

キッチン(ワークトップ)の高さは、作業のしやすさや身体への負担を大きく左右する重要な要素です。一般的なシステムキッチンの高さやシンクの高さには規格がありますが、自分の体格や作業性を考慮して選ぶ必要があります。この記事では、キッチンの標準的な高さや身長・肘の高さを基準にした計算方法、キッチンの高さを決めるときのポイントを解説します。
目次
1. キッチン(ワークトップ)の標準的な高さは85cm?JIS規格と普及サイズ
2. 「身長」と「肘高」がカギ!快適なキッチンの高さを計算する方法
3. 合わないと後悔する!キッチンの高さ選びでよくある失敗例
5. キッチン(ワークトップ)の高さ以外で重視したい6つの要素
7. キッチンの高さはショールームで確認!実物を見るべき2つの理由

キッチンの高さは、日本産業規格(JIS)によって80・85・90・95cmと定められています。多くのメーカーではこの規格に沿って5cm刻みで展開されており、80・85・90cmが一般的なサイズとなっています。
身長150cm前後なら80cm、160cm前後なら85cm、170cm前後なら90cmが目安ですよ。
近年は高身長化や腰痛対策で、高めのサイズの需要も増えています!
キッチンの高さが体格に合っていないと、作業のしやすさや身体への負担に大きな影響が……。ここでは、自分に合ったキッチンの高さを判断するための計算方法を2つご紹介します。
【キッチンの高さを判断するための計算方法】
| 身長から計算 | キッチンの高さ = 身長 ÷ 2 + 5cm |
| 肘高から計算 | キッチンの高さ= 肘を90度に曲げた位置の高さ-10〜15cm |
一つは「身長から計算する方法」です。自分に合うキッチンの高さの目安は、以下の公式から計算する方法が一般的です。
身長 ÷ 2 + 5cm
たとえば、身長160cmの方なら「160÷2+5=85cm」、170cmの方なら「170÷2+5=90cm」が目安の高さとなります。国内メーカーのシステムキッチンは5cm刻みで展開されていることが多いため、この計算値をもとに、もっとも近いサイズを選びましょう!
もう一つは「肘高から計算する方法」です。
肘を90度に曲げた位置の高さ-10~15cm
肘を90度に曲げた位置から10〜15cm引いた数値が高さの目安。この高さであれば、包丁作業や洗い物をするときに腕へ余計な力が入りにくく、自然な姿勢を保てます♪より正確で、自分に合ったキッチンの高さを知りたい場合は、こちらの方法がおすすめです!
キッチンの高さが体格に合っていないと、日々の調理や片付けで思わぬ負担が生じます。ここでは、キッチンの高さ選びで実際に起こりやすい代表的な失敗例をご紹介します。
キッチンが高すぎると肩が上がった姿勢になり、腕の筋肉が常に緊張した状態になるため、短時間の調理でも肩がこりやすくなります。
また、包丁に体重が乗りにくく、調理しづらくなるという問題も……。さらに、ガスコンロでは五徳の高さ(約5cm)が加わるため、鍋の中が見えにくくなる傾向にあります。フライパンなどの重い調理器具も扱いづらくなるでしょう。
逆に、キッチンの高さが低すぎると前かがみの姿勢が続いて、腰や背中に大きな負担がかかってしまいます。自然と視線も下がるため首の疲れを感じやすく、調理や洗い物が苦痛に感じてしまうことも……。
また、シンクが低いと水はねが起こりやすく、エプロンをしていても衣類が濡れやすくなります。わずか数cmの差であっても日々の家事による負担が積み重なり、身体への負担や作業のしづらさに対する不満につながるおそれがあるでしょう。
キッチンが高すぎると、ワークトップの位置が上がって視覚的なボリュームが増し、部屋全体が狭く感じられることがあります。
また、吊戸棚との距離が近くなり、圧迫感を覚えたり頭をぶつけたりすることも……。さらに、水栓やレンジフードの操作位置も高くなるため、手が届きにくくなるなど、使い勝手に影響が出る場合があります。

キッチンの高さを決める際は、実際の使い方やキッチン周辺の条件も考慮すると、より長く快適に使い続けられます。ここでは、3つのポイントをみていきましょう。
