラリー・間ウェブサイト(https://jp.toto.com/gallerma)にて最新情報をご確認ください
入 場 料 ― 無料
会 場 ― TOTOギャラリー・間
(〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F)
東京メトロ千代田線乃木坂駅3番出口徒歩1分
TEL:03-3402-1010 https://jp.toto.com/gallerma/about/map.htm
主 催 ― TOTOギャラリー・間
企 画 ― TOTOギャラリー・間運営委員会
(特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根 剛)
後 援 ― (一社)東京建築士会/(一社)東京都建築士事務所協会
(公社)日本建築家協会関東甲信越支部/(一社)日本建築学会関東支部
都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築
都市は朽ち始めている
生活はインフラとサービスに依存し、自分の力で修復できない
地表は建物とアスファルトに覆われ、呼吸ができない
乾いた土では食べ物は育たず、水は浄化されない
毎日大量のゴミが捨てられる
建物やインフラを新品に保つ力は衰えている
それでも、賞味期限切れの都市の生命活動は続いていく
いま私たちは野生を取り戻さなくてはいけない
土を嗅ぎ
雨を聴き
風を読み
陽を感じ
心地よい居場所をつくれるように
伝統を知り
技術を学び
小さな負荷でここに暮らせるように
私たちは、建築を大きな網目の中で捉えている
建物は、資源から廃棄までの一時的な結節点だ
都市ではゴミも材料になる
アスファルトを剥がせば、土壌が小さな生産地と分解地になる
太陽熱を使えば、調理が台所から飛び出す
建物を持ち上げれば、そこが生き物の棲家となる
そうやって身の回りの資源、太陽、土、ゴミと生活が絡み合い
複数種の居住域が築かれる
菌(きのこ)が腐敗と再生産の網目に生きるように
能作文徳+常山未央
東京を拠点に活動する建築家、能作文徳と常山未央。現代都市と生態系をテーマに、批評的な建築実践を行っている。
主な作品に「西大井のあな」(東京都)、「不動前ハウス」※1(東京都)、「明野の高床」※2(山梨県)、「杭とトンガリ」(東京都)、「高岡のゲストハウス」※3(富山県)、「氷見移住ヴィレッジ」(富山県)、「秋谷の木組(秋谷スマートハウスE棟)」(神奈川県)など。
主な受賞に、2016年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示 特別表彰、第33回JIA新人賞※2、日本建築学会作品選集 新人賞※3など。
(※1:常山未央、※2:能作文徳、※3:能作文徳+能作淳平、他:能作文徳+常山未央)
能作文徳( のうさく ふみのり)(写真左)
1982年富山県生まれ。2005年東京工業大学卒業。2007年同大学院修士課程修了。2008年
Njiric+ Arhitecti(クロアチア)研修。2010年より能作文徳建築設計事務所主宰。2012年博士(工学)取得。2012~18年東京工業大学助教。2018~21年東京電機大学准教授。2023年コロンビア大学特任准教授、ミュンヘン工科大学客員教授。現在、東京都立大学准教授。
常山未央(つねやま みお)(写真右)
1983年神奈川県生まれ。2005年東京理科大学卒業。2005~06年Bonhôte Zapata Architectes(スイス)研修。2006~08年スイス連邦政府給費生。2008年スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)修了。2008~12年HHF Architects (スイス)。2012年mnm設立。2015~20年東京理科大学助教。2020~21年同校特別講師。2022~23年EPFL客員教授。2023年コロンビア大学特任准教授。
能作文徳+常山未央講演会 都市菌(としきのこ)――複数種の網目としての建築
日 時 ― 2024年1月26日(金) 17:30開場、18:30開演、20:00終演(予定)
会 場 ― イイノホール(東京都千代田区内幸町2-1-1飯野ビルディング4F)
定 員 ― 500名
参加方法 ― 参加無料/事前申込制
TOTOギャラリー・間ウェブサイト(https://jp.toto.com/gallerma)よりお申込みください。
申込期間 ― 2023年11月9日(木)~2024年1月14日(日)
申込み多数の場合、抽選の上、2024年1月19日(金)までに結果をご連絡いたします。
注意事項 ― 状況により、予定が変更になる場合がございます。
当講演会では未就学のお子様連れのお申し込みはご遠慮いただいております。
『アーバン・ワイルド・エコロジー』
発行年月:2024年1月(予定)
発行:TOTO出版(TOTO株式会社) TEL:03-3497-1010
https://jp.toto.com/publishing
ニュースリリース全文は、以下よりダウンロードしてご覧ください。
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