
また、画一的な従来型サロンから脱皮したさまざまなコンセプトをもつサロンが現れるとともに、一般大衆までも視野に入れた店舗展開が行われたことも、裾野を広げた大きな要因である。カリスマ美容師のいる高級ブランドサロン、若者をターゲットにしたチェーン展開によるおしゃれな大型サロン、ファミリーレストラン的なリーズナブルサロン、ファストフード店的なクイックサロン、低料金サロンなど、それぞれの個性を生かし消費者の支持を得ている。そのなかでもとくに飛躍的に伸びたのは「チェーン展開の大型サロン」で、ブランドを築き上げ全国的なフランチャイズ展開を積極的に行った。
ヘアカラーの普及やさまざまな業態のサロンの出現で市場を拡大してきた理美容業界だが、04年には減少期を迎えた。99年と比較すると理美容市場は20%近くも減少したが、美容室においては現在も毎年2000軒以上店舗数が増加し、美容師数もまだ増加している。人口減少や少子高齢化の時代のなか、生き残りをかけ複合サロンや低価格競争などさまざまな業態変革で消費不況に対応しようと必死である(Drawing 2/4)。