キッチンの高さで迷ったときは、やや高めのサイズを選ぶのがポイントです!低いキッチンをあとから高くするのは難しいですが、高い場合は厚手のスリッパやキッチンマットを使って足元で調整できます。
また、少し高いほうが背筋が伸びて前かがみを防げるため、腰への負担軽減にもつながりますよ♪
シンクとコンロの高低差も、想定しておきたいポイント!調理をするときはコンロに鍋などを置くため、シンクの底との高低差がかなり出てしまうことも……。洗い物で腰痛を感じやすい場合は、シンクの底に手が届く高さを優先すると安心でしょう。
また、大きな鍋を振る機会が多い場合は、コンロ部分をやや低めにするのもおすすめ!ガスコンロとIHでは火口の高さが異なるため、ショールームなどで実物を確認することが大切です。
キッチンを設置したあとに「少し高さが合わない」と感じても、足元の工夫で調整できる場合があります!厚手のスリッパを履けば2〜3cmほどの高さは補えるため、多少高い程度であれば問題ないでしょう。
また、キッチンマットを敷いて、床の高さをかさ上げする方法もあります。床の汚れを防げてお掃除もラクになりますよ♪家族で共用する場合は、身長が低い人に合った踏み台を使う方法も有効です!
キッチンの使いやすさは、水栓や吊戸棚、収納の位置や高さによっても変わるため、全体のバランスを考慮することが重要です。ここでは、押さえておきたい6つの要素を表でご紹介します。
| 水栓の高さ | 吐水口の下に十分なスペースがあるか (深い鍋・大きなボウルなども洗いやすいか) ※浄水器一体型の水栓は、シンク周りに圧迫感が出ないかも要チェック |
| シンクの深さ | 前かがみにならずに、底へ手が届く深さか |
| 取っ手の高さ | 引き出しや扉の取っ手を、かがまずに自然な姿勢で掴めるか ※形状によって、指の掛かり方や力の入れやすさが変わることに注意 |
| 吊戸棚の高さ | 踏み台を使わなくても、中身を半分以上見渡せる高さか ※高い位置に設置したいが手が届かない方には、昇降式の収納がおすすめ |
| レンジフードの高さ | レンジフードはコンロ面から80cm以上離れているか ※煙をしっかり吸い込みつつ、調理中に頭が当たらない高さを選ぶ ※フィルター掃除の際に無理なく手が届くかどうかも確認 |
| 周辺収納の高さ | 食器棚などは使いやすい高さか ※炊飯器などの家電や、よく使う食器が出し入れしやすい高さを基準に |
家族で身長差がある場合、全員に合うキッチンの高さを設定するのは難しいですよね。そのため、「誰がもっとも長く使うか」を基準に優先順位を決め、無理のない高さを選ぶことが現実的な判断といえます。
高さを決めたあとは、踏み台や厚手のスリッパなどを活用し、それぞれが使いやすいよう調節できる環境を整えるとよいでしょう。
微調整する方法
・厚手のスリッパやキッチンマットを使用して、足元の高さを2〜3cm程度調整する
・身長が低い家族が使う場合は、安定感のある踏み台を用意して作業位置を補正する
・まな板スタンドや厚みのあるまな板を使い、包丁作業の高さを少し上げて調整する
・シンク内に洗い桶や底上げラックを置き、洗い物の作業位置を高くする
事前にキッチンの高さを計算することも大切ですが、毎日使う場所だからこそ、実際の使い勝手はショールームで「見て・ふれる」ことが欠かせません。ショールームで実物を確認すべき主な理由は、以下の2つです。
・計算で出した数値と「実際の体感」のズレを解消できる
・全体のイメージがつかめる
ショールームでは、スリッパの厚みや包丁を使う姿勢など、数値だけでは測れない「自分にぴったりの高さ」を肌で感じられます。これにより、設置後に「腰が疲れる」といった後悔のリスクを最小限に抑えられます。
また、高さだけでなく吊戸棚との距離や動線など、空間全体のバランスを同時に確認できるのも大きなメリット。悩んだときは経験豊富なアドバイザーに相談できるため、より確かな自信を持って高さを決めることができますよ!

