熟年層の信頼を得る細やかな対応

「お客さんは、命を担保にして家の資金をつくる。だからお客さんに喜んでもらえることを一番に考える」というのが、福家さんの創業以来のポリシー。ただご本人も「これはどこでも一緒でしょう」と苦笑するように、それだけではフクヤ建設が業績を伸ばしてきた理由がわからない。何が理由か。
 福家さんが現場の最前線でばりばり働いていた10年ほど前まで、依頼者は50~60代が中心だったという。地域性もあるのかもしれない。しかし家を建てようとする世代で、圧倒的に多いのはやはり30~40代ではないのか。
 独立の経緯からも、福家さんは人一倍依頼者との距離が近いのがわかる。
 創業の頃の、こんなエピソードもある。
「営業に行くと、喜んで家に上げてくれて、ご飯まで食べさせてもらって、帰るときに契約書にハンコを捺してくれるお客さんがたくさんいた」、「ひとりのお客さんの紹介で10棟建てたこともあった」。
 依頼者の要望を聞き、その言葉の表面的な部分だけでなく、彼らが本質的に希求するものを汲み取ることができるのだろう。だから自分をアピールすることが苦手な熟年世代からも高い支持率を得られるのではないか。そして人柄。好感と信頼を得る丁寧な接客、細やかな対応。言葉にすればありきたりだが、そこに真心がこもり、会社の体質になったとき、大きな力となっていく。

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