- ―― 天井の納まりや扉のディテールにも改良点があるようですね。
- 三石 気づきにくいところですが。天井と壁のつなぎ部分にビス隠しの目地をまわしていたのですが、天井を上からはめ込む構造を開発して目地を消しました。かなりすっきり見えるはずです。
扉も空気の取り込み口を枠の上部にもっていき、ガラリをなくしました。同時にカビが付きやすいドア縁のゴムパッキンもなくしています。 - ―― 扉下部のガラリが消えた。
- 三石 下のガラリから空気を取り入れると、やはり汚れがたまって掃除をしなくてはいけない。それをなくしました。そうすると框が薄くなるし意匠としてもいいんです。
- ―― とてもシンプルなデザインになりましたね。
- 三石 はい。しかも換気性能が向上しているんです。これも目に見えにくいメリットですが、空気が上から入って下へ広がることで、浴室全体の空気が効率よく置換されます。下から空気を取り込むよりもむしろ効果的だということが、実験で検証されました。換気扇をまわすと空気が入ってきて、逆流することがない、そのために換気口にダンパーを設けました。