ショールームでは、実際の作業を想定しながらこまかなポイントを確認しておくと、設置後に「使いにくかった……。」という失敗を防げます。ここでは、とくにチェックしておきたい4つのポイントをご紹介します!
自宅でスリッパを履いて作業する場合は、ショールームにスリッパを持参し、スリッパを履いた状態で高さを確認しましょう!裸足や靴下のみで使う予定なら、実際に靴を脱いで立ってみることが大切です。
スリッパの厚みはわずか2cmほどでも体感の高さが変わり、首や腰の疲れやすさに影響する可能性があるため、しっかり確認しておきましょう。
キッチン天板の高さを確認する際は、まな板や食材の厚みが加わることも想定しておきましょう。包丁を握った状態で、肘が少し曲がる自然な姿勢で力を入れられるかを確かめることが大切です!
カボチャのような硬い食材を切る場面をイメージし、無理なく踏ん張れるかも確認しておくとより安心ですよ。
シンクの使い勝手を確認する際は、実際に手を入れて底を洗う動作を試してみましょう!腰を大きく曲げずに作業できるか、負担がかかって痛くならないかが目安です。
また、水栓の根元まで無理なく手が届くかも確認しておきましょう。加えて、洗い物をカゴへ移すまでの動作がスムーズに行えるかどうかも、チェックしておきたいポイントです。
コンロの使い勝手を確認する際は、フライパンを置いて中身を混ぜたり振ったりする動作を試してみましょう!ガスコンロは五徳の高さがあるため、肘が上がりすぎて肩に負担がかからないかを確認することが重要です。また、換気扇が視界を圧迫していないかなど、調理中の見通しや開放感もあわせてチェックしておきましょう。
キッチンの最適な高さは、身長や肘の位置だけでなく、家電の配置や調理動線まで含めて考えることが大切です。
TOTOのショールームでは、豊富な知識を持つアドバイザーがあなたに合ったプランを提案します!迷ったときは一人で悩まず、アドバイザーに相談してみましょう!
A.日本産業規格(JIS)で定められているサイズは、80cm・85cm・90cm・95cmの4種類です。とくに、85cmは身長160cm前後の人に合いやすい高さですが、近年は90cmや95cmの高めのサイズを選ぶ方も増えています。
A.キッチンが低すぎると前かがみの姿勢が続きやすく、腰や背中に負担がかかって疲れやすくなります。洗い物や調理を長時間行うと、腰痛や首のこりにつながることも。「身長÷2+5cm」を目安に高さを選ぶのがおすすめです。
A.既存のキッチン本体の高さを大きく変更するのは難しい場合が多いですが、足元で調整する方法はあります。厚手のキッチンマットやスリッパを使えば、2〜3cm程度の高さを補えます。また、踏み台や厚みのあるまな板を活用することで、作業位置を自分に合った高さへ近づけることが可能です!
A.車いすを利用する方向けのキッチンの高さは、一般的に70〜75cm程度が目安とされています。車いすの座面の高さや膝下のスペースを確保し、無理なく手が届くことが重要です。また、シンク下に空間を設けて車いすが入り込める設計にすると、調理や洗い物の作業が行いやすくなります。
A.賃貸住宅では、キッチンマットや作業台などで作業位置を調整する方法が現実的です。オーナーや管理会社の許可があればDIYによるリフォームも可能ですが、構造を変えるような大幅な変更は基本的にできません。費用や原状回復の問題もあるため、高さを調整する場合はキッチンマットや作業台などで対応しましょう!
キッチンの高さは、標準サイズだけを基準に決めるのではなく、使う人の体格や作業姿勢をふまえて検討することが大切です。身長や肘の高さから目安を計算し、シンクやコンロとの体の動きの違い、周辺設備の位置まで含めて確認すると、日常の調理がより快適になるでしょう。
数cmの違いでも負担の感じ方は変わるため、ショールームで実際の姿勢や動作を確かめることが後悔を防ぐポイント。自分の生活環境に合った高さを見極め、無理のないキッチンづくりを目指しましょう!
キッチンの高さは、図面や数値だけでは判断しきれない部分も多くあります。実際の使い心地まで考えて検討したい場合は、リフォームの専門家へ相談してみるのも一つの方法です。
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